地域密着型のバイオディーゼル(BDF)装置が今後は流行しそうです!!

 今回は、地域密着型のバイオディーゼル(BDF)設備の生産能力とプラントのコンテナー収納、及びこれが注目されている理由などの話題です。
 
近頃、バイオディーゼル(BDF)の製造も、販売も、最近は米国、EU、及び東南アジア、ブラジルなどの南米諸国、他で(絶)好調です。それに伴い寡占化も進んでいます。
 
それに伴ってか、BDF工場の買収により全米最大のBDF専業製造業者のREG(Renewable Energy Grpup)は、近々上場(IPO)する様です。バイオ関連企業のIPOの例は、バイオ航空燃料、バイオエタノールなど他にも幾つかありますが、何れも高技術志向会社です。単純なBDF製造業者は初めてだと思います。
 
彼らの製造能力は212MGY(年2億1,200万ガロン=81万キロリットル、日産2,300キロリットル)もある様ですので、日本最大の年産1,800~2,000キロリットル(日産5,000L)と比べると、日本の(最大規模の)1年分の生産量を1日で製造できる規模といえます。
最も、彼らも5~6ヶ所の工場の合計ですから、1ヶ所当たりの製造規模は数分の1程度となります。それでも平均でも、50~100倍規模だと推定できます。
 
この様な大規模BDF装置は、ドイツや米国が主戦場でしたが、小型の地産消型は、従来、中米、南米、南アフリカ、東欧、及びカナダの一部などが中心の様でしたが、最近は米国でも注目され始めています。
 
でも、理由は、BDF装置は大きいばかりでは、生き残れません。
 
原料の集荷先、製品の需要先の分散度が問題で、その費用(運送費、Logistics)が問題です。汎用の単位容積当たりの価格も安価なBDF燃料では、輸送費の低減化(近距離輸送)が一つの鍵を握っています。
そこで、最近、と言っても可也前からですが、地域密着、地産地消型の小規模のプラントが注目されています。
 
今回は、この地域密着、地産地消型の小規模(Community-Scale)のBDF装置の話題です
このサイズのBDFプラントは年産規模は1~2MMGPY(日産10、000~20,000リットル)規模サイズのものです。
このサイズの装置は、主に町ぐるみを中心としたコープ(生活共同組合)(廃油の利用、輸送車の燃料化、ECOの広報活動)、大豆や菜種、コーンなどを生産する農業団体(不良品の搾油、農業機械燃料油化利用、食用作物の生産ができない荒地の有効利用としてのBDF用ペンペン草の栽培、或いは輪作障害対策のCamelina作付け搾油)、大規模牧畜業者(家畜飼料から油脂をある程度除去した方が、淡白質、澱粉分の割合も増加し飼料として好ましい)、運送会社(CO2を多量発生の償いとしてECO燃料利用推進、燃料費削減)、大型重機運用会社、鉱山会社、油脂を使う食品製造会社(廃油の自己利用、燃料化)、油脂を製造する製油会社(油脂残渣の有効利用)、家畜(牛、豚、チキン)のトサツ処理場(廃棄油脂の燃料化)、マクドドナルド、ケンタッキーフライドチキンの様なフランチャイズ・チェーンの地域毎廃油処理施設ヤトーファなど新非食用の油脂栽培地域内での現地搾油・BDF製造施設用、或いはこれらプランテーション地域の移動型施設。。などが主な市場です。
 
海外の装置を供給する専業エンジニアリング会社にとっては、扱うには小さすぎる規模ですし、町の鉄鋼加工屋さんや、個人のBDF装置ファンでは、技術的にも資金的にも手が出ない範疇の規模といえます
 
一方、このクラスの規模のプラントでは、BDF製造者にとって、例えば、前述の様にBDF専門の製造会社にとっては、規模が小さ過ぎます。また個人、或いは個人企業の趣味の範疇では、大きすぎる規模と言えます。
 
この為、従来は、装置メーカーも、需要者側もあまり注目していなかった領域と言えます。
それが、最近注目されている規模、分野となっている様です。
 
但し、キチンとした製品品質のBDF製品を製造して、ビジネス的にも継続(再生産)可能なプラントサイズです。最近各国とも、BDFの軽油との混合(B5から何れB20へ)を税制面などからも支援しています。その結果、需要増とともに、ビジネス的にも高環境ができつつあり、将来展望も開けつつあるのかもしれません。
 
このサイズだと、原料確保も、製品の販売先も近場で可能ですし、その処理装置も原料の確保と製品の消費が可能な場所に設置すれば、物流費が不要になり有利です。10~20K程度の大型ローリーなら、毎日1~2回の原料油引受、製品出荷の規模です。小型ローリーでも10回以内です。
 
