トレーラー・ハウス内の酵素触媒BDF装置(最大日産15,000Kg)の実例紹介です!!

 今回のテーマは主に廃食用油(WVO)から酵素触媒を利用したバイオディーゼル(BDF)製造装置の実例紹介です
先週訪問しました。トレーラー・ハウス内に設置されています。
 
前回紹介例は、排水処理施設や廃油トラップから回収したBrown Grease、及び使用済廃エタノールを使用しBDF生産でした(日産17トン)。
 
今回紹介の事業者は、廃食油、使用済油(Yellow Grease)と通常のメタノールを使ってBDF製品を生産しています。
 
彼らのプロセスフローは、下記添付フローとほぼ同じです。
但し、本装置も、酵素触媒により、油の酸価(FFA)に関わらず、全ての油・油脂に対応できます。
 
フロー図の様に最終BDF蒸留装置(istillation)は、反応後の粗BDFからメタノール回収・乾燥脱水を蒸留するだけの蒸留装置(回収装置)で、BDF製品を現状生産中です。フロー図の様に、回収メタノールは再利用されています。
 
BDFを蒸気化し精製する本格化BDF(減圧)蒸留装置はありません。
 
石鹸分生成がないので、アルカリ法では不可欠の精製装置が無くとも、BDF製品は製造できています。
 
酵素触媒反応で使うメタノール(アルコール)は、水分が含まれても問題ありませんので、高温で両処理(メタノール回収、脱水処理)を同時に1ステップで行っています(120~130℃)。
 
BDF生産能力は,廃食油の場合、毎時600~650Kg程度で、最大日産15,000Kg(15トン)程度です。このプラント価格は45万$(3、800万円)です。
 
何れ高純度・高品質BDFを生産する為、例えば、BDF本体を蒸留する減圧蒸留装置(Thin Film Vaccum Distillation 等)導入すべく計画中の様です。
既に、小型パイロット装置でテストもしている様です。
 
  
 
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下記が主要装置で、標準的なトレーハウス(長さ20フィート=6mの標準品]、2セットに全て収められています。
後ろの装置が、反応器(Reactor)2セットで2段反応を行い、手前は反応後のBDF・グリセリン分離器(Separator)2セットです。
 
 
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 上記写真の手前左側の一部が見える装置は、油とメタノールの混合準備タンク(Prep.Tank)です。
 
 下記写真は、同じトレーラーハウス内のメタノール回収・脱水乾燥(蒸留)装置です
高温処理済BDF、メタノール・水分蒸気(120~130℃)と常温(30~35℃)の粗BDFフィードとの熱回収を、熱交換器(フィン型、左右の小型の器具)で行った後、冷却水を使って常温に冷却しています。
 
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下記の写真は、別トレーラーハウス内の受け入れ廃油の前処理としてのフィルター装置と装置の分電盤です。 装置内はまだ余裕が充分あります。
 
従って、殆どの主要機器類は、1セットのトレーラーハウス内に収納されてしまうコンパクトさです。
 
 この事業者は、遠心分離器などは使っていません。
後方の小型装置は、BDF蒸留装置のパイロット装置ですが、テスト目的で、常時は使用していない様です。
 
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今回、訪問した酵素触媒を使った装置のある国の近辺都市の写真が下記です。
古い街並みと歴史を感じます
 
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酵素触媒をつかった世界初のBDF装置で、連続装置で、既に1年半以上の稼働実績がある様ですが、ここでも酵素触媒はまだ一度も交換していない。。。
とのことでした。
 
触媒が長期に使えることは、触媒利用者には嬉しいのですが、酵素触媒の開発販売元は、触媒が余りにも長期間使え過ぎて、ビジネス的課題だ!!
ボヤイテいました。
 
触媒活性が、6ヶ月から1年ぐらいで低下し、触媒交換が必要になる様な工夫ができないか??
と悩んでいる様ですが、現状はまだの様です。
 
今回は、酵素固体触媒を使かった連続攪拌槽(CSTR)BDF装置の紹介でした。
 
CoolProcess(CP)® で使用している酵素固体触媒(Modified Immobilized Enzymatic Catalyst)は、BDFの製造法の競争(BDFゲーム)を根本から全て変えてしまう革新的製造技術です。
最低5年以上、他BDF触媒技術をリードしていると思われます
 
  A New Game Changing Technology for Biodiesel Production !!
 
 
尚、残留FFA値をBDF規格(EN、ASTM、JISなど)以内にする為には、下記添付図の様な第2酵素固体触媒を用いた反応塔(充填塔、エステル反応)を追加すれば、収率のロスもなく全てBDF化できます。、又は、勘弁法としてアルカリ処理,、吸着剤処理などによる残留FFA値低下処理が必用です(残留分は収率低下)。
 
では、また。。。。。
Joe.H
 
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