食品廃棄物処理場からも、バイオディーゼル(BDF)原料が!!

BDF原料油が世界中でヒッパクし、値段にイトメをつけず、先ずは原料確保が最優先と言う状況の様です。 
 
一昔前までは、日本のBDF生産は廃油原料だけど、ヨーロッパ等は新油(菜種)ベースだから、。。。
例えば、BDF生産も大変だとか、難しいとか。。。。ひいては日本は廃油回収が進んでいる!!
。。。とか言う議論があった様でした。
 
しかし、現状では、日本はBDF生産や原料探しでは、世界から取り残されつつあるのでないでしょうか?
BDFの利用にしても、廃油回収でもです
 
この状況を証明しているのは、廃油の値段の高騰です。
 
最近も本Blogで紹介しましたが、廃油の値段は米国では、1L当たり77円を超えてきています。
 
また、従来の米国は大豆新油、EU諸国は菜種新油と言うBDF原料の構図も変わって来ています。
 
今回の話題は英国(スコットランド)でのBDF原料の話題で、
下記の記事の概要紹介です。
 
日本でも賞味期限切れなどの理由から、食品やその加工物等が大量に廃棄処理されています(確か30%とか?)。この様な状況は大なり小なり、他の国でも同様なことが起きています。
 
英国でも、この食品廃棄物は、従来は殆ど埋め立てたり、堆肥化などが、主な処分法だった様です。
英国のGreenagyと言うBDF会社と廃品回収業者(Brocklesby)とが組んで、新たなバイオディーゼル(BDF)生産を計画中です。
 
我々もそうですが、最近の食品は油っぽい食品が多いです
写真は、パンに中のソーセージ(Sausege Rolls)ですが、油脂は多量に含まれています。
他にも、菓子類(pastry)、フライド・ポテト(crisps)、魚の揚げ物(Fish Flys)。。。。など、
日本でも良く見かける加工食品です。
店頭に一旦並んだ廃棄物とともに、食品会社の工場廃棄物も勿論あります。
 
これらの加工食品を無駄に製造しないこと、或いは賞味期限切れにしない対策が重要ですが、一旦発生してしまった廃棄食品類は、適切な処理が環境保持面から必要です。
 
従来は、単に土中に埋めたり(Land Fill)、堆肥化等でした。
日本では、一部家畜類の飼料化も行われている様です。
 
添付の情報では、廃棄物業者は、廃棄物を粉砕したりし処理する際に、油脂類を分離・回収し、BDF製造業者がBDFに生産する回収サイクルです
 
植物性、動物性油脂類は、食品によっては30%程度も含まれている様です。一旦回収されれば、油種が何であれ、。。。。。。
 
その後は前処理、続いて脂肪酸(FFA)の多い酸化油であれば、FFA処理、或いは酸(硫酸)触媒法や話題の固形触媒法を使ったFFA油のエステル化(BDF化)反応、続いてのエステル交換反応により油分は有効に完全にBDF化できます。
 
一方、廃油回収後の残食品は、ペレット化などの後に、燃料化などに使われる計画の様ですが、。。。将来はこれらの成分は殆ど澱粉ですので、エタノール燃料の製造も計画されています。
 
余談ですが、ガソリンへの添加再生可能燃料として、海外ではエタノールの大型プラントも多いし、また建設中です。この原料も天然糖分だけでは不足で、澱粉セルロースへと原料確保に躍起になっています。触媒(酵素)技術やプロセス技術も、BDF以上に進化しています。
 
いずれにしても、スコットランドだけでも、この様な廃棄植物からの油脂回収とそのBDF化が10ヶ所も計画されています。
 
多種多様なBDF原料の探索と確保、及びこれら原料対応の触媒やプロセス技術の開発は、今後益々重要になることは確実です。日本も遅れない様に。。。
 
とても遠い国の話とは、考えられません。
福島原発事故を教訓に原子力シフトが疑問視されている昨今です。放射能に汚染された土地からの放射性物質の除去にと。。。菜種栽培やそのBDF化も一部では実践されだしそうです。
日本でも、何れ廃油原料も無くなる時が、近い将来起きるかもしれません。
 
米国やブラジルなどの広大な国なら、新たな高収率のBDF原料植物を研究し(例、ぺんぺん草や漏藻類)、栽培も可能です。日本が温暖であれば、JatophaやパームなどからBDF原料は確保できますが、。。。
日本国内では、耕地の制限などから油脂原料の直接生産が無理なら、回収しか手段はありません。
。。。。と言うことで、今回は廃棄食品からのBDF原料の回収でした。
 
他にも、工場の食品廃棄物では、廃牛脂、ラード、チキン(鳥)油脂のBDF原料化、或いはコーヒー絞り粕からの油脂分回収なども話題も以前にありました。
食用油の精製工程ででる未利用脂肪酸なども、今後新たなBDF原料原料油だと思います。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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