バイオディーゼル(BDF)の高度分析計の実導入例の紹介です!!

バイオディーゼル(BDF)の品質管理(原料、工程、製品)は、製品の高品質化と安定化維持に必要不可欠です。
 
分析項目もイロイロ有って、酸価値(AV)、転化率、石鹸分(滴定法)、或は水分( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/11274504.html)などは、比較的簡単に、かつ低価格分析器具、薬品を使い簡易分析が可能です。これまで何度も紹介済です。
 
廃油から、どの程度BDFへ転化(変換)したのか、或はどの程度未転化油が残っているかを示すのは、自作簡易転化率キットhttp://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/12221789.html)もあります。
 
今回紹介するのは、どの程度逆に未添加油が残留しているのかを計測するグリセリン、原料油、BDF製品・半BDFに含まれている遊離脂肪酸(FFA)量が計測できる器具です。
 
この器具で代表的と思われるSafTest(米国MP社)と言う試験器具を、某顧客の依頼で今回購入し、手元に来ましたので、その実導入例紹介です
 
本分析器具の特徴は、下記などで既に紹介済です。
 
ここでは、導入風景の写真を中心の紹介です。
 
下記は到着荷物を並べたところです。
 
イメージ 1
 
同様に並べた状態の写真です。
米国製品ですので、ご多分に漏れず、分析に必要な全ての器具が含まれていますので、この様に多くなっています。
主な器具は、
・分析器本体、プリンター付、USB接続口など
・サンプル定温保温器
・攪拌バイブレータ
・サンプル希釈溶剤(A)、分析試薬(B)
キャリブレーション液(標準濃度サンプル)
定量ピペット・ポンプ、及び使い捨てガラス製ピペット
・サンプル容器(小型ガラス試験官)
等の他に、
タイマー、テシュー、手袋、。。。なども付属されています。
 
イメージ 2
 
上記の写真右側の瓶は希釈溶剤、左側は標準サンプルです(FFAは5種類、グリセリンは8種類)。
 
下記の写真が、分析器本体の写真で、右側のLED・タッチスクリーンで、支持どうりに順に、標準サンプル、ブランク(水)サンプル、測定サンプルなどを、本体左下の穴に差し込むだけで分析が可能です。
 
写真の右側のプリントが分析結果の印字で、遊離脂肪酸(FFA)の測定結果です。
 
全く、同様にグリセリン濃度(Total Glycerin,結合グリセリン、遊離グリセリン)も、時間の関係で、まだ未実施ですが、可能です。
結合グリセリン(Bounded Glycerin)は、脂肪酸とまだ結合状態のグリセリンで未反応グリセリド(TGsDGs、MGs)の合計値です。遊離グリセリンは、トータルから結合グリセリンを差し引いて計算できます。
 
イメージ 3
 
測定は、分析そのものは瞬間的ですが、サンプル準備や保温維持(40℃、10分)など全体では20~30分程度必用です。
分析サンプル数は、1ヶから最大99ヶまで何ヶでも連続的にできます。
 
測定は、FFA成分分析(%)は、標準で0.08%~4.02%が測定範囲(希釈度2倍)ですが、高濃度FFAでは、溶剤の希釈度を任意に変えることが出来ますので、
希釈度20倍なら、FFA濃度0.8~40.2%が測定範囲となります。
BDF製品規格は、酸価で0.5以下ですので、FFA(%)の概略換算値は、0.25%以下相当です。充分過ぎる位の測定レンジです。
 
残留グリセリン濃度分析(%)は、標準(10倍サンプル希釈)で0~3.2%です。BDF製品中の残留グリセリンなら、この測定レンジで充分です。
グリセリン製品・反省品などの純度測定などが目的であれば、30~40倍希釈が必要となります。
こちらのBDF製品規格(Total Glycerin)は、0.24(米国、ASTM)~0.25(欧州、EN)%ですので、同様に充分な測定レンジだと思います。
 
従って、FFA、及びグリセリン分析が全ての濃度で簡単に測定出来るの器具となっています。仮に希釈度が適当でない場合は、測定の下限値や上限値を超えていることが表示(印字)されますので、下限値なら希釈度を低下させ、上限値なら希釈度を上げれば、良いことになります。
 
この分析項目は、ガスクロ分析が正式版ですが、実際はそう簡単ではありません。
標準サンプルの良否、分析者技能レベル、分析カラム。。。などにより、
分析値は大きく変わります。加えて分析時間もかかります。
この器具は、分析者の技能レベルは問いません。
誰でも操作法を正しく行えば、正確な分析が行えます。
 
因みに、この分析機器は、元々食用油業界向けに開発された製品ですが、現在は広くバイオ、BDF業界でも使われています。
 
但し、購入メーカーの話では、日本でBDFでは最初の導入例であり、全体でもバイオ研究(研究内容は不明)で京都大に1導入例があるだけの様です。
 
今回、この機器は、直接米国からの購入で、本体(65万円)+分析キット標準サンプル、溶剤、分析試薬(FFA,グリセリン)、他の費用を含めても90万円程度でしたが、メーカーの日本法人からの購入では、本体価格でも200万円程度する様です。
 
今後、BDFの分析でも、これ等の高度分析も必要になります。
ご希望であれば、ご連絡下さい。機器購入出来ますので…
或いは、
とても予算がない。。。。と言われる方も、ご連絡下さい。
消耗試薬などもありますので有料ですが、
ごく低額(3、000~8,000円程度)で購入元に分析依頼をしますので…
特に、残留グリセリン量(%)は、簡易分析法もありませんので、見た目、ヤマカンでは想像もつきません。
 
今回は、FFA及びグリセリン分析を行うSafTestの導入実例紹介でした。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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