バイオディーゼル(BDF)のLCA(エネルギー収支)分析の最新版です!!
今回は、バイオディーゼル(BDF)を製造する為、投入された全エネルギー(熱、電気など)に対して、何倍のBDFエネルギーが得られるかの数値の最新版です。
一般には、BDFのLCA(Life Cycle Assessment:生涯評価)として、米国の農務省(USDA)や大学(Idaho大)の協力の下、大豆系BDFで公表されています。
指標はFER(Fossil Energy Ratio:化石エネルギー比),或いはEB(Energy Balance)として公表されています。
。。と言う詳細な数値分析報告です。
以前ににも、下記のBlog記事で紹介しました。
当時のデータでの結論は、FCR=4.56(2009年版)でした。
詳細は下記を参照ください。
今回は、7月21日付の最新版です。
詳細なレポートは、U of Idaho の下記報告がベースになっています。
興味がああれば、こちらもご参照ください。
最新版のECR=5.54(2011年版) と言うことです。
この基礎データは2006年度の大豆の生産に使われたエネルギー、BDFの製造エネルギー、更には、輸送費など種々のエネルギー項目が網羅されています。
前に紹介したECR=4.56(2009年版)は、2002年度の生産コスト実績からの計算ですが、
これに比べて21.5%も4年間の間に向上しています。
主な向上因子(上記添付グラフを参照)は、
・大豆の品種改良(収穫高、油収率増)
・搾油効率の向上(使用エネルギー)
・BDF生産効率の向上と使用化学品の減少、効率化(メタノールなど)
等にあると分析報告されています。
因みに、最初のECR=3.20(1998年版)ですので、このデータに比べると最新版のECR=5.54との比較では、73%向上した計算になります。
今回のECR=5.54は、2006年版の実績ですので、現状の2010年、或いは2011年度版のデータが在れば、更にECR値は向上していることは確実です。
今後も、大豆の品種改良、農業機械の効率化、そしてBDF製造法や装置の効率化は進むと思われるからです。
このECRから使用エネルギー効率から考えても、BDFは、投入エネルギーに対して5.54倍のエコ(ECO)な燃料エネルギーが使えると言うことになります。
プラスのエネルギーで言えば、単位使用エネルギーに対して4.54倍のエネルギーが得られることになります。
BDFを生産すれば、4.54倍のエネルギーが沸いてくる感じですが、
ではこのエネルギーの源は何でしょうか??
当然、太陽エネルギーです。
BDFは、ほぼ無限に降り注ぐ、無料の太陽エネルギーを、自動車用のディーゼルエンジンの運動エネルギーに変換したり、発電機やボイラーの熱エネルギーとして変換し、有効利用している訳です。
それも、BDFを使うことにより、一旦エネルギーを貯蔵し、必用なタイミングで。。。。。
かつCO2も出さない再生可能エネルギーでとなります。
今回のECRは、米国の農務省が纏めたものですので、大豆ベースのBDFのECRでした。
他の例えば、ナタネ、パームなどのECRは公表されていませんが、余り大差ないのでは??
と思います。
理由は、ナタネも大規模農園で大型機械で、生産され、BDFも同様に製造できるからです。
日本でのナタネ栽培+BDF化のLCAだと、どんな数値になるのか想像もつきませんが、。。
ここで注目しているのは、投入エネルギーですので、多分少なくともプラス(+)の数値は得られるのではないでしょうか?勿論、得られる太陽エネルギーは米国も日本も同じですから。。。
当然、日本のナタネ栽培の目的は、必ずしもエネルギー効率だけでもないことは、確かですので。。。
何方か、LCA分析をするボランティアが居ればいいのですが、。。。
加えて、日本の非効率なBDF製造装置も考慮して、。。。
今回は、LCA分析の結果の指標であるECRの最新版の数値を紹介しました。
では、また。。。。。
Joe.H
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