中小型ガス化発電装置の選定基準は何でしょうか??!!

  最近では国内市場にも数多くのバイオマスガス化発電装置が登場しています。特に中小型ガス化発電装置の選定について、どの様な項目を、どの様な評価基準で皆様選定されていますか?? 

 今回は、先ずは機種選定に際して考慮すべき項目の選定・その項目の概略説明をしたいと思います。

 現在国内で販売されているガス化発電装置は、殆ど下記に掲載されています。 
但し、やや大規模の中型ガス化発電機も、バイナリー発電(ORC)や蒸気タービンも一部含まれています。
 
 この他、未だ国内販売されていない海外製中小型ガス化発電装置も少なくありません。
下記は、その1例で50kWタイプのオープン・タイプ製品(オーストリア製、20フィートコンテナ・タイプもあり)です。この製品は、標準で簡単な乾燥機付で、水分25%迄のチップ原料が投入処理可能です。

イメージ 1
 
現在、これらの中小型ガス化発電装置を検討中の方は、是非先ずは下記のチェックリストを利用し、充分確認することをお薦めします。尚、ここで中小型ガス化装置の定義は、一応1基当たり250kW程度以下とします。

確認・検討が不充分だと、後で思わぬ後悔をすることになります!!
 
1.原料すタイプと価格、或いは入手の容易性
  国内販売されている中小型ガス化装置で使用可能原料は、
ペレット限定(含むブリケット化)
チップ限定
何れも可能
等です。

中小型装置では、微粉体原料(1mm以下)100%の原料は取り扱いできません。また、液体バイオ油のガス化も対象外です。何れも、大型の、或いは特殊専用ガス化装置のみが対応可能です。

これら中小型の装置は、価格を抑える為、等の理由から、多くの装置は最も簡単なダウンドラフト法、或いはアップドラフト法(含む、逆ダウンドラフト法)、或いはこれらの改良版が多く採用されています。加えて、ガス化炉内のセンサー類の数(配置数、二重化)や質も不充分です。更に原料性状の変化等に対応した自動化運転機能の限界もある様です。

この為、ペレット限定、或いは、チップも可能となっていても、ペレットを現実は薦めている機種・メーカーが多いと思います。
ガス化装置側からは、チップよりペレットの方が、より均一原料である為、好ましいのは確かですが、問題はペレット価格です。
チップ価格に対して、ペレットは更に1万円/トン前後価格アップします(ブリケットはペレットより安価)。中小型タイプでは、例え、チップでも採算性の苦しい場合も多く、ペレットでは更に採算性が苦しくなります。

尚、元の原料が鋸屑、籾殻の様な細かな粉体状の場合、中小型ではペレット化が不可欠です。仮に最終的なペレット原料の価格が安価であれば、ペレット専用のガス化炉でも良いかもしれません。尚、この様なペレットが将来とも供給保証が得られるかを考慮して下さい。

余談ですが、大型機なら、粉体(微粉、1mm以下)の直接処理可能なガス化装置は海外製なら販売されていますので、この場合ペレット化とその費用は不要です。

2.原料チップの種類・サイズ・分布と水分
ペレット原料専用の場合は、この項目は不要です。この項目、以下チップ対応ガス化発電装置の例です。
例えチップが使用可能と言う場合も、そのチップ仕様の確認が不可欠です。
①チップサイズの上下限値
②下限値以下の細粉の許容混入度(%)
③水分
④チップ・タイプ(切削、粉砕)
⑤混入物の種類、可否(バーク、小石、土、他)
⑥木質系以外の原料対応(農業廃棄物等)

チップが使用できても、そのサイズ、水分、タイプ等の制限は多くあります。使用したい原料が、検討すべき装置に合致するか、否かが重要です。

①は主に装置(コンベアー等)の詰りの原因になり得ます。
②は原料が安定して送れない問題等が発生します。どの様なチップでも、必ず細粉は多少含まれています。この混入度条件が厳しければ、篩分け等が必要になります。細粉・微粉が多いと、ダウンドラフト法では炉内のガス詰りの原因になります。ダウンドラフト法の細粉・微粉の混入割合は5%以下、他の方式でも中小型の場合、最大で30%程度以下です。
③は通常、水分0~15%以下です。チップは放置状態だと、すぐ水分20~25%に上昇しますので、乾燥チップなら保管法の考慮、或いは必ず乾燥機の設置が必要です(設備費、運営費増)。
装置によっては、乾燥機付、或いは水分20~30%程度迄、使用可と言う装置もある様ですが、当然ガス化効率上からは好ましくありません。
④は、特に切削チップ(主に製紙用途)限定の装置は出来れば避けたいと思います。粉砕チップ使えれば、より原料確保が容易に、そして価格もより安価になります。
廃棄物処理を扱うガス化炉でなければ、小石、或いは金属類の混入は余り問題とならないと思います。重要なのはバークの混入を許すか、否かです。バークが多いと、灰(炭)の溶融が起こりえます。ダウンドラフト法では、ガス化部、還元部の温度をそれぞれ独立し制御できない為、しばしばこの種の問題が発生します。
⑥の原料の多くも、無機金属(K,Na)を多く含む為、灰(炭)のガス化炉内の溶融・詰りの問題が発生します。

