木質バイオマス原料を使う商業BDF燃料プラントが建設されようとしています!!

いよいよBDF燃料も、通常の油・油脂原料からではなく、バイオマス原料を使って製造されようとしています。
それも、大型の商業プラントです。オソラク、世界初だと思います
 
今回は、その紹介記事です。
下記がその情報です。
ここでは、記事の概要やその背景を紹介します。
プレス記事そのものの詳細は、下記を参照ください。
 
フィンランドの会社(Forest BtLOy)が建設するプラントは、森林資源豊富なフィンランドの会社らしく、最初に木材バイオマス・チップをガス化し、そして出来た合成ガス(SynGas)を精製して、最終的には,FT法(改良型 Axens’ Gasel® Fischer-Tropsch Technology)により液化燃料化する方法です。
 
一般にBtL化(Biomass to Liquid)化と一般に言われているものです。
 
プラントは、BDF(バイオディーゼル)とガソリン(Naphtha)が年産13万トンも製造できます。稼動は2016年の予定です。
ここで採用されたプロセスは、Carbo-V Biomass Gasification Technologyと言われるプロセスを採用するようです。概略のプロセスフローは下記です。
 
このプロセスは元々、独Chorenと言う会社の技術でしたが、開発資金的にいきずまり、昨年、同様に独のエンジニアリング会社(Linde Engineering Dresden GmbH)に売却されたプロセスです。
従って、現在はLinde社がライセンス権を所有しています。
 
この元Chorenの技術は、既に油・油脂原料から米国で大型BDF・ガソリン・プラントが稼動中ですし(SunFuel)、カタールでは、天然ガスを原料とした(超)大型BDF・ガソリン・プラントが稼動中です。
液化技術はShell社のFT法により、BDF(合成軽油)、ガソリン(合成ガソリン)が高効率で製造できると言う特徴があります。副製品のガス、重質油が殆ど生成しないようです。
 
余談ですが、
類似のプロセス原料変換(ガス化、液化)、精製(不純物除去)、液化合成・異性化などの処理を行えば、BDF(合成軽油)、ガソリン等を製造する技術は存在します。
従って、原料は、前述の動物、植物油脂木質バイオマス原料の他、石炭、更に廃棄物(市などの一般家庭ゴミ、使用済タイヤ、プラスティク、廃鉱物油類)、農産物残渣(稲わら、コーン、小麦殻、)、海草・藻類。。。、等等、水素、炭素、他等を含んだ物質なら、どの様な物質も原料化可能だと言われています
 
実用化の課題は、原料確保と製造コストです。元々、軽油やガソリンは汎用エネルギー製品で、比較的低価格ですので、量的に、これらと同等,更に安価となると、実現性はそう簡単ではない様です。。
 
 
 
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このプロセス、最初にバイオマス原料を水分除去・乾燥させ、そしてガス化させます。
ガス化は通常の1段反応プロセスではなく、フロー図ではわかりにくいのですが、3段法ガス化プロセスであることが最大の特徴です。
第1段は低温ガス化(LTG)で、第2、3段が高温ガス化と言うことです。
この様にすることで、通常のバイオマスチップを更に細かく粉砕しなくても、そのままのサイズの原料で使え、かつバイオマスのガス化効率の向上も図られていると言われています。
 
バイオマスのガス化は、最近注目されていいますが、その多くはボイラー燃料+蒸気ボイラー+発電方式と言う例が殆どですが、これでは効率的なバイオマス利用法とは言えません。
 
同じガス化発電でも、既に紹介済ですが、ガスエンジンやガスタービンに廃熱利用のコンバインド・サイクル発電がより有効策です。更に、バイオマス液化(Fast Pyrolysis)もあります。
 
更には、バイオマス合成化学原料、合成燃料化も叫ばれていますが、本格的な商業プラントは、まだ皆無です。
 
但し、油脂原料を使う合成燃料(BDF,ガソリン)は、前述の米国の例(Dynamic Fuels )やフィンランドNeste Oilのプラント(シンガポール)などの大型プラントは既にあります。
 
いずれにしても、これらのプロセスで製造されたBDFは脂肪酸メチルエステル(FAME)ではなく、純水炭化水素燃料ですので、分子構造上からは、BDFであるかどうかの判別はできません。所謂第2世代のバイオ燃料です。
 
。。。という事で、いよいよ木材バイオマス原料を使う合成BDFが生産され様としていると言う話題の紹介でした。
 
何時までも、廃油=BDFだけでは、世界から取り残されそうです!!
 
では、また。。。
Joe.H
 
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