大型コンテナー方式メタン発酵装置の紹介

 今回は、最新大型並列メタン発酵ガス発電装置(Puxin)の紹介記事です。

 

 各種メタン・ガス化(発電)装置、世界中の装置メーカーと接触( Contact)をしていると、この分野で商業化された優れた廃棄物バイオ(メタン)ガス発酵装置製品が数多く見受けられます。

例えば、次のの5タイプのメタン発酵法(http://www.biofuels.co.jp/page8.html等が存在します。

 

①小型乾式コンテナー式、及び中型乾式メタン発酵法

②大型並列コンテナー式メタン発酵法

③多段法(2段法)湿式メタン発酵法

④ラグーン・湿式メタン発酵法

 

これらの内、本Blogでは、

大型並列コンテナー式メタン発酵(発電)方式

の装置に関するものです。

今回、新たに既に国内で取り扱い中の廃棄物メタン発酵(発電)装置の1タイプに追加されました。

 

技術的、機能的にに優れたもの、特にバイオガス(メタン)発酵技術の優れた製品、価格性能比の優れた製品等は、世の中には幾つもあります。

顧客にご紹介するに当たり、弊社のバイオ・ガス化(メタン発酵)装置の選択基準と評価ポイントは、常に技術的先進性、優秀性、機能性、効率性、そして価格バランス(機能性能価格比)です。

しかし、どんなに高性能の製品でも、採算性が得られないと思われる特に高価格製品は選びませんし興味もなく、顧客から特別にメーカー・機種指定が無い限り、弊社側から顧客にご紹介も、お薦めもしない様にしています。

顧客に紹介する基準、或いは国内販売代理店として最重視している製品は、これらの基準に全て合致するバイオガス(メタン発酵)装置製品グループです。

 

この様な観点から、紹介製品は、注目の新規

大型並列コンテナー式バイオ(メタン)ガス発酵(発電)方式

です。

 

メタン発酵発電の必要性に於ける最大の課題は、

①その廃棄物処理問題です。家畜(牛、豚、家禽類等)の糞尿処理問題、食品・野菜残渣処理、等は、地域の環境問題です。これらの解決策が第一の課題です。

原料価格の高騰問題等は存在しません。原料は無料ですし、更に処理費をかけても解決すべき重要課題です。

売電(FIT)価格も高価(39円/KWh)です。事業は長期20年間の安定ビジネスになります。この間、木質バイオマスの様な、原料費の高騰等、予想外の費用増は考えられません。

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メタン発酵のプロセスの流れ

④バイオガス発酵の売電ビジネスは付録、本質は環境問題の解決策の提供です!!

 環境問題の解決と売電ビジネスの成功、正に1石2鳥です。

 

1.大型並列コンテナー式メタン発酵装置の紹介

 このメタン発酵装置の特徴は、全て大型並列コンテナー方式のメタン発酵装置であり、H.P.の『メタン発酵発電装置』ページ( http://www.biofuels.co.jp/page8.html )の『大型並列コンテナー式メタン発酵』

( http://www.biofuels.co.jp/page80-2.html )で簡単に紹介されています。

 

1)メタン発酵のプロセスフロー

下記は、メタン発酵の概略フロー図です。コンテナー式も、タンク方式も、ほゞ同じです。

 先ず予備処理タンク(Pretreatment Tank)に溜められた処理すべき廃棄物(固体、液体)があります。必要であれば、事前に粉砕、石、金属等の無機物の除去処理等の前処理をします。

これ以降が、本装置の本体部です。

先ずフィードポンプ(Feeding Pump)で廃棄物を吸い取り、メタン発酵反応器(Digestor)本体へ連続的に移送します。

反応器が複数構成の場合は、それぞれへ移送します。反応器は指定の温度になる様に、熱交換器(Heat Exchanger)を介して温度管理が行われます(反応温度は35℃~55℃)。

 

発生メタンガスはバッグ・タンクBiogas Storage Bag)に貯蔵されます。

バッグ・タンクの目的は、発生ガスとガス使用側のバランスをとるバッファーの役割があります。

その後、バイオガスは、バイオ・ガス精製(Biogas Purification),バイオガス・ポンプ(Biogas Pump)を経て、バイオ(メタン)ガス発電、ガス燃料等、用途先へ移送されま

一方、メタン発酵反応器の液状残渣として液肥、及び少量の固形残渣としてスラッジが排出します。

 

2)本コンテナー式バイオ(メタン)ガス装置の特徴

本装置の主な特徴は下記です。

①ハイテク・デザイン、関連コンポーネントも全てコンテナー内に格納される完全な

 嫌気性バイオ(メタン)発酵システム化

②適切な寒冷地対応、装置加熱に加え、コンテナー仕様の為、季節の影響なし

③高性能:35℃から55℃と一定した反応(高)温度に安定保持(低温では、バイオガス反応速度が低下し、バイオガスへの転換率低下、処理能力低下、他)

④自動混合およびフルオートマチック操作

⑤レストラン、リゾート、学校、ホテル、スーパーマーケット、畜産農場、食肉処理場などの幅広い応用分野

⑥長寿命:20年+(ステンレス仕様、他)

 

3)メタン発酵装置の実例とその構成

次に示すのが、本コンテナー式並列メタン発酵装置の1例(⑥40GPx10)です。

①バイオガス(メタン発酵)原料の廃固液ピット(溜め池)ですが、タンク方式でも可能です。

②バイオガス(メタン発酵)反応器(1段目の合計10基、40FT)です。内部はステンレス製のタンク(次の写真、容量33KL)が格納されています。

 