3.ガス化効率・発電効率
 特に中小型ガス化発電装置で売電ビジネス(FIT)を目指す場合は、間伐材でも、一般材でも、何れも高価な木質原料を使い発電する訳で、運転経費の最大項目は原料費です。
勿論、より安価で原料調達するのが前提ですが、装置側から見ると、ガス化発電装置の原料投入エネルギー(F)に対し発電量(B)の高い装置の選定が不可欠です。全ての単位をkWとします。
①ガス化炉の冷ガス化熱量(A)
②ガスエンジン発電機の発電量(B)
③装置本体の電力使用量(付帯設備を含めて、C)
④排熱回収熱量(CHP、D)
⑤装置熱ロス(ガス化装置、エンジン発電機の冷却熱ロス、排気ガス残熱量、炭の保有熱量等、E)
これらの熱バランスは、F=B+D+E
となります。
 
グロス発電効率:G=B/F(%)
ネットの発電効率:G-net=(B-C)/F
電力・熱効率:H=(B+D)/F 
尚、
ガス化炉効率(冷ガス化効率):I=A/F
ガスエンジン発電効率:J=B/A
従って、装置全体のグロス発電効率:I x J =G
ともなります。
 
従って、
FITで発電が主目的なら、出来るだけ発電効率(G)の数値が高い装置を選択することが必要です。
中小型機だと、25~28%程度です。ガスエンジン発電機効率(J)は、エンジンや発電機の大きさ等が決まると、量産製品の熱・発電効率はほゞ一定となります(中小型のエンジンは全て高速型であり、効率差は少ない)。
本命はガス化炉のガス化効率(I)です。ガス化法、熱回収法、他で大差が生じ、最終的には発電効率(G)に影響します。G値により、同じ電力を発電する場合、原料の使用量が大幅に変動し、採算性も大幅に変動します。
ガス化効率(I)は、通常60%~80(+)%迄存在します。充分確認が必要です。
因みに、ガス化効率80%の装置の使用原料は、60%の装置に比べ、同じ発電量を得る必要な原料は25%も低下します(エンジン発電機の発電効率は同一と仮定)。この差は採算上決定的です。

 
 装置仕様に、これらの数値記載がなく、単に使用原料(kg)に対して、発電量(kW)が記述されている例も少なくありませんが、惑わされない様にしましょう!!
各社都合の良い原料(熱量、水分)を前提とした場合、或いは、原料熱量の数値を記載してない場合も、多々あります。

 一方、発電+廃熱利用目的の場合、発電・(廃)熱回収効率(H)の数値の高い装置を選択しましょう!或いは、排熱の利用価値と売電価格の両者を比較しましょう。
通常Hは70%~85%程度です。この数値は発電が主目的な場合は、当然意味がありません。この場合、注目すべきはG値、或いは、より正確にはG-net値です。幾ら排熱を回収(D)しても、有効利用とその経済的な価値が無ければ意味がありません。

4.連続稼働時間(保証)
ガス化発電装置の採算性上、重要な因子は年間稼働時間(予想値、保証値)です。例え、高額、高性能の装置を購入しても、装置が充分稼働しなければ、信頼性が低ければ、売電ビジネス上は意味がありません。ガス化発電装置の稼働時間については、メーカー側は、
①無保証:幾ら装置が安価でも、原則選定・購入を控えた方が良いと思います。
 
②保証値(最低何時間/年以上):保証値7000時間/年以下の場合、こちらも同様でお薦めできません。②8000(+)時間/年なら、ほゞ問題ないと思います(ガス化装置単体、ガスエンジン単体ではなく、装置全体での数値)、
仮に、②が7000~8000時間/年なら、なぜこの数値になるのか充分検討が必要です。他の項目(例、高効率)が優れていれば、選定の余地があります。

5.自動化(スタ―ト開始、停止機能ソフトの評価)
 ガス化装置は、通常完全に停止し冷えた状況から稼働開始し(Cold-Start)発電開始・送電まで多くの時間を要します。通常1~3時間も必要です。
この間、操作員が付き合わないといけない様なガス化発電装置は、採算面からも、中小型ガス化の売電ビジネスでは通常使えません。

 出来れば、完全自動化装置の選定が必要です。理由は、中小型装置では、発電規模から、電力の売り上げも限定的です。従って、操作員の人件費を考えると自動化装置でないと、通常採算的に無理だと思われます。
同様に、無人化状態であれば、何か装置トラブル(原料切れ、原料詰り、装置故障、他)の発生時に、安全に自動停止する機能も不可欠です。遠隔監視機能付でも、それだけでは不充分です。

 ガス化発電装置の自動化では、ガス化発電装置の効率化運転ノウハウの詰まった最適化、自動化ソフトが組み込まれている装置もあります。装置価格だけ、或いは眼に見えるハード面ばかりでなく、組込ソフトの優劣・評価が、特に(非専門家の)顧客では必要不可欠と言えます。

6.保守容易性と保守部品の確保
 ガス化発電装置は、必ず必要な定期保守項目があります。
装置メーカーによっては、前述組込ソフトにより、予め必要な保守を知らせてくれたり、或いは故障個所を(自動的に特定し、何処が故障したのかを知らせてくれます。これらの組込ソフトの有無は重要です。それでも原因不明なら、遠隔監視・診断機能により、開発メーカー側で診断と故障個所の特定も、即出来る装置もあります。

それ以外に、
①できるだけ装置を停止することなく保守作業が出来る、
②装置を一旦停止するも短時間で再稼働できる、
③ガス化炉内等に予備センサー等があらかじめ組み込まれている、
④保守作業が楽な様な装置設計、
⑤保守部品の予備確保(国内代理店、顧客側)も重要です。
少なくとも、これら項目の確認は必要かと思われます。

7.納入実績、価格、他(コマーシャル側)
 以上は、装置選定にあたり、主に技術面、装置・保守面からの考慮点を紹介しましたが、コマーシャル面からの検討も、勿論必要です。
装置購入価格・維持価格:特に中小型だと採算上苦しい場合が少なくありません。勿論、この最大の要因は原料価格ですが、装置価格、保守部品価格、保守作業費(必要な保守を代理店から受ける場合)等は直接採算性に影響します。

納入実績:採算性には、直接関係しませんが、云わば保険・安心料です。納入実績が多ければ、より安心ですが、逆に、古い設計・ガス化方式の場合が多々ありますので、要注意です。納入実績ばかりに捉われると、低効率で、将来的に競争力の弱い製品を選定してしまいます!!
 
