Biodiesel(BDF)用流動点降下剤はいろいろ有りますが、効果の有無もいろいろですね!

エコ(ECO)燃料Biodiesel(バイオディーゼル;BDF)の添加剤は、酸化防止剤、セタン価向上剤とを併せた添加剤が3種の神器だと思います。


 
酸化防止剤は、これまでもドイツ製の製品を一年中利用しているのですが、今年の冬は、流動点降下剤とセタン価向上剤などを使い、冬対策に万全を尽くしたいと思っています。
 
そこで、今回は流動点降下剤の話題です。

追伸)
取り扱い中の流動点降下剤製品は、植物油系燃料用の英国製 Wintroron Synergyと言う製品です。軽油のエコプルーバー等より、公品質・高流動点降下作用があります。数度C程度の流動.改善なら、お薦めです。BDF,及びSVO油で使用できます。
追伸)終わり

流動点降下剤の利用は、元々石油燃料の軽油やエンジンオイルの固化防止剤としての利用が最初で、現在でも販売されている種類や販売量では、殆ど軽油向けの様です
 
同じディーゼルエンジン燃料でも、軽油とBDFでは、分子構造が全く異なる為(軽油炭化水素、BDFはエステル化合物)、同じ冬季に結晶を防止する目的でも、使用する添化剤は全く異なる化合物でないと効果も無いと言われています。
 
海外でも、軽油とBDFの市場の大きさの差から、流動点降下剤の多くは、軽油用であり、Biodiesel(BDF)用と記されているものの殆どは、軽油とBDFのブレンド燃料用(B5,B10,B20など、それぞれ軽油にBDFを5,10,20%混合)流動点降下剤です。
 
我々、日本で流動点降下剤として使いたいのは、
BDF(バイオディーゼル)100%(B100)燃料用ですから、
これらの殆どは使っても効果が出ません。
 
海外の良心的なメーカーは、必ずBiodiesel(B20)までしか使えないとかB100では、使ってはいけない
とか注意書きがありますが、
 
メーカーによっては軽油用をBDF用として販売したり、B20までしか効果の期待できないものに、B100でも使える
と言って販売されるケースも少なくないと思います。。
 
特に、軽油100%やBDF・軽油混同燃料に対する流動点降下剤は効果大の様です(20~30度まで下がる)。
 
いろいろ利害関係者ではない第3者の調査報告などでもある様に、、
BDF20%程度混合油までは、軽油とBDF、それぞれの曇り点(CP)、目詰まり点(CFPP)、流動点(PP)の値の比例配分の値が混合油の値となる様です。
 
更に高濃度のBDF混合油、21~99%BDFでは、これらの値は殆どBDFの値(近く)まで上昇となり、
従って、流動点を下げる目的では、ブレンドの効果は無いという事です。
 
日本でBDF用として以前より販売されている流動点降下剤は、元々軽油燃料用として石油精製工場向けの添加剤を、BDF用としてラベル変更しただけ(?)か、テストした限りでは、殆どCPの低下はありませんでした。
更に、PPも同様で、大豆油系BDFでは、少し下がる程度で、-12~-15度Cでは完全に固まります。
 
最も、海外の製品でも、これより多少は良いのですが、似たり寄ったりの製品もありました。
 
調査している流動点降下剤製品は、海外・国産を含めて、5社、10製品ですが、
今のところ、効果が中程度ありが2種類、少しありが2種類、残り6種類は全くか、殆ど効果なしです。
 
加えて、添加量も500PPM(0.05%)から5000PPM(0.5%)+まで、いろいろです。
添加剤の値段も安くは無いので、添加量はできるだけ少ない方が好ましいのですが、。。
 
効果が中の製品でも、曇り点(CP)の効果は3~4度C程度?までしか下がりません。
但し、、流動点(PP)は20~30度C程度低下と効果大で、大豆油主の廃油製BDFでもー35度C でも固化しませんでした。
 
実用で問題となるのは、フィルター詰まりですから、どこまで目詰り点(CFPP)の温度が低下するかが興味あるところですが、簡単に測定できないので、温度降下の程度は不明です。
 
最も、一般に業者は、流動点降下剤(Pour Point Depressant,Cold Temperature Antigel Additives)として販売している例が多いので、
流動点(PP:Pour Point)が降下する添加剤(Depressant,Additives)であれば良い訳です。
 
変な理屈ですが、目詰り点降下剤(CFPP Depressant)とは一般に言ってない訳で、CFPPやCP温度が低下しなくても仕方がないのかな??
とも思います(海外では、CFPP Depressantとして販売する例もあり)。効果の程は確かめては、いませんが、。。。
 
販売業者によっては、Cold Flow Improver(CFI),或いはCold Flow Additivesとも言っているので、
この場合は、低温流動性・改善剤(添加剤)ですので、CP,CFPP,PP総ての温度が低下できると言うつもりでしょうか?? 
それなら、良いのですが。。。。
でも、これらも効果はいろいろです。
 
海外で有名な英国やドイツ等の製品も評価しましたが、少々効果あり程度(3~6℃)でした。
別のスイスの添加剤メーカーの製品は、カタログでもー20度℃以下まで目詰り点(CFPP)が下がる
と言っていますが、
この製品のテスト結果は、少し効果あり程度(5~6℃)でしたが(添加量にもよると思いますが、。。)、同社の別の新製品は効果がある様です。
 
ヨーロッパの冬季規格(EN)では、CFPPー20度C以下となっていますので、この程度の性能が無ければ、販売できないのかもしれません。
但し、ヨーロッパは、主に菜種油で新油ベースであり、我々の大豆油で廃油が主なので、CFPPのベース値が大きく異なりますが。。。(Note参照)
 
取り合えずの結論として、廃油の種類が菜種ベースで、かつこれらの流動点降下剤をうまく使えば、恐らくー20度C,少なくともー15度C程度までは使える筈です。
 
但し、当然曇り点(CP)を超えてる訳で、曇った状態のバイオディーゼル(BDF)燃料ですが、流動点降下剤により、小さい結晶生成までに制御されているので、フィルターは詰まらないと言う状態に維持できているのでしょう。
 
BDF(バイオディーゼル)が何か曇って濁った状態では、不安で使用できないと言う人は、
冬季用BDFで紹介した飽和脂肪酸エステルを除去する方法( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/3879043.html )以外に
解決方法は無いです。
この処理をすれば、クリアーなBDFが使えます
  
下記写真は、-35度C以下でも、クリアーな状態の処理済Biodiesel(BDF) サンプルです。イメージ 1
 
流動点降下剤も調査をするといろいろ解ってきます。
添加剤の化学物質を公表していない製品も多いのですが、物質が解ると、これは軽油用か、或いはBDF用か予想がつきますが、。。。。
 
では、また。。。
 Joe.H
 
Note:
1)我々の使用している大豆が主ベースのBDFのJIS分析結果がその後、下記に掲載されています。
 
2)
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