バイオディーゼル(BDF)反応の使用メタノールや触媒量を少しは考察しましょう!!
本日、県立の某工業高校の教師と生徒さんの訪問を受け、BDFの反応がうまく進行しないなどの質問を受けました。
課題研究でバイオディーゼル(BDF)作りにトライしていると言うことでした。
是非、エコ(ECO)燃料作りで頑張って頂きたいと思います。
そこで、気になった点(反応が進まない間違い)が幾つかありました。初歩的な間違いだと思いますので、
BDFのExpertは無視してください。
この関係は、容積で換算すると油に対して、油脂の種類にもよりますが、概略、容積割合で12.5%となります。
これは、理論的な最低値です。
通常は、前に説明したと思いますが、BDF反応促進、及び出きるだけ逆反応(BDFが油脂に戻る)を抑える為に、(温度や圧力、生成グリセリン量などにもよりますが、)先ずはメタノール量(モル数)を増やす手段が、通常は取られています。
通常BDFの論文等では、油脂1モルに対して、メタノール6モルが標準的で、この場合は容積割合は油脂の25%ですが、少ない場合は4.5モル(18.8%)、或いは多い場合は9モル(37%)で行う場合もあります。多く使えば、メタノール回収費の増大や、メタノール無回収であれば、メタノール費用増大になりますが、反応はそれだけスムーズに進みます。メタノール使用量の上限はありません。100%でも、200%でもOKです。
我々は、19~20%で、Two-Step反応で行っています。
ーーまず使用する触媒の絶対量を適正なものにする必要があります(滴定などで、測定し)。
次に、仮に、油脂1Lに対して水酸化カリウム(KOH)を10g加えた場合が最適条件だったとすると、
では苛性ソーダ(NaOH)に切り替えた場合の使用量は幾らとなるでしょうか??
また、原料の廃油(WVO)の滴定液に用いた水酸化カリウム純度も94%同一と仮定しましょう。
異なれば、純度補正をします。
この場合の苛性ソーダ量は6.7g(6.714g)が正解です。
この様に、使用アルカリ触媒の種類によって、最適な使用量を変える必要がありますが、皆さんはどうでしょうか??
変えているけど山勘ですか??それとも、。。。
先ず、前述の水酸化カリウムが仮に、10gが最適だとすると、
どうしてこの様な結論に至ったのでしょうか?
より正しくは、いろいろ量を変えて、実反応結果の分析を行う必要があり、毎回テスト・ミニ・バッチ・テストを行うところもある様ですが、
殆どは、そこまでは行わず滴定法で酸価(AV)値を測定して、そこからある公式で計算しています(有料のソフトもあるそうです)。
AV値は2.55(より正しくは2.553)であった筈です。
この場合はAV=1.71@NaOHとなります。
AV値の定義は、純度100%の水酸化カリウムですので、正規のAV=2.40となります。
この数値は酸化があまり進んでいない、比較的良い廃油です。
因みに、我々の使用している廃油はAV値=5程度、グリセリン前処理をするとAV値は2.5程度に低下しますので、
この場合はそれぞれ、水酸化カリウムは12.45g、9.95gが正解です。
同様に、苛性ソーダを現在使用しているので、この場合の私の使用している公式では、
上記は、同様に苛性ソーダ量は8.357g、6.679gとなります。
皆さんは、正解が得られましたか ?
計算の公式は、あえて出していませんが、
ほぼ上記例題から、リバース・エンジニアリング(?)で導きだせるはずです。
むしろ反応が進みますが、一方
アルカリ触媒の場合は、弊害となります。
量が多いと石鹸分の生成が増えてしまいますし、少い場合は十分反応が進行しません。
更に、BDFや分離グリセリン中に、多量のアルカリ触媒が残留し、これらの除去が大変です。
精製工程を水洗処理の場合も、Dry-Processの場合も共通です。
誤差の目安は、前述の数値の前後5%程度です。
10%もずれると、これらの弊害が目立ちますので、
触媒量の計算法と秤の計量精度には、充分なご注意を!!
他にも、訪問者の質問や間違い・誤解がありましたが、この2点だけにしておきます。。。
では、また。
Joe.H
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