何時も使用中の便利なバイオディーゼル(BDF)簡易分析キットの幾つか。。。

バイオディーゼルBDF)反応を行うにあたり、各段階での分析チェツクは重要であることは議論の余地が無かろう。分析なしでは暗闇を歩くのに等しい。
 
この分析も簡単なもので、毎回使うものから、高額で、コスト的に毎回行えないものまで幾つか存在する。
次は、使用中の主なものを紹介する。
 
1)反応転化率の確認(簡便方)⇒反応率の分析は、望ましくはGC(ガスクロ)、液クロ分析が望ましいが、既に紹介した自作の簡易分析で充分使えると考える( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/4143615.html )。絶えず、各バッチで5~8回は使用している。
この分析の原理原則を知っていれば、殆どゼロ・コストで、反応転嫁率を99.9+まで計測できる。自作できなければ、販売先から購入せざるを得ない。
尚、購入キットの使用法で確認すれば、BDFの品質スペック規格に必ずしも合格と言うことではなく、不合格例も多く報告されているので(海外でのGCとのクロスチェック結果など)、これを使われている人、或いはこれから使おうとしている人は、注意された方が良いと思う。また、改善された方法も、いろいろ出えてきている。
 
2)類似簡易分析キット(pHlip、添付イメージ 1イメージ 2)⇒BDFの但し、前者と異なり反応中は使えない。反応率、石鹸分、モノグリセリド、PH等が、1回で同時に、定性的な簡易分析ができる。10回(本)分析できて、価格は、米国製で6000円程度(1回当たりは600円)。2液の界面(上部はBDF)で、銀色のミラー面の有無などで、不純物を判断する。上記写真の左は、製造元提供の新油BDFのサンプルです。
 
3)BDF中のグリセリン(写真参照)⇒規格の上限値は0.24(ASTM)~0.25%(EN)であるが、トータルグリセリン定量分析できるキット(米国製)。理屈は、酵素培養で行う。BDF製品のトータルグリセリン濃度を0.05%以下まで測定できる。通常グリセリンの分析機器は安いものでも、70~80万円するが、これは6回で1万円程度。時々確認の為、使用する(いつも、0.05%以下)。
 
4)水分⇒廃油、BDF、及び中間体、BDF以外でも、水分なら総て定量分析可能(紹介済、米国製)。器具+50回分薬品・溶剤付で2万円程度。高精度である( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/4297798.html )。
 
5)酸化(AV):廃油のAV値測定は必ず行っている。理由は、AV値によりアルカリ触媒量を調整する必要があるからである。尚、廃油中の遊離脂肪酸量はAV値の0.58倍程度。これは、AV測定用紙(国産でもあり)での測定も可能であるが、色で判別なので、精度が悪く、それにAV値が4までとなっているので(現在使用中の油はAV=4~6)、従って、あまり使ってない。
使っているのは、滴定法で行っている。正確に、簡単に定量測定できる(いつか。。紹介)。
因みに、海外ではBDF製造では、この滴定は必要不可欠であり、何より必要な分析と言う認識である。従って、例え、100~150Lバッチ程度で、15万~20万円の安物BDF装置でも、ほぼ100%必ずこの測定キットが、操作マニュアル、手袋・ゴーグル、薬品、ビーカー、注射器やピペットなどと伴に付属している。
日本のメーカーのBDFはどうして付属品でないのでしょうか?どこかのBDF装置メーカーでは、付属品として付けてますか???極めて高額なのに、。。。。
 
6)ソープテスト⇒これも滴定法で、前者と同じ様に実施している(勿論、異なった薬品などを使い)。使用薬品以外は、器具としてのビーカーなどがあれば、何度も使えるので、無料。
BDF中のソープ濃度測定は、特に製品ばかりではなく、最近Dry-Processを使用中の人は、特に処理前の原料(Feed)の測定が重要となる。ソープレベルが400~800PPM程度でないと、すぐイオン交換樹脂が使い物にならなくなるばかりか(BDF反応時は2000~3000PPM以上の石鹸分あり)、BDF製品が酸性となってしまう(イオン交換樹脂は、石鹸分を取るのではなく、脂肪酸にイオン交換し、変えるものだから)。
 
7)回収メタノール濃度⇒メタノールを回収している装置では、時々回収メタノールの濃度(水分)確認が必要となる。水分が多い回収メタノールを反応に再使用すると石鹸を大量に作ってしまうことになる。濃度はアルコール用密度計を用いる(お酒用のエタノール酒精用、補正が3~4%必要)。価格は3~4千円程度
 
8)PH計⇒PHはいろいろ使い道が多い。リトマス試験紙や中和試薬(フェノールフタレンなど)でも良いが、出来ればPH計もあれば、ベスト。
日本では高いが、海外からネット購入も可能、値段は3~5分の1で、2万円程度、高級品が買える。
 
9)密度⇒オイル用密度計で簡単に測定できる『密度は0.85~0.9程度)。正確な秤と体積がわかれば、簡単に計算も可能。
 
その他、今回は省略。ではまた。
Joe.H
 
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