高効率の理想的な発電方式の燃料電池設備の導入が、国内でも始まっています!!!!

今回は、燃料電池(Fuel Cell)による商用発電装置の紹介記事です。
 
固定買取制度(FIT)が昨年開始に伴い、日本中で発電設備が稼動中・建設中・計画中です。
但し、大多数は太陽電池による発電・売電方式なのはご存知のとうりです。
 
他にも、水力発電バイオマス燃焼発電、バイオマスガス化発電バイオオイル・ディーゼル発電バイオマス醗酵ガス発電等も適用されますが、実例は少ないようです。
 
本Blogsでも、上記の内、
バイオマス(木材チップ、ペレット)ガス化発電
ディーゼル発電(バイオ生オイル(ジャトーファ油)・BDF燃料)
については紹介済みです。
特徴は、バイオマス燃焼(ボイラー蒸気)発電に比べて高効率であることが特徴でした
 
では、更に高効率発電方式は無いのでしょうか???
上記各方式でも複数の方式を複合発電(Combined Cycle)し、更に効率を上げることは可能ですが、単一方式での話しに限定します。
 
答えはYESです。
燃料電池方式発電です
 
燃料電池は、一般に、水素(H2)と酸素(O2、空気)とを、白金等の触媒により、化学反応させ水(H2O)を生成させると同時に電力を発生させるものです。言わば、水の電気分解の逆反応です。
下記を参照下さい。
尚、SOFCは、Solid Oxide Fuel Cell(固体酸化物燃料電池)の略称です。
 
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化学反応により、同時に電力を発生させる為に、ディーゼルエンジン発電(30-40%前後)の様に、エンジンの燃焼・メカニカルエネルギー・発電エネルギー変換に伴うエネルギーロスが無い等から、より高効率です(45-60%前後)。
更に、エンジン騒音なし、振動なし、排気ガス発生・処理不要等です。
よって、理想の発電方式と言われている所以です
 
予断ですが、自動車業界でも、ディーゼル、ハイブリット、電気自動車等の次世代の方式として、燃料電池方式を世界の主要メーカーで開発中です。
トヨタも2015年にも市販予定とかとも言われています。
但し、普及には水素供給ステーション等のインフラ整備と価格低下だと言われています。
試作段階では、1台で1-2億円とも言われていましたが、商用販売時でも1000万円近く、或いはそれ以下の価格??と言われています。
 
従って、営利目的の産業用の燃料電池も最大の普及上の問題は、その設備価格だと言われています。
この為、理想的な発電方式と言われつつも、まだまだ殆ど普及はしていません。
特殊な実験・評価用設備、公共団体や宇宙での利用、企業イメージアップ・宣伝用等での利用が主なものでした。
我が国でも、ごく一部導入されている様ですが、何れも極めて高価、そして小型タイプです。
従って、まだ実用の域には達成出来てないのでは??
と思います。
それでも、海内では、一流企業を中心に最近商用システムの導入例も,かなり増えてきました。
 
コスト低下の努力は、国内はもとより、世界中でなされています。
方式も、固体酸化物燃料電池型(SOFC)、固体高分子(膜)型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、アルカリ電解質型(AFC)燃料電池、。。。といろいろの方式が存在します。
 
現状、最もコスト競争力があるのは、固体酸化物燃料電池SOFC)方式電量電池だと言われています。
 
高温での操作の為、高価な触媒が不要、高効率、大型化、廃熱の有効利用可。。。等に加え、H2に加え、天然ガス、メタンはもとより、ベンダーによっては、ガソリン、バイオ燃料等を含め使用燃料の多様性が最大の特徴です。既存燃料インフラで対応できることになります。
但し、高温の為、逆に材料の耐熱性の問題等もありますが、温度低下の製品も開発されつつあります。
 
この方式の固体酸化物型燃料電池設備が最近、国内でも導入稼動開始しました。
 
紹介記事は下記です。
ソフトバンク米国Bloom Energy社とがJV(Joint Venture)を組み、その1号機としてソフトバンクのビル(九州)用電力設備として導入したもので、売電を目的としたものではなく、自社ビル用購入電力の節減(75%)と宣伝を兼ねた目的だと思われます。イメージ 3
  