保有の満足感:あくまで、ガス化発電装置は工業製品であり、売電ビジネスを行う手段です。但し、長期間に渡り利用・保守する装置なだけに、車ではないですが、性能面、デザイン面等!、保有の満足感が得られる様な製品が望ましいと思います。
 
販売会社、担当者:ガス化発電装置、例え、小型でも安価ではありません。契約・購入時に最後の判断は、販売会社、それも人です。充分ガス化の知識、見識を持った担当者、会社の製品を購入しましょう!!単なる営業ノルマで販売している様な人、或いは販売会社からの購入は危険です。この場合、特に購入者側の評価・判断力がより重要です。これが不充分・不可能なら、専門のコンサルタントの利用も一つの方法です。
 
以上、中小型ガス化発電装置を購入に際し、確認・考慮すべき項目の概要を説明しました。 これから、新規購入を予定・計画されている方、或いは以前装置を導入され、再度新規に導入される予定の方々向けに、ご参考までに。。。
 
尚、取り扱い中の小型ガス化発電装置は、多段ガス化法・タール発生無し(Tar-Free)LiPROガス化発電装置です。

イメージ 2
下記は、取扱中の各種ガス化発電装置ですが、最初の機種が小型LiPRO製品(50kW)です。
本Blogは下記、他幾つもにあります。

是非、他社の中小型ガス化発電装置と比較検討下さい。

『貴方が違いの解る人』なら、即、その違いが判ると思います!!

何か、お問い合わせがあれば、下記にお願いします。
では、また。。。。
Joe.H

追伸)
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ジャイアント・ミスカンサス生育状況の継続報告です(4)!!

バイオマス・ガス化発電に於ける原料選択とその採算性について!!!!

今回のテーマは、バイオマス発電に於ける原料選択と採算性です。


固定価格(FIT)で売電ビジネスを計画する方々で、計画を実現する為には、
先ずは、
1)建設資金の調達(自己資金、ファイナンス)、
2)バイオマス原料選択と確保(量、価格等)
バイオマス原料は必要なら、添付( http://www.biofuels.co.jp/page5.html )を参照下さい。
3)ガス化発電設備(原料対応、多様性)、更には
4)設備設置場所(土地)と運営体制(要員、経験・運転)、加えて
5)採算性(継続性)
等、少なくとも全て必要項目です。

そこで、今回は、5)採算性を維持・実現する為の2)原料選択、及びこれらを実現する3)設備の重要性と選択等について考察をします。

先ず、バイオマス由来の売電ビジネスでは、大きく2つの方法があります。

1.液体(バイオ油〉燃料を使うディーゼル発電方式
もっとも代表的な液体燃料は植物油であり、大規模の場合は、その量的確保が可能なパーム油等です。
尚、パーム油等のディーゼル発電は下記を参照下さい。

但し、パーム油・SVO発電も課題は山積しています。例えば、油燃料価格と輸送費です。

FIT価格は通常24円/KWhですが、原料油は売電売上の3分の2以下にならないと採算上苦しくなります。ディーゼルエンジン発電機のパーム油での発電効率は、概略43~45%(+)程度の中速型高効率機(例、発電量4.5KWh/Kg)を前提とすると72円/Kg前後です。この価格での調達(原料費、輸送費)は、昨今可成り困難な状況です。

使用済廃食油なら45~50円(50~55円/Kg)程度の価格です。廃食油のFIT価格は17円/KWhですので、前述の同じ前提なら51円/Kgとなります。
従って、廃食油なら採算上ビジネスの継続は可能です。但し、課題は、この前提となる中速型高効率機の能力は1MW以上となりますので、少なくとも1MW以上でのビジネスとなります。
これに必要な廃食油は、1800トン/年(2000KL/年)程度の量的確保が必要です。2MWなら、3600トン/年(4000KL/年)程度です。パーム油と異なり、廃食油は輸入上の問題もなく、固化問題も少ないと思います。

2.固体(バイオマス)原料を使うガス化発電方式
固体バイオマス原料はいろいろあります。個々の原料について、考察します。バイオマス・ガス化は下記を参照下さい。

A) 木質チップ(間伐材
FIT価格40円/KWhと最も高価格設定であり、ビジネス上も有利の様に見えますが、必ずしもそうとはなりません。ガス化発電の発電効率は、ガス化効率及びガスエンジン発電機効率との掛け算になります。前者は方式、規模により65~90%程度、後者は30~45%程度です。尚、余談ですが、ガスエンジン発電機の効率も、通常の仕様書上の効率は、天然ガスでの数値であり、合成ガスでは5~7%程度低下します。
従って、ここでは高効率のガス化設備(85%)、及びガスエンジン発電機(33%)を採用した前提で、全体の総合効率を28%とします。
また、バイオマスガス化での原料費は、売電売上の3分の1程度以下が採算上必要です。
これらの前提での限界チップ原料費は、計算上14800円/トン程度以下となります。チップ材(水分10%)の熱量を3800Kcal/ Kg@LHVを,又自己消費電力10%を仮定しています。
尚、間伐材のチップは多くの水分を含んでいます。仮に35%なら、約10700円/トンであり、仮に丸太(水分65%前提)なら、5760円/トンとなります。実際は、更に乾燥費、チップ化等の費用も必要です。
この様な価格で間伐材原料が確保できれば、恐らく採算上は問題ないと思いますが、多くの場合、この価格では必要量を入手出来ない様です。
以上が、間伐材での採算上の原料費の限界上限価格です。具体的には、個々のケースでより詳細な検討が不可欠ですが、大きな差は出ないと思われます。

