バイオディーゼル(BDF)の次世代技術の最新固体触媒は魅力いっぱいです!!

新固体触媒もいよいよ実用化されつつあります。
 
先日、実用化も近い海外の例を紹介しました。
 
今回は、最近某触媒開発元と、守秘義務契約(NDA済)を行い、導入・実用化に向けて、本格的な調査・研究を開始しました。
新触媒(MTA契約済)も入手済です。
 
この革新的プロセスはCoolProcess(CP)® と言います
 
 
併せて、某顧客向(中小規模)日産10トン強のBDF装置設計も開始中です(日本では大型?)。
 
詳細は一般非公開紹介ですが、大型既存装置の関係者、大型装置を新規導入予定の方、或いは中大型プラント製作(、輸出)業の方等は、興味あると思います。
 
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次世代技術新固体触媒法は、知って損はないと思います
 
。。。と言うことで、今回の話題は、某社製の新個体触媒を利用すると、BDF装置や品質などは、どう変わるのかを簡単に紹介します。BDFの常識が変わりますので、。。。
 
 下記が主な特徴です。
 
1)新触媒はバッチでも、連続方式でも可能>>新設なら規模に応じて、バッチでも、連続プロセスでも対応可能な様です。勿論、既存BDF装置でも、多少の改造を行えば、新触媒装置用に転用可能です。既存の装置で新触媒を利用する場合、不必要な装置(機能)も発生します(装置の簡略化・簡素化)。
加えて、通常の酸・アルカリ法等とは異なり新触媒は無毒で、また他の有害廃棄物も殆どでません。
 
)廃油、新油、0~100%FFAと如何なる植物・動物性油脂も処理可能>>無条件で全オイル・油脂を使用可能と言うのが、本新触媒です。エステル交換とエステル反応を同時並行的に行い、FFA濃度の制限も一切なく、FFA100%でも処理可能で、かつ反応時間も殆ど変わりません。逆に新油(低FFA)だと、その効果の程は薄まります(高品質グリセリンが得られる?)。
アルカリ法は、遊離脂肪酸2~3%(AV=4~6)程度が、処理可能な限界です。それでも、FFA除去、グリセリン前処理などでFFA除去する必要があります(遊離脂肪酸は石鹸に化けるだけで、収率は少なくともこの分は減少します)。
他の多くの新触媒例は、FFA濃度条件付なら、エステル反応とエステル交換反応を同時並行で行える例、対応出来ても、2~3段反応で順次行う例(処理複雑化、反応時間の長期化)、或いはエステル反応に特化した例(逆のエステル交換反応に特化例)等もあります。
 
3)遊離脂肪酸(FFA)から石鹸分の副生なし>>FFA分全てがBDF化(エステル化)されます。
水分は理論的に副生しますが、収率ロス(原料の無駄)が全く無いことになります。石鹸分の副生が無ければ、他にもいろいろメリットがあります。エステル反応用(或いは、兼ねた)新固体触媒の殆ども、石鹸分副生なしを宣伝しています。
 
4)高純度グリセリンが得られる>>アルカリ法の様に、石鹸分、アルカリ分(金属)などの混入がありません。不純物は、メタノールと水分のみです従って、メタノールと水分さえ除去(精製処理)すれば、高純度グリセリンが得られます。更に使用メタノール使用量も少なく良く、グリセリンメタノールも少量です。
グリセリンの単位量当たりでは、BDFより高価かも? 大規模プロセスなら、グリセリンからアルコールなど化成品の製造も可能となります。
 
5)常温反応(10~35℃)でも高速反応>>固体触媒(金属酸化物、錯体)には、低触媒活性を補う為、120~200℃と言う高温(高圧)メタノール、或いは溶剤(均一液層化による高速反応)を使う例もあります。
アルカリ法でも、通常55~70℃であり、更なる高温によりBDFの品質劣化も有り得ます。本触媒では10~35℃の常温下での反応であり、加熱の必要はありません。ECOなBDF製造法と言えそうです。
 
