商談中のコンパクト型固定酵素触媒連続式BDF装置の紹介です!!!

今回は、固定酵素触媒を使ったBDF(バイオディーゼル)連続式槽型(CST)反応装置の紹介です。
 
久しぶりのBlog記事です。
既にBDFに関する基礎編(反応法など)は殆ど紹介済で、再度同じような記事を掲載するもの如何かな??
。。ということで、特に書く内容も少なく、ご無沙汰でした。
 
最近、BDF関連の商業プラント(小型、中型、大型)装置に関する業務を中心にしていますが、ここに紹介するのは日本では中型、国際的には小型に分類されるのかもしれませんが、毎時1500Lの連続BDF製造装置の紹介です。
 
図面の一部ですが、下記です。
 
この装置の特徴は、正しくはまだ現在商談中の案件ですが、。。。近々殆ど決まりそうです。
 
顧客は、ほぼ地球の裏側の国、南アフリカケープタウン)からの案件です。
元々は、我々の基本設計+固定酵素触媒技術で、国内製作、そして南アへ輸出と言うストリーで考えていたのですが。。。。
 
処が、顧客は、米国の補助金を使うので当方設計、米国内でBDF装置を製作し、南アに納入出来ないか??と言うことになりました。補助金の関係で、日本製では許可されないとの様です。
 
こちらも、必ずしも国内で、海外輸出可能なコンパクトなBDF装置を作る国内メーカーがあるわけでもないので、米国内で製造メーカーを探して、業務を進めています
最近問い合わせの多い海外顧客向けには、国内製造より、米国製の方が遥かに有利です。
  
装置の詳細は、当方と先方(米国)の企業秘密(守秘義務契約、NDA=Mutual Confidentiality and Non-Disclosure Agreement)がありますので、省きます(非公開)。
 
イメージ概略図だけで、詳細は省略です。
 
この基本装置システムで、ダーク油でEN規格品のBDF製品が製造できるはずですが、顧客の希望もあり、補助金で予算に余裕もあることから、オプションの下記の装置も追加されます。
 
連続式減圧分子蒸留装置
 蒸留は分子蒸留装置で、過去にも紹介した装置です。最も大型の装置を多少仕様変更して使う予定です)。
 可也高額です
 検討中の製品は、製造はヤハリ米国製ですが、分子蒸留機専業メーカーで、BDF装置メーカーとは異なります。
但し、この方式の製品は、最大モデルでも、やや能力的には苦しそうです。複数台とするか、他のメーカー、方式とするかを検討中です。
 
 
イメージ 2
 
現状は、下記の様なフローの減圧分子蒸留(Molecular Distillation)方式を採用する方向です。
 
フロー図は正しくは、米国のPfaudler社のWFE(Wiped Film Evaporator)方式のよる減圧蒸留方式で、分子蒸留ではありません。WFEは、一般に100~1000Pa程度の減圧蒸留方式です(1気圧=1mPa=1、000、000Pa)。
 
先方の提携先との守秘契約から、公表できませんが、採用する方式はShortpath(或いはMolecular)Evaporator/蒸留(Distillation)と呼ばれる(極)減圧蒸留方式です。蒸留圧力は1Pa程度まで減圧します。
 
その分、BDFの蒸留(沸点)温度が低下できると同時に、蒸留時間も1秒と言う連続蒸留方式です。
プロセスフローの略図は、WFE方式とほぼ同一です。
 
現在は毎時1500Lのものと、別の顧客向けに、毎時1000L、及び200Lの製品を設計中です。この方式は、任意のサイズの製品を供給できますが、小型製品は、多少割高となります。
因みに、米国での製造・組立による本体原価は、8、000万円(@1、500L/時)から2、500万円(200L/時)程度です。
 
イメージ 3
 
 
原料油(ダーク油)前処理装置
 主に固形物除去の為に、遠心分離機を使います。
 ダーク油には、水分1~2%は含まれていますが、酵素触媒ですので、水分除去不要です。
 酸化防止剤ブレンド装置も連続装置化したものを納入します。
 
従って、今回の商談の特徴は、
・技術ノウハウ(?)は日本、装置ノウハウは米国という日米合作
・製作は米国のBDF装置製造メーカー製(OEM)
・触媒は我々が提供(独占、OEM製造先??)
・装置全体構成は、
 原料前処理+連続式酵素触媒反応装置+連続式分子蒸留+酸化防止剤ブレンド装置
 尚、反応装置には、グリセリンからのメタノール回収なども行います。
・顧客は南ア(ケープタウン
原料油はダーク油(Brown-Greese)、製品BDFは車両用(EN規格+品)
・オペレータトレーニングは日米共同
 
。。。と言う、地球を一回りする地域・大陸が関連する構造です
 
 
イメージ 1
 
 
。。。と言うことで、今回は毎時1500L能力の最新BDF装置商談の紹介でした。
 
固定酵素触媒方式を使った商業装置は、最近注目され国内、海外ともいろいろ商談が複数あります。
特に、この程度の装置であれば、国内でも使える(最大)規模だと思います。
 
通常の廃油、新油であれば、酵素を使う必要も必ずしもないと思いますが、ダーク油原料等の高FFA油では、現状商業規模のBDF製造は、他の技術では、実現できないかと思います。
 
今後海外輸出商談でも、顧客の製造規模が合致すれば、この商品を前面に出そうとも思います。
希望なら最小規模は、毎時50Lから可能です。何れも連続式です。
 
興味があれば、お問い合わせください
 
では、また。。。
Joe.H
 
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