B) 木質チップ(一般材)
一般材の場合は24円/KWhへと低下します。燃料としての性能は間伐材と同じですから、上記の前提だと、乾燥チップ(水分10%)価格は8880円/トン、未乾燥(水分35%)チップ材なら、6420円/トン、生木の丸太材(水分65%)なら、3460円/トン程度が採算上の上限原料費となります。同様に、乾燥費、チップ化費も考慮する必要があります。これらの価格で、一般材バイオマス原料が入手可能なら、問題無いと思いますが、現実は可成り厳しいと思います。
当然、大規模なら、量的確保の容易性から輸入PKS等も考慮する場合もあいます。仮に、PKSの熱量を前提4200Kcal/Kg@LHVとしても、9800円/トン程度が上限です。

尚、大規模ガス化であれば、複合発電方式等の採用で高効率化も可能です。仮に、総合発電効率を28%ではなく、35%迄高めることができたとすれば、12300円/トン程度となり、採算上現値で、購入可能な価格になり得そうです。
但し、この35%の効率を得るガス化発電は規模なら最低でも10MW以上、それも高効率のガス化設備、及びガスエンジン発電機、及び付加設備としての複合発電設備は必要になります。

C) 農業廃棄物(籾殻、廃菌床、竹、PKS,他)
 では、売電価格24円/KWhで、採算上から売電ビジネスを継続できるバイオマス原料はないのでしょうか???
この例は、籾殻、藁、米柄、廃菌床竹材、その他の農業・林業・漁業残材・廃棄物、他等です。
 
ここで籾殻なら、水分は8~12%と乾燥していて、乾燥処理、等は不要です。但し、課題は、チップに比べて低熱量(3100Kcal/Kg@LHV)程度であり、灰分の多さ(15%程度)と低温溶融性、等から、殆ど国内ではガス化原料として使われていませんが、東南アジア、中国、アフリカ等では実績も少なくありません。
 
籾殻の限界価格は、エネルギ-換算で8075円/トン程度です。最も、ガス化では、乾燥は不要ですが、原料のペレット化、或いはブリケット化が必要です。この処理には多くの電力エネルギーが必要で、1000~2000円/トン程度の費用が必要ですが、これらを考慮しても,6000~7000円/トン(+)程度です。籾殻殆どは無料で、処理(ブリケット化)費を考慮しても、この価格なら、例え、籾殻の低密度材(100Kg/トン)は運送費も掛かりますが、充分入手可能過ぎる価格です

多分、ガス化原料として使える状態(運送費+ブリケット化)でも、籾殻が無料なら、実燃料費3000円/トン程度だと思われます。上記の限界価格の8075円/トンとの価格スプレッド差は3000円(+)/トンもあります。多少、籾殻対応の設備費に投資増であっても、採算は充分取れると思います。

籾殻の課題は、量的確保ですが、籾殻は籾の20~25%程度であり、残り75~80%が玄米です。概略、9、000~10,000ヘクタール分程度分の籾殻が確保できれば、2MWのガス化発電を通年稼働できます。この水田面積は5.5Kmx5.5Km程度の水田面積となります。
この籾殻ブリケットは、東南アジア、インド、中国でも大量に、燃料用に作られていて、籾殻の国内調達が量的に無理なら、輸入籾殻ブリケットも可能の様です。

尚、籾殻の様な多量の灰分、及び低融点の灰を含む材料では、ガス化は国内では実績もなく、殆ど見向きもされません。
我々の扱うガス化装置(FPT、INSERガス化方式)、他なら、籾殻原料の使用は可能です。

同様に他農業廃棄物(コーン殻、大豆殻、藁、麦藁)等も、量的な確保の課題はありますが、採算上からは全く問題ありません。竹やススキ類も同様です。
何れも、これら農業廃棄物原料を使えるガス化装置の選択が鍵です

最も農業廃棄物の代表例は、輸入PKSPalm-Kernel Shell)です。
当初は、使い道もなく、捨てていたものが、今やバイオマス発電原料として、特に日本では大注目です。その結果、価格も高騰し、12000~13000円/トン程度もする様です。FIT価格24円/KWhでの限界価格は、PKS(例、4500Kcal/Kg@LHV)なら、11700円/トンであり、収支はトントンであり、殆ど利益はでません。加えて、低密度であり、遠路からの輸送上の問題もあります。

D) 産業廃棄物(RPF,RDF,等)
こちらは、国内に多量にあり、量的な確保は全く問題ありません。
但し、こちらのFIT価格は17円/KWhへと低下します。
例えば、RPFの熱量を5000Kcal/Kg@LHV(組成調整により、4500~8000Kcal/Kg@LHV)とします。
ガス化発電効率28%なら、RPFの限界原料費は9,200円/トンとなります。RPF価格は2000~3000円/トン程度ですので、こちらも計算上の採算性は全く問題無さそうです。

尚、こちらもガス化設備の選択が重要ですが、原料確保や採算性の心配は、殆ど無いと思われます。

以上、バイオマス発電の原料の選択と採算性について、その概要を説明しました。

現状も、将来も、バイオ油(パーム)やチップ材間伐材、一般材)の高騰、入手難等の諸問題が山積しています。

少しは、他の原料(農林魚業等の諸廃棄物)を、或いは木質チップを含め、これらの混合原料を考慮しませんか??
苦しいバイオマス発電事業の採算性が、(大幅に)改善される筈です。

今回は、主に採算性の観点から各種原料の選択とその採算性を考えて見ました。充分採算性の取れるバイオマス原料があることが解ると思います。尚、具体的な採算性の評価計算は、個々のケースで行う必要があります。今回は超概算計算の例です。

 特に、1)資金4)場所が確保できているものの、具体的に2)原料選択を検討中(済で、3)ガス化設備、5)採算性等について質問があれば、下記に直接お願いします。

では、また。。。。
Joe.H

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LiPROガス化発電装置の日本への出荷風景です!!

