バイオディーゼル(BDF)の世界各国の生産量・消費量増減等の話題です!!

今回は、バイオディーゼル(BDF)生産量・消費量の話題を、最近のレポートからの紹介です。
 
1)アルゼンチンは、ブラジル、フランスを抜いて、今年は世界3位に。。。。
但し、各国の差はわずかで、ほとんど均衡している様です。
 
本年度の予想生産量は、アルゼンチンが240万トン、ブラジルは230万トン、フランスは190万トンの予想です。フランスの生産量減は、特に健著な様です。イタリアやスペインの生産量も、同様に大幅に減少する見込みです。これら、EU諸国のBDF生産量減は、消費は伸びているいるものの、主に輸入が増加しているためです。主な輸入先国は、アルゼンチンやマレーレシア、さらには米国等の様です。
特に、アルゼンチンやマレーシアのBDF生産は完全にEU諸国向け輸出用と言えます。
 
理由は簡単です。
従来の様に、採算上からもEU諸国は、BDF原料を輸入し自国でBDF生産出来にくい環境になりつつあるからです。これらの諸国では、BDF原料には関税を掛けて、原料輸出を抑えて、代わりにBDF製品の輸出を推奨していることからも、明らかです。
 
事実、アルゼンチンの輸出量は、昨年比58%も伸びていて、今や世界最大のBDF輸出国となっています。
 
 
生産量2位は、大躍進の米国です。
本年2011年度の生産量は、250万トンが予想されます。昨年2010年度は、3位の100万トンでしたので、驚異的な伸びです。逆に、フランスは驚異的な落ち込みです。
この様に、米国で記録的なBDF生産が伸びている一つの大きな要因は、RFS2再生可能エネルギーの使用基準ノルマ:Renewable Energy Standard)、及びRIN(再生可能エネルギー使用の義務と実績・第3者購入を市場を介して売買できるBDF生産者用インセンティブ制度)です。
 
RFS2は米国の環境省の決めたもので、下記に詳しく説明されています。
 
同様に、RINについては、下記Blogにあります。
 
 
但し、この制度も、本年末で切れますので、延長法案が成立しない限り、2012度は大幅な生産量量減となり得ます。
 
生産量の1位は、不動ドイツで、2011年度の生産量は273万トンの見込みで、多少減少気味です。4位のブラジルとの差は僅か43万トンしかありません。いずれアルゼンチンに抜かれてしまうかも知れません。
 
この様な状況から、最近の大型BDFプラントは、アルゼンチンやブラジルの南アメリカ諸国、及びマレーシア、インドネシアシンガポールと言った東南アジア諸国などが多くなっています。
米国でも停止中のプラントの再稼働や能力アップ、及び新設も計画されています。
 
2)本年1-9月期の米国BDF生産量と消費量の実績報告。。。。絶好調!
最新の米国EIA(エネルギー情報管理局)の報告です。
本年度の米国の月別生産量では、9月は多少低下した様ですが、8300万ガロン(27万6000トン)で、8月は8900万ガロン(29万6000トン)でした。
本年度1-9月累計では、5億4900万ガロン(183万トン)の生産実績です。同じ1-9月の実績は、2009年度が3億2400万ガロン、2010年度が、2億5500万ガロンとのことですので、本年度の伸びが際立っています。
 
一方、本年度1-9月消費量では、4億8600万ガロン(162万トン)であり、同時期の2009年度の1億9500万ガロン、2010年度の1億8300万ガロンに比べると、同様に大幅な伸びとなります。
 
生産と消費の差が、EU諸国などに輸出されています。。。。
と言うことで、米国は、BDFの輸出国となっています。生産量の13%を輸出していることになります(現実には、多少輸入もありますので、この数値はネットの数値です)。。。。
米国では、最近原油は国産30%、輸入が70%で、世界最大の原油輸入国ですが、BDFは逆に輸出国です。
 
3)米国のBDF生産量、史上最大。。
最近の米国のEPA(環境局)の報告です。
報告によれば、本年11月のBDFの販売量は、1億800万ガロン(36万トン)の新記録だそうです。1-11累計では、9億800万ガロン(300万トン)となっています。予想では、本年度1-12月通年では10億ガロン(333万トン)と言う予想もあります
1)の予想が250万トンでしたので、年後半(第4半期)に更に生産が増えているのが原因です。また、現状米国では、来年度以降の前述BDF生産のインセンティブ制度(RFS2/RIN)法案が未承認ですので、駆け込み生産・販売があるのかもしれません。
但し、この制度の不正使用の業者もあるようです。
 
4)中国のBDF生産量大幅な現象か?。。。
これは、中国のBDF生産業者(Gushan Environmental Energy Ltd. )の報告です。中国全般でも、類似の状況か、否かは不明ですが、減少しているものと思われます。。
彼らの本年度第3四半期(7-9月)のBDF生産量は、昨年の同じ時期に比べて94%も減少した模様です
同様に本年度1-9月累計では、対昨年度費97.6%の生産量減との事です。
 
価格は、1-9月通期平均で44.9%増で、トンあたり1062$との事です。1L当たり74円程度となります。これに伴い売上額も対昨年比95.8%減となっています。
 
この様に、販売価格が上昇しているにも関わらず、生産が極端に極端に低下しているのは、BDF原料の高騰と原料不足が主原因です。
不採算で、生産継続ができないからの模様です。需要がないからではありません。この他に、消費税の問題もあるようです。最も最近非課税扱いに変更になった様で、この問題は解決したようです。。
 
 
本年も、もう終わりです。
 
来年度のBDFの市場環境はどうなるのでしょうか?? 
世界の話題ばかりでなく、日本でも???
皆さんのBDFは如何でしょうか??
 
では、また。。。
Joe.H
 
追伸)
   上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、
 下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
 非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、
 可能な限り対応させて頂きますので。。。。
  尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
 以上