地域密着型という点では、日本の総てのBDF工場は、この地域密着タイプですが、余りにも規模が小さすぎで、日本最大のプラントでも、このタイプの下限以下(5000L程度?)です。
日本でも、最低でも日産10000L程度の規模が、安価で、かつキチンとした品質のBDF製品が製造できる装置が何れ求められる時が来ると思います
 
添付の下記の写真をご覧下さい。
標準的なコンテナー(長さ40フィート=12メートル)の中に納まったBDF製造装置の例です。海外には、この種のコンテナー納めたいろいろな装置が有ります。BDF装置も例外ではありません。類似製品で、架台に乗せコンテナーに納め、現地でコンテナーから移せるタイプもあります。
 
装置製造者、メーカーの利点は、装置を工場側で総て組み立て、調整後、出荷すれば即、稼動できるので、安価に、かつ短期間に装置を提供できます。
例え、顧客が地球上のどこでも、海上輸送、陸上トラック輸送など可能となり、その結果、安価に輸送もできますので、何も近場の顧客だけを相手に営業する必要もありません。
 
一方、BDF製造業者にも、利点は多いと思います。必要な原料のある場所、需要のある場所、地域に自由に装置を設置可能ですし、更には建屋が不要などに加え、装置を移動し製造場所を移すことも、比較的簡単にできます。また、装置が安価なこと、納期が短いことも、変化の激しいBDFビジネスでは有利な特徴です。
 
装置の移動の場合は、クレーンで吊り上げ、トラックに積載して移動すれば簡単にできます。更に、移動が簡単に様に、車輪付もあります。この場合は、牽引車だけで移動できます。
 
更には、この種の移動可能タイプだと、ローン(Financing)も付き易い様です
ビジネスプランがしっかりしていれば、資金の準備も不要(少なくて済む)です。土地に固定されていない移動可能な器具・機械としてのローン扱いです。ローン会社も、万が一返済が滞れっても、装置を引き上げることもかのうであり、リスク低減ができます。またローン期限が切れれば、装置を引き上げ、別の需要家に再利用もできるからだと思います。 
イメージ 1
 
上記のコンテナ装置に搬入・設置されているのは、下記の写真の装置で、日産20000L弱(5000ガロン)のBDF装置です。
標準のコンテナー1台の収まる装置の上限が丁度日産20000L程度ですし、また地域密着型のBDF装置規模にも合致していて、都合が良い訳です。
装置の値段も30~60万ドル(2500万円~5000万円)程度です。日本の価格の5分の1から10分の1程度だと思います。
 
 
 
イメージ 2
 
 
但し、上記の装置は、通常のアルカリ法によるBDF反応+Dry-Process法と言うことで、個人レベルのBDF装置と同じ反応・処理方式ですので、見かけ上の外装はステンレス製で綺麗・見栄えが。。。。。。
 
この為、原料油は新油、或いは低FFA油(酸価1~最大5以下)に前処理されたフィルター処理済油の使用が前提となっています。
 
高FFA油対応する場合は、前処理(イオン樹脂によるエステル反応処理、FFA低下)装置が、別と必要で、彼らは、協力会社の製品と組み合わせとなる様です。
 
それでも、最近地産地消型BDF装置として注目され、営業的にも好調の様です。
元々は英国製(Green Fuels)ですが、米国でも製造を開始していますし、海外各国にも輸出されています。但し、日本には、当然輸入されていません
 
他にも、このサイズ、コンテナータイプは幾つかあります。例えば、此方はドイツ製です。
 
 
現在、我々もこのサイズ、かつ標準コンテナーに積載されたBDF装置に注目しています。
既に概要設計はほぼ完了しています。海外では、実稼動、或いは近々稼動予定もあります。
 
更に上記の例にはないプロセス上の特徴として、高FFA油(0~100%、酸価0~200)など総ての油脂に対応できる様に、かつ低価格で提供できると考えています。
この為、2種類の最新複合固体触媒を使い、プロセスも簡略化します(触媒の特性により簡略化しても、高転化率、高純度BDFが簡単に得られます)
新触媒の特徴は何度か概要を紹介済みですが、最大の特徴は、反応がほぼ常温の30℃、メタノール使用料減、石鹸分の副生なし、高純度グリセリン。。。酸もアルカリも不要。。。などです。
 
今回は、今後BDF装置の製造者も、使用者も注目をされるであろう地域密着型のBDF装置を紹介しました。
興味があれば、直接ご連絡ください。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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