 今回は、先頃実施の国内導入のLiPROガス化装置(HKW50,50KW)の出荷風景の写真紹介です。

尚、輸入前の機能確認テストの為、開発元ドイツLiPRO社を訪問し仕様確認作業・稼働確認作業等を実施したガス化装置の状況確認報告は下記のBlog記事を参照下さい。

また、LiPRO製品の詳しい紹介記事は、本Blogの下記、他にありますので、ご参照下さい。
 同様に、下記ホームページもご参照下さい。

 先ずは下記8枚の写真をご覧ください。順にご紹介します。
 
 

イメージ 1
 
 
下記2枚の写真は、スチール枠に納まったガスエンジン発電機と排熱回収の熱交換器部(蒸気発生、CHP部)です。エンジンの底部熱交換機(ステンレスの円柱管熱交換器2基)は、エンジン排気ガスから、先ず熱回収を行い高温蒸気高温湯(85℃)として回収しています。高温蒸気は、ガス化炉で加熱空気と蒸気を使いガス分解を行います。

次に、CHP(下記写真、中断右側の黄色縦長のプレートフィン熱交換器)、及びポンプ等により、この排熱回収高温湯から、再度熱交換機により外部CHP用に熱回収を行い、熱温水を得ています。CHP熱が不要なら、冷却塔で冷却します。尚、詳細なP&I Flowは必要なら,お問い合わせ下さい。
 
 
尚、エンジン発電機(CHP含む)設備は、国内設置後、後記のガス化装置本体とガス供給管、熱回収配管、蒸気配管等の配管類で、全てフランジで相互接続されます。

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手前が同期型発電機(Stamford製)、後側は産業用ガスエンジンです。
下段は排熱回収熱交換器となっています。
ガスエンジンHoeckle社HMG 634 S (低圧用@49.9KW,標準HMG645S@55KW/SISU Arco Power:)を、発電機はStamford社UCI224E(標準UCI224F@55KW)です。

 
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次の写真は、ガス化装置本体部であり、チップ供給及び熱分化炉部から奥のガス化炉部を眺めた写真です。コンテナ―積み込み前の状態です。

手前の垂直管のフランジ上部から原料チップが供給され、手前スクリュウ・コンベアーにより斜め熱分解工程に順次原料がスクリュウーで供給されつつ、外側からガス化炉出口高温ガスで加熱・熱分解されます。

その先の垂直部がガス化炉本体で、順次熱分解後の炭と熱分解ガスがガス化炉上部から、順次供給されます。

斜めの熱分解炉部と垂直ガス化炉本体部は、断熱材+ステンレス板カバー付仕上げであり、外見上も美しい仕上げとなっています。

以前Blogの上記機能確認テスト時の写真では、本体部が断熱材(グラスウール)だけがまかれた状態で、その外側ステンレス板カバーはなく、むき出しでしたが、この写真では、全てこれらが着けられています。
 
 
 
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次の写真はガス化本体をコンテナーへ積み込む時の写真です。

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下記の写真はLiPROガス化装置部(熱分解、ガス化、還元部)本体部を牽引して、コンテナ―に積み込み時の写真です。
 
 
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下記の写真は、ガス化装置本体がコンテナーに積み込まれた状況です。

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下機の写真は、そのコンテナ―内部の一部荷物が搭載された状況写真です。
 
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次の写真は、LiPROガス化発電装置、パネル、補充保守部品等、必要な全ての荷物を40フィート海上コンテナーに積み終えて、LiPRO社を出発する時の写真です。
 
 
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以上、LiPROガス化装置の現地ドイツLiPRO社での出荷時の写真紹介でした。国内到着までの航海の安全を祈っている状況です。

尚、何か、LiPROガス化装置(50KW)のご質問があれば、下記へご連絡ください。

追伸)H.30.01.11
上記で紹介のドイツを出荷されたLiPROガス化装置は、新年1月3日に無事日本の港に到着し、顧客先へは1月10日に配送・仮設置済です。今後、設置工事(配管・配線)、建設・土建、他の周辺工事を順次行う予定です。

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追伸)終わり

では、また。。。。
Joe.H

追伸)
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米国フロリダに於けるポンガミヤ(Pongamia)試験栽培の状況(2)!!

