バイオマス燃料原料、最も単位面積当たり多収量バイオマス原料植物は何でしょうか?!?!
今回は、次世代のバイオマス燃料用作物を紹介します
。

油脂は取れませんので、BDF用などの油原料用作物ではありません。後者なら、ポンガミア等の油脂原料用作物となります。
前回、次世代のバイオマス燃料製造プロセスである触媒解重合法(Catalytic Depolymerization)の紹介をしました。
最も採算的に有利な原料は、勿論、産業廃棄物など、無料、或いは逆に処理費を頂ける原料を使い 合成バイオ燃料を製造するのが、最善であることは言うこまでもありません。
但し、今回は、廃棄物ではなく、バイオ燃料を製造する原材料植物を、新たに耕作することを考えます。
通常のBDF燃料用であれば、多収量作物なら、ジャトローファ、パーム、或いはポンガミア油、。。等だと思います。
因みに、1ヘクタール当たり、ジャトローファ油で、1.5~3.5トン、理想的な品種と環境・栽培法でも5トン程度までと言われています。
食用向けが主ですが、パーム油でも5トン程度といわれています。
当方がお薦めの、BDF原料なら最大の収量と思われるポンガミア(Millettia Pinnata)でも、最大で10トン/ヘクタール、これらのベンチャーの宣伝文句でも18トン/ヘクタール程度です。
下記Blogs記事で紹介済みです。
尚、これらの場合も、油の含まれている種子の絞り粕、及び殻まで総てを有効利用出来れば、更に、いろいろ燃料や発電向けも可能です。
因みに、面白いのは、例えば、ポンガミアの種子、及び殻総のバイオマスを使って、触媒解重合プロセス(Catyalytic Depolymerization )法で、合成軽油を製造すれば、上記の1.4~1.8倍程度の合成バイオマス燃料も出来そうです
。

勿論、現BDFの製造法では,油分( Tri-Glycerides ) しか使えません。
では、これからが、今回の本題です。
最も、多収量のバイオマス原料として、米国などでは、スィツチグラス(Switchgrass) (下記写真)も多く栽培され有力です。

但し、最も有力なのは、恐らく巨大なジャイアント・ミスカンサス(Giant Miscanthus、巨大ススキ)だろうと思います
。

尚、下記は特別に、バイオマスエネルギー作物として、選別された品種と云うことです。
下記は、そのライセンス先とその情報です。
通常のススキは、日本でも古代から、あちこちの荒地に生えています。
あえて栽培している人はいないと思います。
このススキは、日本では、屋根材料(カヤ葺き屋根用)などで使われいましたが、極一部を除いて、現在は殆どカヤ葺屋根も見ることはありません。特に、他の有効利用法もなく、現在では厄介物の筈です。
阿蘇の火口原には、天然に膨大な面積に,膨大な量が自然に生えています。
但し、その後、不採算等の理由からか、現在はこ休止(?)しているかもしれません。
上記の報告の数値では、1ヘクタール当たり 5 トン程度です。
現状は、多くはエタノール用原料ですが、既に紹介済のプロセスを使えば、バイオ液体燃料が直接合成できます。
事実、米国の最有力バイオマスベンチャー企業CoolPlanet Energy社では、原料として、このジャイアント・ミスカンサス(巨大ススキ)等を最近使い初めていて、ガス化した後の合成バイオガソリンを製造し,残渣の炭を使い農業用バイオ炭(BioChar、農地改良、肥料)を製造しています。
彼らのガソリンの製造法は、非公開ですが、ガス化、そしてF.T.重合法の様な技術だと思います。
温度条件を変えたり、触媒を工夫すれば、軽油の他、ガソリン、灯油も製造可能ですので。。。。
非食用ビオマス原料を使いバイオマス・ガソリン、及びバイオ炭(BioChar)を作っているので、Carbon Neutralでは気が済まないのか、 carbon negative fuel cycle と言っています。
先ずは、その巨大ススキのジャイアント・ミスカンサスの写真紹介です。
最初の写真です。通常のススキも大きくなりますが、こちらは3.6-4.0mにもなるそうです。人の背の高さと比べて見てください。