 
Bloom Energyは、米国の代表的、急成長の固体酸化物燃料電池メーカーですが、元々はNASAの宇宙技術の転用と言われています。社長(CEO)は、インド人。
eBay(世界最大のオークションサイト)の他,WalMartGoogle、Coca Cola,,ホンダ(米国)など20箇所以上で稼動中です。
 
 
 
勿論、売電用にも、設備は使えますが、但し、コスト的に経済的な採算上は無理?の様です。
 
燃料は水素ではなく、このケースでは都市ガスを使っての発電の様です。
 
できれば、エコ(ECO)ということで、バイオガス(メタン)やバイオマスガス化(水素)、バイオBDF等を使えばいいと思いますが、この例は化石燃料の都市ガス燃料です。また温度850度C程度と高温です。
 
CO2の排出量の比較表は下記を参照下さい。
同社の設備は、石炭発電やタービンに比べれもとより、他社の燃料電池に比べても、CO2の排出量は少なくなっています。
従って、天然ガス・都市ガスでもCO2発生減になるのですが、バイオガスならCO2ゼロ(Carbon Newtral)です。
 
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また、導入規模は、200KWと中小規模です。
 
国内の設備価格は不明ですが、米国では1KW当たり、8、000~12、000$と言われています。
少なくとも、1KW当たり100万円程度ということになりますので、上記の200KW導入設備だと、2億円前後+??と思われます。 
 
従って、最近は安価になりつつあると言っても、まだまだ売電設備としては、割高です。
採算的には純ビジネス上は、無理かもしれません。
 
因みに、減価償却期間を10年としても、償却費だけでも、1KW当たり12円程度がオンされますので、売電価格が24円/KWでは赤字となると思います
 
但し、最近米国の某ベンチャー企業(企業名:非公開)が、量産化により次世代の固体酸化物燃料電池1KW当たり800~1000$で販売すると言っています。つまり1W=100円です。
 
これだと、設備価格は、Bloom Energyの10分の1 !!!!
となりますので、償却費は、期間10年なら1KW当たり、1.2円程度まで減少しますので、十二分に採算にのると思われます。
 
コストが1桁低下する主因は、基盤(上記発電メカニズム図のElectrolyte)の材料物質の違いと整形法の違いにより発電密度差と発電温度低下に伴う材料価格差だと言われています。
 
発電密度は、Bloom Energyが1cm2当たり0.2Wに対して、こちらは10倍の2Wと言われています。
同様に、温度は850~1000度Cに対し、350~650度Cまで低下できるとのメーカー公表です。
従って、コンパクト化可能であり、安価な金属材料が使えることになります。
 
因みに、バイオマスガス化発電でも、1KW当たり1000~5000$程度しますので、ガス化発電の最低価格帯か、それ以下となります。
この価格で、この性能が実現し、発売すれば、革命的です
発売は2014年中と思われます。
 
下記は、同社の固体酸化物基盤(10cmx10cm、1セル当たり200Wの発電)とその発電設備ユニットの容積(1mx1mx1m)、重量(450Kg)です。どこか、昔流行ったキュ-ビックゲーム器の様なデザインです。事実、The Cubeと彼らは呼んでいる。
産業用発電機のイメージではなく、民生品の家電製品みたいな感じです!?!?
 
このコンパクトな本体(Cube)内に、Fuel Cellの他、水素ガスガス改質機(Reformer),コンプレッサー等、総てのものが内蔵されています。
 
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上記ユニットの発電能力は、1セット当たり25KWですが、最終的には80KWまで能力アップも可能と言うことです。これ以上の規模では、分散型ユニットを並列設置・接続すれば、希望の能力の発電設備が構築できます。
前述の様に、1KW=1000$=10万円なら、1セット250万円と言う驚異的低価格です
 
下記は、Cubeの概要説明です。
 
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例えば、40台並べれば、1MWの設備となります。
 
燃料は、水素の他、天然ガス、メタン、ガソリン、バイオ燃料ディーゼルも可能となる見込みです。 
因みに、この様な燃料の多様化は、セル温度が高温のSOFC型燃料電池方式(及び溶融炭酸塩型(MCFC))のみ可能です
これが実現すれば、正に燃料電池方式が売電設備の本命になると思われます。
他方式の燃料電池は、一般に水素燃料のみしか使えません
バイオマスやメタンガス等は、事前にガス化装置等により水素ガス(H2)を、別途製造する必要があります。
 