以下は、下記Blog記事の続編です。
先に、下記を参照下さい。
 
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 ポンガミアを成長させるための費用?
 栽培の確立費用はシトラス(柑橘類)と非常に似ています。実際、栽培者が最初に気付くのは、木が文字通り既存の柑橘系インフラストラクチャと殆ど一致すると言うことでした。樹木苗は柑橘類とほぼ同じ価格であり、植栽密度は柑橘類と同等、僅かに低い状態です。旧オレンジの木の切り株の間に文字通り植え付けた栽培者もいました。フロリダ州で今日まで農薬は使用されていません。この丈夫な木は、熱帯や亜熱帯の害虫の候補の中でも良く成長します。これまで柑橘類の栽培者は何百万ドルも費やし、これらの害虫を駆除して来ています。ポンガミアの最大の年間出費項目は、その若い樹木がある程度の高さを得ることができる迄、樹木の枝は地表面が覆われるまでの間、草刈り(徐草)の維持管理をすることが必要です。年間保守コストは1エーカー(4,000m2)あたり約400500ドル(4.5万円~5.7万円)と計算されます。柑橘類のシトラスが現在使っている費用の3分の1、又は4分の1です。幾つかの栽培者は少量の肥料を使用していますが、多くは肥料を全く使用しませんでした。ポンガミアはマメ科で、窒素を作ることで土壌を豊かにしています。
どの様に収穫されていますか?
 フロリダ州で栽培されている果物や野菜作物の殆ど全てが手作業による農作業を必要とし、毎年、それは困難を伴い高価です。逆に、ポンガミアなら、ピスタチオ、アーモンドで使用される様なナッツツリー・シェーカー(果実振動篩落とし機)を使い、2人の乗組員で35秒でポンガミアの木から機械収穫することができます。これらの費用便益は直接的に収益に貢献しています。過去2年間、若い木の幾つかが早くポッド(実のサヤ)を生産していたので、Tervivaは如何に簡単で素早く木から果実を収穫できるかを示すために栽培者向けのデモを行って来ました。
誰が処理するのですか?
 ポンガミア産業の素晴らしい所は、すべてが既存技術・機械類で対応可能であると言うことです。この木は、ナットシェルラーで容易に木から実サヤが収穫され、従来の大豆粉砕装置で簡単に果実を取り出せます。それはこれらの作業に1億ドル(113億円)もの精巧な加工工場、又は外来の酵素製剤を必要としません。そのポッドの中の豆は、リマのような大きさと形をしています。それは約40%の油から成り、残りの60%の残余は種子ケーキ残渣です。2017年、先を見据えたHardee郡庁とその責任者、Bill Lambertは満場一致でフロリダ州で最初のポンガミア粉砕工場を建設することにしました。州の様々な商業温室で栽培されている優良エリート品種の為、1エーカーの樹木は約400ガロン(下記表、右から2列目のPongamia参照、1,800L)の油と約3トン(米トン、2.7トン)の種子粕を控えめにも生産しています。
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 誰が製品を購入するのですか?
 これは正に興味深い処です。この油糧種子作物のための多様な広範な市場の長い候補者列があります。そこに最大の利点の一つです。これら収益性の高い市場は、低価格帯の工業用油の原料、飼料、そして有機農業の為の高価値の生物性の防除製品まで及んでいます。有機農家は、インド名karanja下で、ポンガミアの油と絞り粕製品の長所に長い間精通して来ました
大豆と同様に、ポンガミア油は、バイオディーゼル、又はバイオジェットA燃料に容易に精製することができる長鎖C181オレイン化合物が主成分です。これらの燃料試験テストは、ShellValeroREG、及びARA Labsによってテストされ、確認検証されています。精製業者らはフロリダのポンガミア作物を毎年油を忠実に生産できる新油田とみなしています。燃料は、基本ケースの最終市場であり、投資回収率を高めることができます。
 政治的に正しく「非食品」原料として分類され、それは、分解性流体、プラスチック、洗剤、塗料および他の工業製品などの生分解性ポリマーの製造に使用することができます。油中に見出される副次的な化合物は、有機農家、庭師、及び一般的に知られているニーム製品と同等かそれ以上の効果を示しています。非常に効果的なバイオ農薬としてインドで文書化され、又、ポンガミアの栽培に無機化学肥料不要の為有機肥料及び栽培により生産された高価値の最終製品需要高まっています。これら流通経路への販売だけで、ケーキとオイルの価値の2倍または3倍にすることができます。
種子のケーキ、即ち油絞りカス残渣は、に精製することで高(30%)タンパク質動物飼料製造できます。或いは、植物有効に利用でき環境に優しい遅効性4-1-1有機肥料として単に使用することできますポンガミアの油分も基本的には、他の食用油と同じ主成分から構成されています。従って、科学者らがTerviva、ポンガミアに含まれる(有毒)副生物を除去さえすれば、油分は『食品品質』にアップグレードできると語っいます。ポンガミアが、この様な状況になれば単なる伝統的な油栽培用作物ではなく、それ以上になります。
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 柑橘類緑化病によって作られた驚くべき農業の空白地域へのポンガミア農業モデルの採用は、古典的なビジネススクールのケーススタディ項目となる可能性があります。この分野今活気付いてますこのビジネスモデルをより深く理解すると、非常にユニークな分野が明らかになります。樹木の高収量は、任意の作物年の農作物の作付け選択の間違いの為の特別な採算性の余裕を提供しています。米国の他の場所(多くの場合、新たな回転作物=連作障害対策)に植え付けられた多くの代替脂肪種子(油採取用)作物でも、何か栽培上の問題が発生しても栽培シーズン全体でほとんど問題なく対処することができます。そうしないと収穫は植え付けや新しい機械投資のリスクを正当化するのに困難になります。ポンガミアの年間メンテナンスコストが低いことも、天気予報の悪影響に対し、大きな余裕・安心を与えます。ポンガミアの多様な下流加工製品市場は、マーケティングリスクを軽減します。燃料と飼料から肥料や生物制御園芸スプレーに至るまでの製品を作ることができるローテクな加工分野では、サイクリング市場をターゲットとして、単一の消費者市場への依存を減らすための柔軟性を十分に備えることができます。これらの市場に応じて、Terviva、ポンガミアの成熟時に1エーカー(4000m2)当たり7008万円)1500ドル17万円)の純利益を生み出すと推定しています。
それが生産者の目の前に現れた場合、理想的な代替作物はどのように見えるでしょうか?おそらくポンガミアの様なものでしょう!!
以上: TerVivaの他記事
 
