バイオディーゼル(BDF)の冬季処理例(極寒地ではなく、寒冷地向け)です!!

今回は、既に紹介済の極寒地用バイオディーゼル(BDF、-30℃~-35℃それ以下)ではなく( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/3879043.html , http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/7782540.html)、
現実は、この程度の仕様で殆どの要望を満たしているのかも知れません。
尚、この上記写真のサンプルは、本日製造のものです

通常の大豆油が主体の廃油(WVO)からできたバイオディール(BDF、 http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/7782540.html のサンプル1と類似)を800g用いて、中程度の冬季処理を施し製造しました。
その中程度の冬季処理後の写真で、右が寒冷地用バイオディーゼル(BDF)製品です。
既に、冷却してあるので、ガラス表面は曇っています。
こちらの方が、より高セタン価燃料です。常温ですので、ガラス表面が澄んでいます
71~72%が寒冷地用BDF製品,残り28~29%が夏用BDFです。
頑張れば、もう少し75%程度まで向上しそうです。
ここで採用している技術では、
使用した原料BDFは、寒冷地、夏季用の2種に別れ、処理ロスは殆どありません。
但し、比率は、元のバイオディーゼル燃料(BDF)の油種により変わります。
寒冷地用BDF量は、大豆油に比べ、例えば菜種ならより多く、米油なら少なくなります。
油脂の飽和脂肪酸濃度の1.6~2.0倍程度が夏季用、残りが全量冬季用BDFとなります。
従って、菜種系(飽和脂肪酸8%弱、以下同様)なら、収率は84~87%、米油系(20%弱)なら収率は60~68%程度、大豆油系(15%)なら、70~76%程度、これが100%ラード(45%)だと極端に悪く、収率は10~28%と低下し、殆どは夏用BDFになりそうです。

一方、夏用はとっくに固化しています(左側)。
固化開始は、10℃前後から始まります。
例え、北海道でも、海岸部なら問題ないのでは?
とも思います。
原料油種によって、これら両者の収量比率は変わりますが、
原則的にどの様な原料油種からできたバイオディーゼル(BDF)でも、
寒冷地用バイオディーゼル(BDF)は製造できる

ことを示しています。
この場合、同じ原料バイオディーゼル(BDF)であれば、収量(収率)はより向上して、85~90%程度を予想しています。いつか、実際に確認します。
今回は、極寒地向けグレード仕様ではなく、寒冷地向けグレード仕様のバイオディーゼル(BDF)を紹介しました。
どの様なグレード仕様のバイオディーゼル(BDF)でも、基本的な製造法は同じです。
最も、要求仕様によって、BDFの製造法の1段反応と2段反応程度の差はあります。
要求温度が低いほど、添加物や処理工程が少し増えたり、複雑化します。
では、また
。

Joe.H
追伸&Note)
1)上記Blog記事は、一般公開情報です。
何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、
下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、
可能な限り対応させて頂きますので。。。。
尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
2) 軽油には、いろいろの仕様があります。
2号軽油(関東以西用)、曇り点(CFPP)=-5℃、流動点(PP)=-7.5℃
3号軽油(東北、本州山間部、北海道南海岸部用)、CFPP=-12℃、PP=-20℃
特3号軽油(北海道北部、山間部用)、CFPP=-19℃、PP=-30℃
等です。
正式なCFPP,PPの測定無しでは、確定的な事は言えませんが、少なくとも3号軽油仕様と等しいか、これを超えていると思います。
では特3号はどうでしょうか?
冷凍庫内での様子では、特3号軽油仕様まで達しているか、或いは同等程度かも知れません。
最悪でも、近い仕様なのではないでしょうか??
いずれにしても、冬季でも殆どの地域で使えそうです。
如何なる気温でも、BDF100%で北海道山間部や最北端で確実に使用する為には、
やはり極寒地用バイオディーゼル(BDF、-30℃~-35℃それ以下、特3号互換、或いはスーパー特3号?)を使用すれば、、確実でしょう!!
以上