バイオディーゼル(BDF)と燃油サーチャージの関係あり??

航空運賃に、燃料油サーチャージ(Surcharge、追加料金、賦課金)が正規の航空運賃に加えて請求されることは、航空機を利用する方は、良くご存知だと思います。
 
原油価格の急激な価格変動に伴い、航空燃料(ジェット燃料、軽油類似の石油系燃料)の負担を顧客に費用負担(転嫁)させ、その代わり正規航空運賃は変更しないと言うものです。正規運賃そのものを原油価格上昇を理由に値上げするよりは、価格の透明性があります。個人的には、この燃料油サーチャージ方式は、顧客にとっても、理解しやすい方式だと思います。
 
最近の原油先物市場の価格は1バーレル当り(=42ガロン=159L)100米ドルを常時越えてきています。現時点では108ドルにもなっています。
本日の為替は、1米ドル=84円ですので、原油1Lの価格は、57円にもなっています。勿論、原油中には固形物(スラッジ)も、水分も含まれています。
燃料製品のガソリンにしても、軽油でも、この原油を加熱蒸留(常圧蒸留装置)して分離精製するばかりではなく、触媒による分解装置(FCC)などを使っても、製造sされています。
 
今後、原油価格の上昇に伴い、ガソリンや軽油など燃料油ばかりでなく、全ての石油化学製品は、石油のナフサ留分(ガソリンとほぼ同じもの)から蒸気・加熱分解(エチレンプラント)で基礎原料(エチレン,プロピレン)が製造され、その後重合工程などを経て出来ています。従って、全てのプラスチック類などの石油化学製品の価格は、これらの原料費高の第一原因となります。
 
これまで化学製品の殆どは、原油高に伴う原料費高を理由として、価格変更や新価格が通達されています。
 
今回は、このサージャージバイオディーゼルのDry-Process用イオン交換樹脂で導入されました。航空機燃料サーチャージの様な考え方を導入されている例が有るか、どうか知りませんでした。
 
 
今回は米国での話ですが、BDF用のイオン交換樹脂として有名なPurolite PD206製品の価格に対して1ポンド当り0.95セントのサーチャージが3月より導入されました。
 
付加サーチャージ額は、1kg当り1.8円程度と小額ですが、重要なことは、正規価格は変えずに、原油価格変動をサーチャージの導入で吸収されると言う方式です。
 
Dry-Process用イオン交換樹脂としては、PD206は比較的高価格の製品で、100ポンドで890ドル程度ですので、1kg当り1661円程度です。
 
従って、今まで1kg当りであれば、1661円で良かったものが、サーチャージ1.8円を更に支払う必要が有ると言う訳です。
 
因みに、小型の私が使っている程度装置(1時間当り36L処理)では、1本の塔で9kg充填が必要です。合計15000円弱の内、サーチャージ分は16円程度です。2本構成のLead/Lag構成でも、この倍の価格になりますが、米国ではいずれにしても、イオン交換樹脂の価格は、日本国内価格とは異なり、そう高いものではありません。
これで、最適に設計された装置で、最適な運転を行えば、メーカーの標準では7500Lが処理できます。再生すれば、この数倍も使えます。
 
要は、今回のPurolite社のサーチャージ制の導入は、まだ価格的には、極小額ですが、今後、中東や北アフリカの政治情勢によっては、そう遠くない将来に原油価格200ドルとなることも充分可能性があります。当然、サーチャージ価格も増加すると思います。航空運賃の場合も、導入時は小額だった様な記憶があります。
 
いずれにしても、イオン交換樹脂は石油化学製品ですので、製造原料費は、原油価格の変動の影響大です。従って、透明性のあるサーチャージ制の導入は好ましい方向ではないでしょうか?
 
電力料金では、既に類似の考えが導入されていますが、バイオディーゼル原料のメタノールやアルカリ触媒(苛性ソーダ、苛性カリ)などでも、導入されれば、製造原価に占める原油価格の影響が明白になると思います。
最終的には、バイオディーゼルの販売価格にも、サーチャージ制が導入されれば、販売業者も、購入利用者もお互い価格の相互理解が進展すると思います。
 
尚、国内でも、電気料金などは、既に導入されています。但し、電力料金は、原油料金が直接反映する重油を使った火力発電の他、LNG、水力、それに原子力発電がありますので、より複雑です。
福島の原子力発電所の今回の事故により、今後火力発電による電力の割合が増えますので、原油価格の変動がより多く電力料金に影響するのは確実ですが。。。
 
今回は、まだ小額ですが、BDF製造のDry-Process用イオン交換樹脂価格に、原油サーチャージ制が、代表的なイオン交換樹脂メーカーで導入されたと言う話題でした。今後、この傾向が広まるかもしれません。
 
。。。と言うことで、今回のタイトルの
は、Yesです
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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