以上、ポンガミヤの米国フロリダ州での栽培報告の記事の紹介でした。
同社はハワイ州でも、ポンガミアのプランテーション(下記写真)化の試験栽培をしています。

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何か、ご質問やTervivaへの質問があれば、下記へご連絡ください。

では、また。。。。
Joe.H

追伸)
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或いは、『お問い合わせ』のメールを下記に下さい。
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以上
 

米国フロリダに於けるポンガミヤ(Pongamia)試験栽培の状況(1)!!

最近、バイオマス(バイオ)油が多く取れる最有力植物(樹木)と言うことで、本Blogでも過去紹介済ですが、ポンガミア(Pongamia),いろいろ問い合わせも増えています。

尚、このPongamia,いろいろな名称で呼ばれています。原産国のインドでは、Indian Beach, Karanj,等など、オーストラリアではPongamia(Pinnata), 最近多くはMilllettia Pinnata 等です。下記を参照下さい。日本(沖縄)では、クロヨナ( http://oki-park.jp/kaiyohaku/blog/detail/236 )と呼ばれています。

ポンガミアの過去のBlog、及びホームページは下記を参照下さい。

http://www.biofuels.co.jp/page5.html の(2)を参照下さい。

最近、米国のハワイ州フロリダ州、他でポンガミヤ栽培を手掛けているTerViva社(米国カルフォルニア州、http://www.terviva.com )のフロリダでの試験栽培の開始とその状況報告の最新記事がありましたので、その和訳を添付します。 誤約もあると思います。必要なら元の原文も併せて参照下さい。
 

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尚、原題は、『この作物、フロリダの農業を救えるのか?』です。

