グリセリンが副生しないバイオディーゼル・プラス(BDF+)はどうでしょうか??

BDF(バイオディーゼル燃料はECO的と言うことで注目されて久しいのですが、いまひとつ一人前のディーゼル燃料として認知されていないのは、事実です。主な理由は、下記だと考えます。
 
①寒いと固まるし、冬は使えない!⇒解決策:軽油より寒さに強いBDF燃料!! (http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/3879043.html )
②BDFエコ燃料って言うけど、排水は新たな公害じゃないの?可能でも時間も、設備もかかるし。。⇒Dry-Processで無廃水化が可能(  http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/4023626.html )
③BDFの品質が悪くて、車の故障もあり、信頼できない⇒これは、設備の問題でなく、製造者のスキルアップしかありません!頑張りましょう!
④副生グリセリンの処分が大変、何かうまい方法はないの???⇒これが今回のテーマです。
 
確かに、我々はバイオディーゼルBDF)処理量も少ないので、石鹸として有効利用しています(http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/3879723.html )。
 
但し、大量にBDFを製造しているところは違うと思います。例え,新油を使ったBDF現場でも、BDFの10%はグリセリンが発生します。一部では、燃料化したり、堆肥に混ぜたりなどの利用もありますが、とても副生グリセリンを全部は処分できません。精製し化粧品や薬品などの化学製品化にと言う考えも大規模生産所ではある様ですが、近年グリセリン価格も急低下していて、とても採算に乗らない様です。 それどころか、グリセリンの処分がネックとなって、BDF生産が出来ないと言う事態も発生しているとか。。。。(海外だけか?)
 
要するに、グリセリンは出来ない方法でBDF、或いはBDFーLikeな軽油燃料が出来ればいい訳です。これまでも、例えば高圧で反応する方法などいくつか手法が提案されています。但し、装置は出来たものの分離精製が複雑となり、装置が極めて高価となったり、なかなか小型で、安価と言う訳にはいかない様です。日本のある農業系外郭団体が開発した装置は、120L規模で2,000万円もする様です。これでは補助金で購入する以外無理です。
 
ここで、紹介するのは、簡単で通常のBDF装置で製造できて、ビーカーなどでも常圧で簡単に出来る方法を試しにトライしてみました。まだまだ、最適なチューニングを行う必要がありますが、。。。。。。
 
BDF反応で、通常のBDF(脂肪酸メチルエステル)+グリセリンの代わりに、脂肪酸メチルエステル+Tri-Acetine(TA) と言う物質を同時に作ってしまう方法です。従って、グリセリンは生成しないか、例え生成しても少量です。今のところ、通常時の30~40%(原料比で、メタノールなどを含む4%程度のグリセリン混合物)程度は、まだ出来ますが、普通のBDF反応と比べると遥かに少量です。
 
尚、このトリアセティン(TA)は、グリセリンと酢酸とのエステルですが、
BDFと溶け合い、軽油燃料として使えそうであると同時に、流動点降下作用のある事が以前より判っています。日本でもTA食品添加物、可塑剤、ガソリンのノッキング防止剤などとして販売されています。
 
廃油ベースのこのBDF(+)の固化温度(PP)は-16~17度で、曇り点も-10度C前後です。
ですから、通常流動点降下剤を入れれば、問題ないという程度の寒さでは、何も入れる必要が無いと言えそうです(極寒の北海道では、このままでは無理でしょう)。 
それに、グリセリン分は燃料化し、BDF分に加わるので、全体収率も上昇する見込みです。イメージ 1イメージ 2
 
 
 
 
上の写真は、反応後の分離状態、グリセリンが生成していますが、量が少ないのが解かると思います。下の写真は、生成物の冷凍テストで、廃油べースでも、曇り点(CP)はー11~13度C程度の見込みであり、その辺の流動点降化剤より、気が利いているかも知れません。
 
理想的には、グリセリンがゼロとなる事が勿論目標で、そうすれば、グリセリン分離工程も不要となります。これが可能ならBDFの問題点の一つが、また解決するかも???
では、また。。。
Joe.H
 
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