6)原料油中の水分も、反応に影響なし>>基本的に、本触媒は水分の影響を受けません(5%まで)。
従って、アルカリ法の様に、水分の存在で、油(TGs)が脂肪酸(FFA)に分解し、石鹸副生し収率低下と言うシナリオは有り得ません。
この理由から、通常、必用不可欠な原料油脱水処理は不要です。反応上は問題ありませんが、ポンプ保護、グリセリンの品質向上(固形物は最後はグリセリン内へ)、反応工程でのフィルター詰まり防止等から、固形物の除去だけは必用です。
 
7)高FFA成分も全て100%BDFへ転換>>高濃度FFA対応は、多くの固体触媒の宣伝文句ですが、多くはFFA濃度20~30%程度まで、無条件で100%(全てFFA成分、油分TGs成分なし)までの油・油脂原料に対応できるの例は、少ないと思います。可能でも多段反応でメタノール投入、反応、水分分離の工程を2~3回繰り返すと言う例が多い様です。
通常の固体触媒では、エステル反応の水分は反応阻害要因となるからです(エステル交換反応のグリセリン除去と同じ)。
 
8)回収低純度メタノールも、無処理で直接反応に再使用可能>>新触媒は水分の影響を受けない為、水分を含んだ回収メタノールも,そのまま反応用に使えます。
従来のアルカリ法は、出来るだけ水分を反応に持ち込まさない様にする為(石鹸の副生量を減らす為)、高純度メタノール必用でした。回収メタノールは、更に精製蒸留が必用であったり、新メタノールと一部混合に留める等の対応が多いと思います。
 
9)メタノール使用量も少ない>>メタノール投入量は10.5%(Wt)+であり、油に対して理論必要量の3モルです。但し、原料油FFA増により、多少増加します。
また、エタノール、酢酸メチル(エチル)(流動点改善)も、一部混合も含めて使用可能です。
何れにしても、使用メタノール原料費が安価です。メタノールはBDFの最大費用項目ですので、製造コスト上も有利です。別の個体触媒では、多量メタノールを使ったり、油とメタノール均一相化ために(反応速度向上策)、溶剤添加法(単独メタノール使用不可)等もあります(溶剤回収必要)。また、BDFの残溶剤も問題かもしれません。
 
10)グリセリン分も高速分離可能>>メタノール使用量が少なく、かつ石鹸分も副生しないので、グリセリン高速沈降分離出来ます(遠心分離やコアレッサー分離等も、比較的簡単化)。
当然、全体の処理時間の短縮化と、残グリセリン量が減少し、石鹸分除去も不要ですので、最後の精製工程が簡略化、或いは、不要になル場合もあります。
 
11)祖BDF(反応後のBDF)の脱水、脱メタノール処理も簡素化>>使用メタノールが全てBDF反応に使われてしまい、余剰メタノールは、殆ど存在しません。
この結果、祖BDF中のメタノール分は極く少なく脱メタノール・脱水工程も簡単(主は脱水乾燥)となります。
 
12)精製工程は不要か、或いは簡略化も可能>>精製工程は水洗法でも、Dry-Washing法でも構いません。石鹸分の除去不要で、残留グリセリン除去が主目的となり、簡単です(グリセリン除去が完璧なら精製工程は不要)。
原料油中のステロイド(SGs)などが含まれても、反応上は問題とはなりませんが、冬季特性上(固化防止)問題となる場合は、特殊な専用吸着剤(イオン交換樹脂)等の使用でSGsの除去の他、DG,MG、りん脂質類も一部除去可能の様です
一方新触媒では、これら全てをBDFに変える機能をもつ触媒機能も含まれています。新触媒はエステル反応、エステル交換反応に加え、残DG+Mg反応の促進機能をはたす特殊触媒を含めた最適化多機能・複数触媒の複数構成です(脱Gum処理不要、As-Is可)。この触媒タイプの複数触媒は最初ですが、金属酸化物触媒等は、最近の傾向の様です。
但し、脱ガム未処理油、或いは重合ポリマー油などを使用する場合、反応は影響受けませんが、(規格値に合格)したBDF製品の製造する為には、混入防止の為の処理が必要です(蒸留、吸着剤など)
 