Tervivaのビジネス開発担当ディレクター、Tom Schenk
ダイジェスト特集
 あなたがここ数年にわたって中部と南部のフロリダを車で駆け抜けて来たのであれば、何故フロリダ州中部と南部のオレンジやグレープフルーツを栽培していた土地の多くが休眠状態で、雑草が生茂っているのだろうかと疑問に思うかもしれません。殆どの人は、米国史上最大の農業災害の原因となっている致命的な柑橘類の緑化病を知っています。研究者が良い結果を示す治療法を見つけるのに苦労する間に、サンシャイン(フロリダ)州の残りの殆ど全ての農場がこの病気に感染しています。
 2017年にはまだ栽培を継続している栽培農業者は、収穫された柑橘類を搾り取るために1エーカー(約4,000m2,より正しくは4,046.86m2)当たり1500ドル(約17万円)2500ドル(約28万円)の通常の費用を、枯れ木から支出していました。これらの努力、費用はほとんど理想的な栽培条件で満たされる程の高額の費用であり、彼らの努力は何年も見られた過去の最高の収穫でのみ報われる様な費用だった。
 ハリケーン・イルマ(Irma)が到来により、フロリダをチェーン・ソーで刈り取られた様な状況でした。もはや森には手を触れないで下さい。
 被害報告では、未熟果物の半分以上が地面に落果したのに対し、樹木に残っているものは傷ついているか、または今後数週間で落ちることを示しています。或いは、柑橘類の樹木にとって、殆どの場合致命的な72時間をはるかに越えた時間、(フロリダは低地で水はけが悪く)多くの樹木が水に浮かんでいました。
 フロリダの柑橘類産業は直接的、及び間接的に約45,000の雇用を創出し、フロリダの経済におよそ90億ドルの貢献をもたらしています。今日の柑橘類産業は90年代後半にピークを迎えましたが、、今や農村の町やコミュニティの維持に苦しみ、更に家族や個人が他の場所で仕事を見つけることも困難を伴い、お互いに離れて生き残るためにも苦労しています。州に残っている食品の加工工場は、現在7つしかなく、最終的な作物喪失が80%〜90%と高い場合、どれだけ多くの加工工場操業を継続可能であるかは疑問視されています。果樹園の残りの果実を救済しても、1940年代以来の最低の収穫量加工組立ラインを操業継続することは経済的には意味がありません。商業用不動産の場合と同様に、土地は一般的に所得収入額に対して、適当な開発・利用可能性を考慮して不動産の価格設定されます。
何故他の作物がこの土地を利用することができないのですか?
それは試行錯誤の欠如の為ではありません。
 南フロリダ州の数十万エーカーの砂質で浅い土壌と雨の多い気候は、この様な条件で有益に栽培される可能性のある作物の利用分野を狭めています。午後の雨は、土壌、排水路、そして最終的にフロリダの沿岸河口とエバーグレーズ(の沼池)に肥料や化学物質を絶えず流してしまいます。これらの課題にもかかわらず、此れまで、多くの栽培者や外部投資家が、桃、ブルーベリー、トマト、イチゴなどの代替作物に投資して来ました。しかし、生産確立の費用は非常に高い状況です。ブルーベリーの場合、1エーカー4,000m2)あたり15,000ドル(170万円)を超えることがあります!栽培者は事態を悪化させることに、農業労働の供給が減少する中で苦労していることが分かりました。そして、最終的に早期の収穫で価格が高騰すたとき、または生産不足があるときは、いつでもメキシコ、南米から安価な製品が大量に日々輸入されます。
フロリダのユニークなエコ農業生態系では何が耕作できるのですか?
 南フロリダの地方の町で土地価値を回復させ、事業を活性化させる大きな可能性を示す一つの希望があります。2011年、TerVivaと呼ばれる会社の起業家グループが、ポンガミア(Pongamia)と呼ばれる熱帯・亜熱帯の樹木作物を使った幾つかの試験場を設立する為、州最大の柑橘類の栽培者に接触し始めました。ポンガミアは、インドとオーストラリア固有の油糧種子の樹木です。概念的には、この作物はマメ科の樹木であることから、樹上で大豆を栽培するようなものですが、アイオワ州の大豆農耕地よりも8倍〜10倍の収量です。
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但し、ポンガミアはフロリダにとって新しい植物種ではありません。今世紀の変わり目に、ポンガミアは造園用装飾用として、最初に導入されました。今日、これらの樹木の幾つかは、高速道路沿い、ショッピングセンター、南フロリダの公園等でも見られます。
 実行可能な農業をゼロから創出することは簡単なことではありませんが、この段階はこれまでに完了しました。大豆は1930年代初頭に導入され、第二次世界大戦後に東南アジアのゴム農場からパーム油の木が開発される迄、殆ど聞かれませんでした。興味深いことにポンガミアからの製品は、燃料、潤滑油、塗料、界面活性剤、バイオ農薬園芸スプレーなどの産業用途に使用されインドで繁栄している産業の一つです。油が抽出された後に残る「ケーキ」、又は「飼料」は、窒素をゆっくりと放出する素晴らしい遅効性肥料として切望されている為、植物はより良く利用することができます。インドでは、多くの食用作物の害虫である線虫のような土壌有害害虫を抑制する為に使用されています。
 だからフロリダの様な困難を伴う挑戦的な土地の中で、米国で新しい作物の生存能力を証明する道は何ですか? 以下は、実行しなければならなかったポンガミア長所のチェックリストです。
樹木は、ここフロリダで育つだろうか?
 これは、Terviva2011年に開始したときに栽培者から受けた最初の疑問であり、これらを証明するために立ち上げたです。彼らに耳を傾けた最初の栽培者は、Vero Beachに拠点を置くEvans PropertiesRon Edwards/ CEOです。トロピカーナの元COOSoBe BeveragesBlue Buffalo Pet Foodsの共同設立者であるエドワーズは、優れた経営チーム、優れたビジネスモデル、成功する良いアイデアを過去に発見した実績があります。それでも懐疑論は高いので、Tervivaは最初の試練栽培の費用を分割するように提案しました。
 試験栽培の結果は期待以上でした。グレイブス・ブラザーズ、米国のシュガー/サザンガーデンズ、DNE、アリコ、モザイクなどの栽培者がすぐに栽培に続きました。州の周りの砂質土壌、有毒土壌、生理食塩水土壌、さらにはモザイク状の泥土土壌に苦しんでいた様々な場所で樹木がよく生育しました。4年間で木は高さが10 フィート(3m)から16フィート(4.8m)も生長しました
 この試験栽培では、ハリケーンMathewおよびIrmaによる2週間の水没時でも、霜、非灌漑畑、貧弱な土壌、大部分の他の作物に不敵な高塩分の土地、砂、粘土、害虫、及び熱に対しても、ポンガミアは生き残ったことが示されています。ポンガミアは、フロリダの厳しい気候と土壌に確実に対処することができます..
尚、TerViva社へのお問い合わせ、或いはPongamiaに関するお問い合わせ(東南アジアでのプランテーション計画、など)は、下記にお願いします。
以上、本Blogの文字制限から、続編は下記へ続き
では、また。。。。。
Joe.H
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上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かご質問、ご要望、及びご意見等の具体的な相談のある方は、必ずご本人氏名、連絡先電話番号等を添えて、下記へ直接ご連絡下さい。
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『お問い合わせフォームhttp://www.biofuels.co.jp/page7.html )
よりお願いします。 
以上

11月になり、本年もそろそろBDFの流動点降下剤の準備の季節です!!

 本年も早いもで、残り2ヶ月、北の地域、山間部では雪の知らせもあります。
ご存知の様に、BDFの大敵は寒さです!!
本格的な冬を迎える前の準備が大切です。

BDF同様に、SVO(パーム、廃食油)ダイレクト燃料の固化対策でも、同様に有益です。

 BDFは低温で固まり易すく、冬季に使うには流動.降下剤の添加(0.3~0.5%)が必要です。

そこで購入が必要なら、共同購入を今年も予定しています。購入ロットが大きければ、それだけ安く入手できます。
購入希望の方、下記に早急にご連絡ください。

国内で販売中の他の流動点降下剤より、品質(効果)も優れ、価格も安価だと思います

200Lのドラム缶,及び25L缶単位を基本としています。
購入希望者は,下記H.P.経由なら『お問い合わせフォーム( http://www.biofuels.co.jp/page7.html )よりお願いします。 

発注のタイミングもありますので、今回の共同購入のご希望があれば、11月7日〆と致します。
その後であれば、個別輸入対応となります。

追伸)H.30.01.01
25Lペール缶単位なら、ご希望者に即納できます。
在庫・価格等は、下記より直接お問い合わせ下さい。
追伸)以上

尚、過去,これまで最高品質のWintron/Snergyと言う製品を購入していましたが、今回も同製品(PMA)高品質品の購入を予定しています。

尚、流動点降下剤関連のBlog記事は過去の記事を参照下さい。

添加量と流動点降下温度との関係、国産との比較等、いろいろの過去記事が参照頂けます。


 
以上です。
宜しくお願いします。

では、また。。。。。
Joe.H

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