バイオディーゼル(BDF)セタン価?セタン価を向上して、プレミアムBDFも??

セタン価はディーゼルエンジン、オクタン価はガソリンエンジンのノッキングなどの燃焼特性を示す指標であり、規格値です。
ガソリンエンジンは、燃料と空気の混合ガスを圧縮して、プラグ発火で燃焼爆発が起こるのに対し、ディーゼルエンジンにはプラグはなく、圧縮し自己着火する仕組みのエンジンとなっている。
この為、極めて単純化すると、セタン価とオクタン価とは、逆の関係になっていて、セタン価は燃え易さの指標であり、オクタン価は燃えにくさ(燃焼速度が遅い)指標と言えます。
 
オクタン価は、炭化水素の炭素数が同じなら、枝分かれした(Iso-)、芳香族(ベンゼンなど)物質の方が、(枝別れしてない)直鎖より燃えにくいので、オクタン価数はより高くなっている。これに対しセタン価では、直鎖の飽和炭化水素は、枝分かれしたものより、セタン価は高い。一般に炭素数が減少するほど、飽和化合物より、水素が少ない2重結合を持った化合物ほど、その数が増えるほど、バイオディーゼル(BDF)のセタン価は減少する傾向にある(ほぼ、冬季の固まりにくさとは、逆の関係となっている)。
 
因みにセタン価の基準物質はセタン(C16H34)をセタン価100、同じ炭素数の枝分かれ炭価水素(ヘプタルメチルノナン)を15としている。
 
例、FAMEの種類とセタン価(目詰点CFPP値も)
素数18の飽和BDF(ステアリン酸メチルエステル):101(CFPP=+32.6度C)
  ;  16       (パルミチン酸メチルエステル):85.9(CFPP=+24.5度C)
  ;  18 の不飽和1個(オレイン酸メチルエステル):59.3(CFPP=-38.8度C )
  ;  18   ;   2 ;(リノール酸メチルエステル):38.2(CFPP=-61.7度C)
 
上の表から、常温で固まってしまうラードや牛脂のBDF(飽和炭化水素エステルが40~50%も含まれ、セタン価=60~70)の方が、大豆(14~5%))や菜種系BDF(6~12)(セタン価=48~56)よりセタン価値は優れたいると言われている。
日本のセタン価規格は51以上、米国は47、欧州は51以上などとなっている。同様に日本の石油系軽油は、夏用の1号は50、冬用2号は45、寒冷地用3号は45以上となっている。セタン価の基準からすると、BDFの方が、優れた燃料油と言える。
望ましいことではないが、冬季用軽油のセタン価規格は、夏用より低いのは、固まり難い軽油を作ろうとすると、セタン価は維持できないからである。これはBDFも同じである。
 
従って、前に紹介した零下30~40度Cでも使えそうなBDFは、上記のステアリン酸やパルミチン酸メチルエステル成分を除外分離することにより、固まり難いBDFが出来た訳で、測定はしてないが、セタン価はおそらく42-44程度となっていると思われる。軽油でも、セタン価維持、向上の為、セタン価向上剤(Cetane Improver、例、2-EHN)があり、海外では多数販売されている。添加した方が、特に冬季はエンジン性能的には好ましいと思われる(別と何時か。。)。
添加量(750PPM~1000PPM)によりセタン価を3~10程度向上させることが出来ると言われている。
 
石油系軽油でも、ガソリンと同じように高オクタン価のPremium軽油が一部地域で販売されていた様である(現在は?)。
BDF燃料も同様に、高セタン価のPremium-BDFを製造・販売する事は可能であり、業者の利益獲得策としては面白い。ガソリンの様に価格差1L当り10円でこのPremium-BDFが売れたら、少しはビジネス的に魅力あるものになるかも??(注、米国では、最近これが規格化されている)
勿論、個人レベルの使用でも愛車の効率アップも期待できるし、それより走行マイレージが上昇するので(少なくとも10%アップ程度)、結局は燃費節減策にもなる。トライされたらと思う。特に、菜種系のBDFは効果があろう。
 
では、また。。。
Joe.H
 
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