完成した酵素触媒用小型BDF装置の紹介です!!
今回は、酵素固定化触媒を利用した新BDF反応装置の完成写真の紹介です。
米国に発注していた荷物の本体は、下記に紹介の様にかなり以前(8月初旬)に到着済でした。
但し、一部部品類が送付中に紛失するなど、思わぬトラブルにあい、製作が2ヶ月程遅れてしまいましたが、やっと(ほぼ)完成です。
配管等の作業は、近くの某BDF製造者に手伝って頂いたお陰です。
当方だけでは、とても不可能です。
本日現在は、酵素触媒の充填、廃油の充填、及び通油循環テストなどの基本機能の確認などは終了しましたが、まだ反応テストはしていません。
1週間以内に、最終確認の予定でいます。
他に、配管のペイント塗り、最終調整等も併せて、今後行う予定でいます。
通常、規格値を満たすBDFを製造する為には、更に粗BDFの最終精製工程が必用です。Magnesol処理とフィルター処理(Magnesol分離)が精製工程として行います。
上記写真の左側部の拡大写真が下記写真です。
この部分は、米国製の標準BDF装置(265L)を購入し、これを多少改造したものです。1バッチ容量は、100L程度から、265Lまで任意の容量が可能です。国内で製造するより、遥かに安価だからです。
この写真では、見にくいのですが、左側奥に、メタノール、アルカリ触媒の混合器、タンクがあります。
このタンクへ、本来はアルカリ触媒を投入して、メトキシドを作り、反応時には、これをタンクにエアー・ポンプ(左側のラック上のもの)で注入できる構造になっています。
勿論、この装置だけで、アルカリ触媒法の反応器としても、必要なら使える設計です。
手前のポンプは、廃油のタンク内への吸い込み、グリセリン、粗BDFの排出、及び(アルカリ法の)循環(攪拌)ポンプなどに利用できます。
総てこのポンプが行いますので、楽です。
次の写真は、最初の全体写真の右側の部分の固定化酵素触媒反応装置の写真です。循環式の反応装置です。
これ等の基本フロー図と酵素触媒充填塔単体等に就いては、既に紹介済です。
興味があれば、下記を参照ください。
まず、手前の多段高圧ポンプへと、油及びメタノールは、バッファー・タンク底部から吸い込まれます。
油とメタノール混合液はポンプで一気に加圧され、次にStatic-Mixer(Gate-Valveの裏の水平管)を通うり、触媒の第1充填反応塔(右側)の底部へ入ります。そこで酵素触媒と接触し反応が進み、最終的に上部へ抜けます。
更に、第2充填反応塔の底部へと同様に混合液は流れ、同様に酵素触媒反応を行い、最終的に上部から抜けて行きます。
この様な操作が充分な転化率が得られるまで循環が行われます。
酵素触媒粒が充填塔外に漏れなく、かつ固定する様に、2塔の充填塔内部は特殊フィルターが入口部、塔内(出口)部に設置されています。
尚、このフィルターは、ポンプ流速が高くとも、圧力損出が(比較的)掛からない工夫された特注設計品を使っています。
手前の高圧ポンプは多段(11段)遠心ポンプを使っています。海外輸入品です。
性能的には、余裕を見て15気圧(1.5mPa)程度まで問題なく昇圧できるものです。
テスト結果では、この系の圧力損失は、全体で4~5気圧強(0.4~0.5mPa)程度でした。ほぼ設計値です。
この装置で使用したStatic-Mixerも、やはり輸入品の3/4インチ、12エレメントの製品を使っています。
この部分の圧力損出は1.5気圧(0.15mPa)程度の負荷ですので、油とメタノール混合は充分良好だと思われます。
本装置だけで、既存アルカリ方式の反応装置(S社など)の100L、或いは200Lの装置に簡単に接続が出来て、酵素法反応装置へ転換できます。
尚、今回は、充填塔、及び架台は、国内製特注品ですので、高価でした。
今後は、輸入品も考慮する必要がありそうです。
下記の写真の中央部は制御盤です。
この製品(アルカリ法のBDF反応装置)の標準品です。
電源、ポンプ、ヒーター(5KW)などのスイッチ類、温度制御(PID)の温度設定器、空加熱防止センサー・スウィツチ(Lo-Level Switch)などです。
。。。と言うことで、今回は、固定酵素法反応装置一式の組立完成写真の紹介と簡単な説明でした。
尚、この装置は、某顧客からの依頼品ですので、性能テスト後、近日中に納入予定でいます。
販売価格が安すぎて、材料費だけでも既に赤字ですが、。。。
本装置の反応テスト等状況も近日中に、別と紹介する予定です。
尚、比較的小型の酵素触媒装置(100~1000Lバッチ)は、この様な循環方式を採用する予定でいます。
中型装置(1000~5000Lバッチ、日産規模)なら、連続式のタンク式連続方式(CSTR方式)を、それ以上の大型装置は、充填塔連続方式を標準方式と考えています。
現在最終商談中(複数)の装置は、日産20~90トン規模(年産7千~3万トン)の装置ですので、充填塔連続方式,或いは連続槽型(CSTR)方式か考慮中です。
この規模、国際的には中小規模(アルカリ触媒方式)ですが、国内では、最大,(超?)大型プラントです。但し、最新の酵素触媒方式なら、現状まで、2万トン/年が世界最大規模です。
装置価格も、国内価格の1/3~程度のほぼ標準グローバル価格を目指しています。
この様に、装置規模により最適な反応方式に変えていますが、酵素反応装置の
要素技術は全て同じ、スケール・アップ上の問題が殆ど皆無だと思います。
従って、任意のプラント規模の設計・建設が可能です。
では、また。。。
Joe.H
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