ガス化装置の前処理設備は??

今回は、バイオマス、或いは廃棄物のガス化(炉)装置の前処理設備の概要紹介です。尚、ガス化炉本体の情報は各種下記、等を参照下さい。

http://www.biofuels.co.jp/page2.html

多くのガス化装置は本体の提供・販売・保守等が主で前処理設備は含みません。例え、含まれていても、乾燥設備程度です。

原料の状況により、或いはガス化炉装置の原料受け入れ仕様により、何らかのガス化炉投入前の原料前処理も必要です。

1)最も簡単な原料木質チップの受けれ可能仕様(外部購入チップ・サイズ(例、2~5㎝)と含水率(例、5~15%))基準をクリアーしていれば、通常のガス化炉なら、即ガス化炉へ原料投入も可能であり、特に前処理は不要です。但し、現実はこの様な実例は少ないと思います。木質チップは空中水分の吸収が早く、例え、入荷時に含水率が使用条件を満たした乾燥状態だったとしても、2~3日間、大気中放置すれば、即含水率過多(20~25%)となり得ます(外部空気を遮断できる格納庫も必用)。

2)この様に水分過多な場合、乾燥機が不可欠です。乾燥機があれば、逆に含水率を全く気にしないで生チップ(~50%程度迄)を、時に有利な条件で購入できます。乾燥機に必要な乾燥機用熱源はガス化装置、及びエンジン排熱の的確な熱回収を行えば、必要な熱量は(充分)得られます。ガス化装置で必要な乾燥機が標準で付いている場合(左側添付の左側はA-Tec乾燥機)、或いはオプション使用で選択出来る場合(LiPRO,他)、ガス化炉メーカー提供(指定)のオプション乾燥機がリスクも少なくベストな選択です。ガス化装置メーカー側で提供がなければ、別と乾燥機の購入(右側の例:Rotary式乾燥機:https://biofuels.co.jp/page20-11.html)となります。

 

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3)原料が林業組合等から丸太供給の場合、切削型チップ機(下記添付例、https://biofuels.co.jp/page20-10.html)が必要です。丸太のチップ化処理後、仕様を

超えた(下限・上限)チップを篩処理後、前述の乾燥機 により乾燥処理を必ず行います。

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4)ガス化炉タイプによっては、ペレット化(例、下段右側:ペレット機)(又は、原料細粉のブリケット化)仕様のガス化炉もあります。ペレットを外部購入出来れば、特に前処理設備は不要ですが、極めて高価(チップ単価の2~3倍も)です。また、ペレットも水分を吸収します。水分吸収したペレットは(再)細粉化し、最早ペレット仕様のガス化原料として使えません。保存法の注意が必要です。

5)ペレットを自家製造する場合、チップ化処理後、再粉砕機(細粉・微粉化)(例、Hammer-Mill,下記左側)とその右側のペレット(或いはブリケット)機も必要となります。設備費はガス化炉に比べ、そう大きな割合の金額ではないと思われますが、運転経費(モーター駆動電力)が可成り掛かります。丸太から、ペレット迄の主要処理(工程)は、次の様になります。

丸太⇒チップ機⇒再粉砕機⇒乾燥機(細粉用)⇒ペレット機(ブリケット機)

以上が、バイオマス(主に木質系)の前処理工程の概説です。原料供給とガス化炉間の

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前処理は、これら相互の充分な調整が必要です。固体(バイオマス類)を取り扱う前処理が不充分な結果、次工程のガス化装置が稼働できないトラブル原因の場合も少なくない様です。付帯重機類も必要です。最低でもチップ機への丸太投入用Log-Loader(下段左側か)、チップ材移動用Wheel-Loader(右側)、或いはチップ機とガス化炉間のベルトコンベアー等も必要です。

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次は廃棄物(MSW,廃プラ,等)の前処理です。どの様な廃棄物をどの様なガス化炉用原料として使用するか等で、前処理工程は決定されますが、実務上は可成り複雑です。前処理の設備設置場所、要員も、ガス化炉工程部よりむしろ多く必要です。

廃棄物集荷(MSW,廃プラ,一般/産業廃棄物等)⇒一時保管⇒粉砕⇒選別・除去(石・金属・ガラス)⇒ガス化・精製ガスエンジン)発電 

等が一般的な工程です。

具体例の解説は、廃棄物の種類、形状、処理装置、規模...等により大幅に異なり複雑です。

ここでは個別の説明は省略し、ご参考までに関連動画の例を添付します。

下記の動画は、一般廃棄物(MSW、廃プラ、埋立済の廃棄物)等の原料の前処理を含む動画の例です。

https://fulcrum-bioenergy.com/ 

https://www.youtube.com/watch?v=D9-cGSbQ_Mg 

https://www.youtube.com/watch?v=vVvCEkKxWs0  

何れにしても、現状取り扱う廃棄物はもとより、将来的に見込まれる廃棄物も含め、充分な前処理法の検討が必要です。

この分野専門家(企業)のコンサルティング、経験が特に重要だと思います。

何かお問い合わせは、https://biofuels.co.jp/page70-1.html経由でお願いします。

では、また。。。。
Joe.H
 
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