バイオディーゼル(BDF)の目詰り点降下剤を輸入しました!!

新年も11日(水)となりましたが、寒さは相変わらず、当分継続しそうです。
 
さて、BDF(B100)を使っている方は、フィルター詰まり等、トラブルが発生している方も、少なくないと思います。
 
燃料フィルター詰まり=流動点降下剤と言うことか、この問い合わせも多いです。
 
冬期のBDFトラブルの主なものは、殆ど燃料固化によるフィルター詰まり→燃料供給切れ→エンジン停止(或いは、始動不可)だと思います。
 
対策は、いろいろあります、…。
使用環境(温度レベル、廃油組成)などにもよりますが、一般に最も簡単な方法は、フィルターの目詰まり点(CFPP)降下剤の添加です。
 
国産の多く、また販売されている添加剤は、流動点(PP)降下剤で、BDFの流動性は確保出来ますが、目詰まり点降下在としての効果は、殆どありません。
又、この種の殆どは、軽油用、或いはB20以下でのみ効果がある添加剤と言われてます。
 
今回、某顧客の要望から、B100用CFPP降下剤として有名な英国BioFuel Systems社のWintron/Synergyと言う製品を購入しました。
 
今回は、200Lのドラム缶3本でした。価格は、ドラム缶1本で1080英ポンド(13万円強)です。総合計は40万円強でした。
他に、25L缶(190英ポンド=2.3万円)、及び1L缶(13.5英ポンド=1650円)等もあります。
 
実際は、他に送料、関税、消費税なども掛かりますので、1.5~1.8倍ぐらいになります。
余談ですが、英国の消費税は20%ですので、英国内ユーザーも大変です。
日本も、いずれは???
 
 
 
輸送は、今回は量も多いので(ドラム3缶=600L=620kg)、当初、安価な船便で依頼しました。通常は2~3ヶ月程度掛かります。
航空便の方が、早いのですが(1~2週間)、当然費用が嵩むからです。 
 
余談ですが、今回は、余りなれない英国からの輸入の為か、当初船便で先方は送ったと行っていたのですが、2ヶ月過ぎても何の連絡も無いと言うっ状況でした。
 
先方の説明では、輸送中に荷物が紛失した(?)とか言うことでしたので、急遽航空便で再送付させました。
 
この荷物が、昨日成田に到着し、現在購入依頼元に国内配送中です。13日(金)~16日(月)に配送される様です。
 
さて、このSynergyですが、以前にサンプルを取り寄せて、テストした結果では、比較的良好な結果でしたので、今回この製品を購入しました。
また、他社製品に比べて、価格も比較的安価です。
 
下記は、油種別の無添加状態のCFPP温度、添加率、及び添加後のCFPP温度です。
 
Treatment with Wintron Synergy® for biodiesel produced from types of oil
Oil used to produce    Untreated CFPP    Treat rate   Treated CFPP
 biodiesel                           °C                                        °C
Rapeseed                          -6                   0.3%              -12
Canola                              -10                  0.3%              -15
Soy                                    0                   0.3%               -4
Tallow                             +10                  0.6%               +8
Palm                               +11                   0.6%               +7
 
イメージ 1
 上記のグラフは、菜種系BDF(RME)のSynergyの添加量とCFPP温度の関係を示しています。
この表で示されている様に、
無添加   CFPP=-6℃
0.3%       ー12
0.5         ー15
1.0         ー18
1.5         ー21
2.0         ー24
。。。と言うことで、
添加量とともに、CFPPは低下していますが、全てのBDFが同じ傾向で低下すると言う保証はありません。
加えて、上記テーブルに示すように無添加時のCFPP温度は、その原料油によりCFPP温度レベルが大きく変わります。
 
我々が、通常使う廃油は、主に大豆油(Soy)系ですので、この場合は、目詰まり点(CFPP)温度は、無添加で0℃のB100に、Synergy0.3%(3000PPM)を添加すると、CFPP温度は、4℃低下して、マイナス(-)4℃となることを示しています。
 
普段使っている廃油BDFテストでも類似の温度降下で、4~6℃程度でした。添加率は通常、0.2%(2000PPM)~0.5%(5000PPM)程度です。
一般に、添加量に比例してCFPP値は低下しますが、ある割合を超えると、それ以上添加しても効果はありません。
費用と効果から、通常は1%を超えることはありません。
 
使用法は、BDFの曇点温度の10℃以上、通常45~50℃前後の状態で、添加して充分攪拌します(~10分程度)。
 
添加剤の添加したからと言って、過大な期待は無理です。
 
他社製の添加剤では、殆どCFPP温度の低下がないものも少なくありませんでした。廃油の種類や、BDFの反応率などによっても、値は異なりますので、実際サンプル・テストした方が安全です。
 
無添加CFPP温度を7℃~10℃以上低下させる為には、CFPP降下剤だけに頼ることは無理です。通常は、廃油の選択(菜種系)か、或いはWintering処理などが必用です。
本Blogで紹介済のWintering処理を行えば、マイナス(ー)40℃程度まで任意の温度レベルまでCFPP値を低下できます。
 
。。。。ということで、今回は英国製のSynergyと云うCFPP降下材製品の輸入とその期待効果の紹介でした。
 
同社では、この他にWintron X30,X40と云う製品が過去からあり、現在も販売されていますが、Synergyが新製品です。
購入されるなら、こちらをお勧めします。
Synergyの組成は企業秘密ですが、PMA(ポリメタアクリレート)系の添加剤組成です。
 
購入など希望があれば、ご連絡ください。
これからでは、この冬用では間に合わないかもしれませんが。。。。
 
来冬季用に本年9月頃には纏めて、購入予定です。
もし希望があれば、下記メール宛に予めお知らせ頂ければ、当方から発注時ご連絡します。
購入単位は、出来れば200Lドラム缶単位でお願いします。
 
今冬季は、再度購入予定はありません。
但し、少量であれば、今回の購入者を紹介しますので、分けていただけると思います。少量なら、任意の量(5~50L程度)が可能だと思います。
同様に、下記メール宛にご連絡ください。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
追伸)
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