他に、夜間でも、ディーゼルの様に騒音、振動が発生しませんので、住宅密集地等、いろいろな場所、使い方ができると思います。
 
ガソリン(或いはBDF)が使えれば、コンパクトな燃料電池を車に載せれば、既存のインフラ(GS)が使えるばかりか、遥かに効率化された電気発電自動車が誕生します。
少なくとも、ハイブリッド、電気自動車の2倍程度の燃費が予想され、ガソリンはどこでも給油できますので、走行距離制限の問題はなくなります。
 
尚、燃料電池専業メーカーで既に実績のあるメーカーもいくつか存在します。
 
例えば、
1)Ballard Power社(Canada)もその一つです。
こちらは固体高分子(膜)燃料電池(PEFC・Membrane膜)技術を使っています。
下記写真は、同社の1MWコンテナータイプです。
自動車用電池向けも。。ということか、VW(独)とも提携しています。
トヨタも同じPEFCタイプの様です。 
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2)Ceramic Fuel Cells 社(豪) 
社名の様に、こちらはセラミック膜を用いたSOFC方式の製品(BlueGen)を発売しています。
日本の東京ガス大阪ガスなども、同社と技術提携しています。
 
。。。という事で、いよいよ燃料電池方式の発電装置を使った売電ビジネスも夢ではなく、現実化しようとしています。 
 
できれば、それもECOの観点から、大型商用設備は、バイオマスガス化(水素製造)+燃料電池方式による発電設備が理想だと思います。或いは、
何れBDF燃料、植物油ベースの燃料電池事業も可能となると思われます。
 
近い将来、コスト的にも、採算性からも、(超)高効率の燃料電池なら充分可能だと思います。
 
今回は、最新燃料電池発電設備の国内導入事例と次世代の燃料電池の紹介でした。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
追伸)
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 下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
 非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、
 可能な限り対応させて頂きますので。。。。
 以上
 
添付(ウイキペディアより)

固体酸化物形燃料電池 (SOFC)

固体酸化物形燃料電池SOFC, Solid Oxide Fuel Cell)は、固体電解質燃料電池とも呼ばれ、動作温度は700-1,000℃を必要とするので高耐熱性の材料が必要となる。また、起動・停止時間も長い。電解質として酸化物イオンの透過性が高い安定化ジルコニアランタンガリウムペロブスカイト酸化物などのイオン伝導性セラミックスを用いており、空気極で生成した酸化物イオン(O2-)が電解質を透過し、燃料極で水素あるいは一酸化炭素と反応することにより電気エネルギーを発生させている。そのため、水素だけではなく天然ガス石炭ガスなども、脱硫処理は必要であるが、簡単な水蒸気改質処理(一酸化炭素の除去が不要で、燃料中に若干の未改質ガスを含む改質)により燃料として用いることが可能である。活性化電圧降下が少ないので発電効率は高く、すでに56.1%LHVを達成している例もある。家庭用・業務用の1kW-10kW級としても開発されている[3]。 原理的には発電部分における改質(ニッケルを含む燃料極における直接内部改質)が可能であるが、吸熱反応による発電部分の極端な温度変化を防ぐために、プレリフォーマー(発電反応による熱や反応後の燃料を燃焼した熱を利用した間接内部改質)を採用するのが一般的である。燃料極としては、ニッケルと電解質セラミックスによるサーメット、空気極としては導電性セラミックスを用いる。大型SOFCは、燃焼排ガスをガスタービン発電や蒸気発電に利用すれば、極めて高い総合発電効率を得ることが出来ると予測されるため、火力発電所の代替などの用途が期待されている。[4][5]
日本ガイシ株式会社は2009年6月11日に独自構造のSOFCを開発し、世界最高レベルの63%の発電効率(LHV)と90%の高い燃料利用率を達成したと発表した。[6]
2011年10月、JX日鉱日石エネルギーが市販機としては世界で初めてSOFCエネファームを発売[7]
以上