バイオディーゼル(BDF)燃料フィルター目詰まり防止対策法の例です!!

今年は、まだ12月中だと言うのに、クリスマス寒波などで、寒い毎日が続いています。
 
この為か、最近BDFの燃料フィルターの詰まりがあちこちで起きている様です。
 
元々BDFは、比較的寒さに弱く、この対策としては、
 
1)高添化率のBDFを製造する。
未添転化油(TGsDGs、MGs、及び遊離脂肪酸類)は、BDFより高温で固化しますので、可能な限りこれらの不純物を少なくするのが先決です。
 
2)BDFの脂肪酸構成飽和脂肪酸、各種不飽和脂肪酸)により、固化しにくい油種を選択するパーム、大豆系油より菜種系油を使ってBDFを製造する。但し、廃油では油種別に分離は不可能です。
 
3)固化温度を少しでも低下させる為に、目詰まり点(CFPP))降下剤を使う。流動点(PP)降下剤では、効果がありません。これらは、Blogで説明済です。
 
4)BDFより固化し難い軽油、灯油、或いは、石油系溶剤(トルエンなど)を使う。この方法は効果があり、海外では通常冬期に用いられる方法ですが、日本では税金の関係で、現実的には実施できません。B100か、購入B5,B0(軽油)の選択のみです。
 
5)燃料として、軽油用タンクとBDFタンクの2っを設置して、切り替えて使う(2タンク・システム)。
冷えた最初は軽油を、その後BDFタンクに切り替える。
この方法も日本では、税金の関係で使えませんが、海外での利用例は多い様です。特にSVO(BDF化しないで、油を直接燃料として使う)で使う場合は、殆どこの方法です。
 
6)冬季処理を行う。
固化BDF成分(主に飽和脂肪酸エステル)を分離し、固化し難いBDF成分(不飽和脂肪酸エステル)濃度を高める。いろいろの手法がありますが、簡単な方法は、寒い温度の屋外にBDFを置いて置き、固化成分を除いた液状BDF成分のみを使う。BDFの放置場所の冷却温度と、BDFの使用場所の温度とが同じ様な温度なら、余り効果がありません。出来れば、BDFの使用環境の最低温度より、少なくとも5℃前後低い場所が望まれます。
更に本格的に行うには、、冷凍設備などを用いたWintering処理が必要になります。本格的に行えば、Blogでも紹介済ですが、マイナス(ー)40℃程度でも固化しないBDFもできます。
 
7)冬季固化で問題となるのは、燃料フィルター詰まり現象で、BDFが使えないと言う状況になります。殆どはこのケースです。
更に、温度が低いと燃料タンクや燃料配管内部の固化が問題となる場合もあります。この場合は、これら全体を加熱する方法も有り得ます。
 
 
。。。。と言うことで、今回は比較的簡単に、安価で、かつ有力なBDFの固化対策(=燃料フィルター詰まり防止)製品例を紹介します。
 
下記の写真が、今回紹介する燃料フィルターとその関連製品及び価格です。
 
BDFの燃料フィルターの防止の為に、通常は2つの対策が取られています。
 
第一の対策は、燃料フィルターに送り込まれてくるBDF燃料を加温します。
加温は、ラジエター液で加温する方法です。但し、通常の燃料フィルターでは、加温できませんので、燃料フィルターに燃料が入る前に、加温(熱交換します)。この種の物は、幾つも製品が、米国で発売されていますが、下記左写真はその米国製品の1例です。価格は159$(12、600円)と比較的安価です。燃料タンクと燃料フィルターの間に、この器具を設置して、同時にラジエター液を配管すれば完了です。
 
更に、必要であれば、既存フィルターにバンドヒーター(後述の70$)を付ければ、エンジン始動時のラジエター液温が低温時でも対応でき、より完璧となります。
 
下記右は、独Bosch社製品です。目的・機能は同じですが、形が異なります。次の写真は、仏ルノーの製品です。
米国製ばかりでなく、EU製、或いは、中国製もあります。価格も安価です。
 
この他に、燃料フィルターと一体化コンパクト化タイプの製品もあります。
 
下記の左側の写真が全体写真です。
既存の燃料フィルター器具と交換します。加えて、同様にラジエター液を配管(ホース)により、この燃料フィルターの頭(Head)に接続します。
 
頭の部分は、通常のものと外観は殆ど同じですが、燃料の入口、出口に加えて、ラジエター液の入口、出口がついています。更に、この製品は予備の入口、出口もあり、計3組の入口と出口があります。
この頭の中部で、熱交換を行い、BDFは加温されます。配管は全て1/2インチのメスネジです。また、頭に挿入するフィルターは専用のBDF用が用意されていますが、互換フィルター(サイズ1-1/2、1-1/4)も使えます(例、CimTek)。
 
ラジエター液は、エンジンが暖まれば、ラジエター液も温まり問題ないのですが、問題は最初のエンジン始動時です。この状態では、ラジエター液もBDF燃料と同一温度ですので、BDFを加温できません。
 
この対策として、予備配管を使う場合もあります。外部から湯の配管を使うとか、。。に使います。
 
 
 
上記、中段右の製品は類似機能品ですが、英国製です(62英ポンド=8000円)。その下が同製品の部品展開です。
下の写真は、ヒーター(右)とフィルター(左)を組み合わせた米製品もあります(250$=2万円)。最下段左の製品は、米国製で200$=1.6万円です。
 
第2の対策は、燃料フィルターをバンドヒーターで加熱する方法です。この部品は、燃料フィルター用のサイズに出来ていて、12V(バッテリー電源)で200Wの熱容量があります。ラジエータ液温が低いエンジン始動時に効果を発揮します。
 
既存フィルターにバンドヒーターの設置だけでも、効果大かもしれません。この場合は、70$だけで済みます。
 
このフィルター部ですが、通常の3ミクロン(ノミナル)で、水分除去機能も付いています(下の黒い部分)
 
この第1及び第2の方法を組み合わせた製品は、コンパクトで、かつ安価です。この組み合わせで、殆どの燃料フィルターの詰まりは解消すると思われます。
 
最後に価格ですが、
 
Head(頭)部      39$(3000円)
専用バンドヒーター  70$(5500円)
専用フィルター     13$(1000円)
水分除去部品     15$(1200円)
 
となります。
 
他に、ラジエター液配管ホース、バンドヒーター配線などは必要ですが、上記の部品代だけなら、10、700円(現地価格、送料などは別と)と超安価で、BDFの冬季対応は、これでほぼ完了です!!??
 
 
今回は、BDF燃料フィルターの詰まり防止用フィルター製品を紹介しました。
SVO燃料でも勿論使えます。米国では、主にSVO利用者向けです。
 
これで、冬季もBDFが使い続けられるなら、安い買い物ではないでしょうか??
 
尚、本製品のお問い合わせがあれば、下記メール先に、直接にお願いします。 
 
では、また。。。
Joe.H
 
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