マイクロ・バッチで,バイオディーゼル(BDF)の反応時間の最短新記録です!!

下記Blog記事で、驚異的な反応速度と言う話題で100Lの実際のバッチ例を紹介しました。
 
実は、期限切れの菜種油が入手できたので、なかなか廃油(WVO)ベースでは、菜種油100%の実現は無理なので、いい機会なので、この菜種油で先ずバイオディーゼル(BDF)を製造し、続いて冬季処理も行う計画でいます
 
まず菜種油を用いて、本日マイクロ・バッチ(Micro-Batch)手法で、エコ(ECO)バイオディーゼル(BDF)を製造しました。
どの様な冬季物性をしているのか楽しみです
 
反応は、マイクロ・バッチ、2段法で行いましたが、折角なので反応時間の短縮にチャレンジして見ました。
上記の実バッチとは、反応量や攪拌、過熱法など異なるのですが、その結果報告です。
イメージ 1
 
 
先ずは、70℃に加熱した期限切れ菜種油(1400mL)を、分液ロート(2L)に入れた状態です(右の写真)。ガラスが冷えているので、温度は多少低下しているはずです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
菜種油に、メタノール・苛性ソーダ溶液を、新油ベースのレシピーで計量溶解したものを入れた状態です。
反応は、2段法ですので、メトキシド溶液は、一部2段用に残してあります。
 
これからが1次反応の開始時間です。攪拌は、分液ロートを台から外して、5分だけ、容器を揺するなどして手動で攪拌しました。
 
そして、静止し、グリセリンの沈降開始です。
沈降・分離時間は、併せて10分でした(沈降は8分、分離は2分程度)
 
イメージ 3
続いて、残メトキシドを投入し、2段反応開始です。
同様に手動での攪拌です。
5分後に、自作転化率キットで確認したところ( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/5141989.html )、反応は完璧でしたので、停止しまし
ました(右の写真)。反応温度は50度C以下に低下していました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 4
自作簡易キットによる転化率の確認写真が、右です。
手動攪拌なので、転化率テストは、忙しくて2回しかできませんでした。1段反応終了時はテストしませんでした。100%未反応残があるはずですので、。。
左は、2段反応の停止をする直前のテスト結果です(反応時間は5分)。
右は、脱メタノールグリセリン沈降処理後の、逆反応が起きてないかの再確認テストです(3X+)。
伴に、問題ありませんでした。
未使用油の為、バイオディーゼルが無色で、見難いと思いますが、伴に未反応残はありません。
 
 
イメージ 5最後の写真は、2時反応停止後、別容器で過熱し脱メタノール・脱水処理をした後に、再度分液ロートに戻し、脱グリセリン処理をした状態です。
 
グリセリン処理は20分程度でした。
 
 
 
以上、概要ですが、このマイクロ・バッチでも、再度反応時間の短縮記録を塗り替えました。
 
反応時間の合計は、5分+5分の計10分で完了しました。
写真の様に イオディ-ゼル(BDF)液の色は、廃油ベースのものとは、異なってます。
 
グリセリン前処理もしてないし、手動攪拌と言う状態でしたが、更なる短縮の余地があるかも知れません。
これを可能としているのは、ただヤマカン(山勘)で反応を行うのではなく、簡易転化率キットで転化率を確認できているからです
 
本日製造した菜種100%のバイオディーゼルは、少し静置するなどし、その後、冬季処理テストの材料油として使う予定です。
 
今回手動による2段バッチ反応は、合計10分と言う最短時間記録で、かつ反応が完全に完了していることが、簡易キットで確認できた!
と言う話題でした。
マイクロ・バッチなら簡単です。
必要なのは、油と、少量のメタノール、触媒だけです。
どなたか、トライされたらどうでしょうか??
 
 
では、また・・・・
Joe.H
 
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2) 今回のマイクロバッチの収率ですが、バイオディーゼル(BDF)の製品量は、上記の900g、そして残量が378gの合計1,278gでした。体積を残念ながら計量しなかったのですが、密度を0.885g/cm3と推定すると、1、444mLとなり、元の菜種油1,400mLに対して、バイオディーゼル(BDF)体積比は、103.1%(vol)となります。原料油より、3%容積で多くできたことになります。
菜種油の密度は、一般に0.91g/cm3程度ですので、元の菜種油の推定重量は、1,274gとなります。
この結果、バイオディーゼル(BDF)の収率は、100.3%(wt)となります。
 
尚、理論収率量は、重量ベースでは100.45%(wt)(油の分子量890と仮定して)ですので、
殆どロスなく100%バイオディーゼル(BDF)にエステル交換反応し、かつ製品回収されたことになります。
 
以上