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メタン発酵装置例(GP40x10,搾乳牛数400頭想定)

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コンテナー内部(ステンレス反応槽)

③バイオ(メタン)ガス貯蔵タンク・コンテナー(2段積の40FT,8基)です。内部は次の写真の様なプラ製(メンブレン)バッグが、収まっています。この貯蔵タンクは、ガス発生量と使用側のバランスで決まるものですが、この例では、8基、発生量の約14時間分を貯蔵可能です。尚、20FT/40FTコンテナー用ガス貯蔵容量は、それぞれ20m3/50m3です。

 

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プラ製メタンガス貯蔵タンク(コンテナー内)

④固形残渣のスラッジ貯蔵用のコンテナー(40FT)です。

⑤ポンプ、エンジン等、その他付属機器用コンテナーです。

この例では、20FTコンテナーです。

 

4)コンテナー式バイオ(メタン)ガス装置の構成例

次の表は、牛糞尿処理のバイオガス処理を例とした牧場規模別(概略の搾乳成牛数)の構成例です。

最小規模は、①20頭以下では、ガス化装置(20FTコンテナー)、及びの1基構成、②20~40頭の場合、ガス化装置(40FTコンテナー)1基及びガスタンク・バッグ(20FTコンテナー)1基構成、以下、順に頭数が増え、⑥この例の最大構成では、400頭規模、それぞれ10基、及び8基構成で、プロセス構成を説明した最初のイメージ写真例となっています。

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コンテナー式バイオガス発酵装置(乳牛頭数とコンテナ数構成)


例えば、⑥GP40x10の場合、1200KWh/d とありますが、これは発電効率35%が前提の数値です。通常、もっと発電量が増えます。高発電効率40%なら、発電量は1900KWh/dとなります。

上の表は、それぞれのケース毎の牛糞尿量(L/d),バイオ(メタン)ガス発生量(Nm3/d),ガス熱量(Kcal/Nm3@LHV)、発電量(KWh/d)、及び内部消費電力(KWh/d)の参考値を掲げてあります。尚、発電量は、エンジンの選択により、大幅に変わりますので、注意が必要です。

 

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メタンガス用エンジン発電機の例(100KWe)

上記はキャタピラー社のバイオガス発電機ですが、発電効率38%となっています。通常は中小型発電機の発電効率は35%~40%の範囲内です。

 

5)その他、コンテナー式の写真例

①次の写真は、最小型の20FT、1基の実例(①20GP)です。バイオ(メタン)ガス・タンクは、コンテナー内に格納ではなく、そのままの設置例です。

 

 

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メタン発酵(20FTコンテナー仕様装置:20GPx1)例

 

②この写真例は、40FTコンテナー1基構成(②40GP)で、前例と同じくバイオ(メタン)ガス・タンクは、そのまま『むきだし』設置です。コンテナー費が節約できますが、見栄えは劣ります。

 

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メタン発酵(40FTコンテナー仕様装置:40GPx1)例

 

③ この例は、全て40FTコンテナー式の③40GPx3の例です。基本は、⑥40GPx10構成の小型版で搾乳牛100頭程度の規模に対応しています。

 

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メタン発酵(40FTコンテナー仕様装置:40GPx3)例

 

6)その他、廃棄物処理量と発生バイオ(メタン)ガス量

下記は20FT、及び40FTコンテナー仕様1基当たりのスペック表です。

牛糞の他に、豚、鶏、及び野菜廃棄物の処理量とメタンガス発生量が示されています。牛糞尿の場合、前述の⑥40GPx10なら、2,400㎏/dx10=24,000Kg/dの処理量で、最大のバイオ(メタン)ガスの発生量は、80Nm3/dx10=800 Nm3/dとなります。

同様に、豚の糞尿なら1778Kg/dx10=17,780Kg/dを、野菜屑廃棄物なら26,000Kg/d程度の処理が可能で、推定発生バイオ(メタン)ガス量は、ともに最大800Nm3/d程度と推定されます。

以上は概算推定値ですので、より正確な数値は、別と検討が必要です。

 

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各コンテナーの性能指標(20FT/40FT)

 2.ガスエンジン発電機

 バイオ(メタン)ガス発電機は規模により、また価格により数多くの選択肢が存在します。下記はその1例です。100KWe程度の発電が可能です。

 

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バイオガス用エンジン発電機例(廉価版100KWe)

更に大規模発電用なら、次は1MWeの発電が可能な例ですが、比較的小規模のコンテナー式メタン発酵では、これ程大きなガス発電機、殆ど存在しないと思われます。同じバイオガス用でも、遥かに大規模のラグーン式、或いは多段法等向けとなります。

 

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大型バイオガス用エンジン発電機の例(1MWe)

 

何れにしても、バイオ(メタン)ガス発生量とその発電機稼働時間等により、また予算等により、各種選択可能です。

 

以上、大型並列バイオ(メタン)発酵(発電)装置の概要を紹介しました。

弊社で取り扱う類似の装置は、冒頭でも述べた様に、他に乾式(小型、中型)、多段法、及びラグーン式の4タイプ、合計5タイプを取り扱い中です。

顧客の様々なご要望に充分出来ると思います。

何か、具体的なご質問なり、ご相談、或いはコンサルティング、見積依頼等の際は、直接下記の『問い合わせ先』にご連絡下さい。

 

今回は、コンテナー方式大型バイオガス発酵装置の紹介記事でした。
何かお問い合わせがあれば、下記にメールでお願いします。
では、また。。。。
Joe.H
 
追伸)
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