ワニ(油脂)から良質なバイオディーゼル(BDF)を製造できる??
今回は、ワニ(Alligator)油脂を利用するBDF製造に関する話題です。
日本では、勿論、実際に実施される可能性は、ほぼ100%無いので、単なる話題として興味があれば、以下を参照ください。
ワニと言うと、動物園や熱帯ワニ園(伊豆熱川)などでワニを見ることは良くある思います。
BDF,ECOとは関係ない蛇足です。
今回のワニは、米国のワニ(アリゲーター;Alligator)で、アフリカ等にいるもの(クロコダイル;Crocodileなど)とは、異なります。
添付の写真、どちらがAlligatorで,Crocodileか解りますか?
最初の正面を向いているのが、米国のAlligator,次の写真がアフリカにいるCrocodileです。
Crocodileは、口をふさいだ時、牙が見え,鼻(口)が細く盛り上がっています。一方、Alligatorは、歯も見えませんし、鼻(口も)もやや平らです。
代わって、ワニの養殖が盛んに行われていて、食用になっています。南部では、我々には考えられないのですが、アメリカザリガニも養殖され、食用になっています。
ワニ肉は、ステーキで食べることが多いのですが(淡白で美味しいです)、米国南部を旅行された方は、ご存知かも知れません。
この養殖で得られる残肉、内臓、皮などからのワニ油脂を利用したBDF作りが今回の話題です。
米国では、BDFの製造量を増やし、石油の輸入量を少しでも減少させる為に、米国内のBDF原料探索がありとあらゆる方面で検討され、実用化されつつあります。
米国のBDF原料は、総て新油の大豆油からなどと言うのは、遠い昔話です。
今や、廃油も大幅に不足し、下水道からの廃油分回収の他、非食用作物油脂(例、ぺんぺん草)の探索利用、藻類、更には家畜の油脂(例、牛、豚、トリ、ダチョウ)に加えて、ここではワニです
。

詳しい内容は、下記にあります。ここでは概要を紹介します。
http://www.marathonbooks.com/images/Alligator2.jpghttp://t1.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRy3XbpR_twwET37i4-IV-DdeGqEemzxvAxtJHd__CqtiknFvdm
ワニの油脂は、米国で1500万ポンド(6800トン)もあると言うことですし、それも南部の州に集中しています。
まだ研究段階ですが、ルイジアナ大の研究者は、上記米国化学学会の雑誌に報告しています。
従来、ワニの油脂は、利用法がなく、土中に埋められ廃棄されていたようですが、可也の量もあることですし、環境面からも、最近のBDF原料の異常な高騰(廃油1L当たり60~80円)、このワニ油も注目されだした様です。
実際、動物油のワニ油は、牛脂やラードの様に固まり易いBDFではなく、ほぼ大豆油からのBDFと同じ性質、成分、品質のものが得られるとの事なので、再度の驚きです。つまり、大豆油がこれだけ増産されたのと同じことになります。
これらの結果から、ワニ油は、今後BDF原料油の一つになりうると結論しています。
何せ、従来は破棄していたのですから、。。
今後も、米国を始め、各国で新しいBDF原料探しは、継続すると思われます。
米国は、広大な国ですから、BDFにしても、エタノール原料にしても自国内で生産できるのが最大の強みです。
翻って、わが日本でも、最近、新BDF原料油としてジャトローファ油、ひまし油、或いはパーム油残渣等が話題にのりつつありますが、何れも輸入で、国内では生産できませんので、輸入=外貨が必要となります。
国内にある大規模な炭化水素源は、木材ぐらいしか無い様です。
今回は、ワニ油からのBDF製造の話題でした。
ワニは皮がバッグ等に,肉はステーキに、そして残油はBDFにと、完全利用も期待できそうです。
では、また。。。。
Joe.H
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以上
添付:
Table1 Fatty Acid Composition of Alligator Oil
C14:0 | 1.27 | 0.02 |
C16:0 | 23.30 | 0.23 |
C16:1 | 12.11 | 0.30 |
C18:0 | 5.30 | 0.09 |
C18:1 | 55.54 | 0.66 |
C20:1 | 1.56 | 0.04 |
C20:3 | 0.28 | 0.13 |
C20:4
以上
| 0.64 |
0.06
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