このススキが冬になると枯れて、下記の様になり、収穫可能な状態となります。
木材と異なり、簡単に、既存の機械で、伐採・収穫も出来ます。

次は、本題の重要な収量です。
乾燥状態で、1エーカー当たり20~25トンも取れるそうです。
1エーカー=1,200m2=0.4へクタールですので、1へクタール当たりは、62トン弱となります。
バイオマスガス化発電なら、1トン当たり、1.5-1.8MWhの発電量となります。従って、1ヘクタール当たり93-112MWhもの電力が得られる計算になります。
ご存知のとうり、ススキは、毎年収穫しても、次年度は、自然に芽が生えて成長し、再度収穫できます。
無限にとは云いませんが、15~30年程度は持続可能の様です。
加えて、多くの多収量バイオマス、BDF原料は、熱帯近くの地域でのみ、栽培可能なものが多いのですが、この巨大なススキなら、国内どこでも可能です。
寒冷地も多い北欧、米国,カナダ、どこでも栽培できます。
更に、実際は、一度根茎も植えると、それ以降、毎年タネをまいたり、耕す必要もなく(多年草)、病害虫農薬散布、加えて肥料類の施肥も不要、管理も殆ど不要、栽培は荒地でも問題なし、地中に空中炭素分(CO2)の固定。。。等と言う特徴もあります。
加えて、冬の収穫期には、自然に乾燥状態(水分10-15%)になり、ガス化、液化用なら乾燥工程が不要で、そのままチップ化するだけで済み、他のバイオマス原料に比べ特に経済的です。
当然、収穫刈り取りの機械化も可能です。
元々、何しろ野生の草ですから、。。。
これらの土地に、ヒマワリ、サツマイモ、キビ類。。。など農産物が候補に上がっているかと思いますが、ヒマワリは、通常のBDF用、サツマイモなら、主にエタノール、発酵バイオガス化用などの用途を前提としています。
加えて、栽培適地も限定的です。ジャイアント・ミスカンサス(巨大ススキ)なら、国内であれば、北海道から沖縄まで、何処でも栽培できます。
ガス化すれば、固定価格買い取り制度(FIT)による発電ビジネスもできます。
因みに、土地、遊休値が1、000ヘクタールあれば、
バイオマス収量=62トン/ヘクタール x 1,000ヘクタール=62,000トン
合成軽油 =18トン/ヘクタール x1,000ヘクタール=18,000トン=21,000KL
と言うことになります。
仮に、1L当たり100円で販売できれば、21億円の収入となります。
1、000ヘクタールは、広大な広さの様ですが、3.3Km四方の広さです。
この為の必要栽培人員は、50ヘクタール/人としても、1、000/50=20人ですし、この分の新規雇用が出来ます。加えて、バイオ燃料装置の運転、輸送でも同じくらいの新たな雇用が生まれます。
仮に、中小規模で、100ヘクタールなら1000KW、更に、10ヘクタールでも、100KWの発電・売電と言うことになります。
但し、植物の収量は、その土地や栽培技術によっても、大幅に変動しますので、この50%ぐらいで計画する方が,安全だと思います。
バイオマス原料として、用途は無限(?)です。
以下追加(平成27年5月25日)
既に、当方で、海外の専門会社から購入し導入しています.
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興味がある方、下記メール先へ直接ご連絡下さい。
追加,以上
尚、早いもので、本日は大晦日、本年も終わりです。
本Blogsも本年最後となります。
皆様、良いお年をお迎え下さい。

では、また。。。
Joe.H
追伸)
上記Blog記事は、一般公開情報です。
何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、
下記より直接ご連絡下さい。
非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、
可能な限り対応させて頂きますので。。。。
以上