バイオディーゼル(BDF)は反応系が重要で、精製系は殆ど無視されてませんか??

バイオディーゼルBDF)製造装置として販売されている多くは、反応装置だけと言うものが多い様です。
それにしても日本の製品は値段も高いのには驚かされます(100Lで4-500万円、200Lだと1000万円近く?)。もっと技術的に優れた装置が、海外なら数分の1で完成品が購入できます。
個人で自作される人も多いです。この場合は人件費を除けば、10~50分の1以下です。不用品を使えば、150~500Lバッチ程度なら殆ど資金は不要でしょう(別と、何時か)。。
 
反応に戻ると、勿論、反応が完結ないことには、BDF燃料の素が出来ない訳ですので、重要でないということは無いと思いますが、BDF反応は反応のメカニズム(可逆反応+触媒+エステル交換媒体のメタノール+攪拌接触エネルギー)さえ解れば、比較的簡単で反応は短時間に完結します。反応速度も文献などに掲載されていますので、簡単にシミュレーションも可能ですし、勿論、深く考えれば、いろいろ有りますが、。。。(いずれ、別途)
実は、原料投入からBDF製品までの時間で、圧倒的な割合を占めるのは、後半の精製工程です。この工程を手を抜くと折角反応で努力しても意味がありません。
 
反応済、グリセリン除去後の粗製BDFは、多くは中和、精製(水洗)、乾燥、(必要なら酸化防止剤)、(冬季必要なら流動点降下剤)、品質検査などの工程を経て製品になります。
通常精製工程は、日本では99%、まだ水洗処理がなされています。徐々にDry Process に変更する製造者も増えている様です。
水洗法は、祖BDFの不純物(石鹸分、メタノール、残グリセリンアルカリ金属分)などを除去するのに適した方法であるため、多くで採用されている訳ですが、問題は処理時間、収率(一部BDFが排水に流失)、そして最大の課題は排水処理です。そのまま廃水を生放流、或いは中和すればOKと考えている人が大多数だと思います。COD,BODを排出基準まで下げて放流している製造者はきわめて稀ではないでしょうか? 
その設備や時間、費用も大だと思います。
 
我々は当初からDry-Processを採用していますので、廃水はゼロ、無廃水です。
ただ、この方法でも、かなり怪しい使用方法や製品も有る様です。
Dry-Processの媒体、その適正な利用法(媒体種類、前処理、再生法、充填量と、流速・処理量、温度条件)などを充分検討しないと、不純物除去できないことは当然です。
 
添付写真は、自分で設計し、組み立て、そして現在利用しているDry-Processです。4本の直列充填塔に処理媒体が詰まっています。
 
前段の2本は、植物セルロース系吸着剤(含む合成ゼオライト添加)、後半の2本はイオン交換樹脂で、前段(3本目)はマクロポーラス型のカチオン型(A)をある温度条件で、及び後段の4本目は、通常のBDF用カチオン型イオン交換樹脂(B)を使用しています。
 
これらをダイアフラム型定量ポンプで一定量のBDF流量処理をし、最後は3ミクロンのBDF専用フィルター処理をしています。
これらは、自己組立製で部品、ポンプ、及び媒体のみ海外からのネット購入・輸入品で、値段は送料を含めても50万円程度でした。
 
Dry Processへの原料は通常反応器出口では、石鹸分が2000~3000PPM程度ありますが(滴定測定)、このままでは、上記処理剤の寿命が短くなりますので、前処理で石鹸分を400PPM程度に低下させています。
メタノール+水分を除去すれば、良く知られている様に、石鹸分は不溶となり沈降分離できます。イメージ 1
 
最近、日本に出回っているイオン交換樹脂は、Dryタイプではなく、Wetタイプが多い様で、使用前に脱水乾燥させること、またイオン交換樹脂量と充填容器の容量・形状からのポンプでの流量上限管理、そして原料BDFの石鹸分、及びメタノールグリセリン分濃度を適正に管理することが不可欠です。
多くはこれらが守られていない様に思いますが??
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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