13)プロセスの選択の自由度>>2つの反応器があればベスト(最初の第1反応器で転化率97~98%(規格値96.5%)、ここで最低の規格値(ASTM,EN)は確保し、更に、次の第2反応器で別の触媒で(超)高純度99%+~100%-を達成する(特許のサンプル例で、100%)方法です。恐らく他の触媒法より高転化率が狙える手法です。
特に、低温特性の阻害要因の一つのDG+MGを(ほぼ)完全にBDF化出来ると言う特徴(高選択性)があります(通常法、成分減少がネック)。
 
14)既存バッチ装置も連続化で、プラント能力は3~5倍へUP>>既存の装置も比較的簡単にバッチ、或いは連続(CSTR)装置へ転換可能です。例えば、1000Lバッチ装置を連続CSTRへ変更すると、日産10,000~15,000Lの製造プラントへ容易に変身します。1000Lバッチ装置で最大3バッチ/日としても、3.3~5倍の能力アップが実現します(実績済)。
 
15)装置の簡略化も可能>>大型プロセスでは、装置が簡単となり、装置建設費は、通常の50%程度まで削減可能(運転も簡単)の見込みです(原料前処理、酸・アルカリ中和工程も不要)。厳しいBDFビジネス下、特に競争力強化となり有利となります。
 
16)触媒販売が主目的>>触媒とプラントとの一括パッケージ・セット販売が有りません(この例は多い)。触媒のみを購入し、好みのエンジアリング業者を使用し、或いは、自ら自由に独自の装置が作れ、外販も可能です(利益も)。BDF関連のエンジニアリング業者も、魅力的だと思われます。
 
17)新触媒は長期再使用も可能、>>連続装置なら6ヶ月~1年以上も、長期連続使用が可能(実績値)であり、この間触媒活性は(殆ど)落ちない様です(有名なN435でも、溶剤無しだと10回程度が限界)。バッチ法だと150~200回程度+の模様です。
一般に固体触媒は、当初の活性が、例え高くても、使用回数が増えるに従い急激に活性が落ちる場合も、少なくありません(再使用回数を公開してない例も多々あり)。 
 
18)新触媒価格は、アルカリ・酸触媒と同じか、それ以下>>新個体触媒(2種類)は、導入時点では、一度に出費があり、かつ高額です(150~250$/Kg=12300~20500円/Kg)。
但し、長期再使用実績もあり、通常の触媒(アルカリ触媒や酸触媒)と比べ、年間平均で計算すると同じか、触媒をうまく使えば、むしろ寿命は更に延びて、結局安価となり得そうです。触媒使用量はCSTRタイプだと、5~15(wt.)%、後段の充填塔による高純度化反応での触媒量はLHSVは1~3程度です。
 
19)Total製造コストの低減化>>安価な(極悪)油でも使用可(価格競争力)、高品質、メタノール使用量減、グリセリンの高純度化(販売も可)、建設費減、設置場所減、既存設備の能力増、更に最新技術利用による顧客の信頼性向上)等もありそうです。
結局、結論(Bottom-Line)は、安い買い物になり得ると思います。
 
20)実稼動実績もあり>>現在、バッチ装置の1例(1500L)、連続装置(CSTR)が1例(日産10トン)、建設中が1例(日産13トン)、(ミニ)パイロットが数例ある様です。開発元の全面支援も保証されています。
パイロットの実績だけの例も、少なくありません。
  
等が、今回の新触媒の特徴です。
 
何か欠点や課題が無い様ですが、。。実は無い訳ではありません
 
・使い方を間違えると、触媒寿命が短命化し、高負担となり得ます。
・連続プロセスでは、設計に配慮が必要です。間違えると期待した性能が出ません。
 
他には、特に、現状考えられません。
 
但し、導入の可能性の高い方は、直接お問い合わせください。
ご相談に応じられると思いますので、。。。
 
今回は、某新触媒の特徴のサワリを紹介しました。
 
では、また。。。。。
Joe.H
 
追伸)
 具体的なご相談のある方は、直接ご連絡下さい。
以上