バイオマス燃料化方式と発電について!!

今回は、最近業務で関係しているバイオマスを使った発電事業に関する纏め記事の紹介です
 
バイオマスと言ってもいろいろですが、主に木材チップを使ったガス化、或いは液化法を紹介します。
 
従来日本で行われて来た殆ど100%は、バイオマス・ボイラー燃焼+蒸気タービン発電方式でした。これらとの効率面での比較も行なっています。
 
元々、バイオマス発電を検討しだしたのは、BDFを中心とした植物原料を使う限り原料ネック(量、価格)で、現在関東地区で2ヶ所で手がけていますが、更なる発電事業の発展は望めないからです。
 
バイオマス発電による電力固定価格買取制度が本年7月から開始しているのに、残念なことです。
 
この制度では、電力買取料金(ガス化、メタン39円/KW、未利用認定材32円/KW,一般未認定材24円/KW、廃材等17円/KW、他13円/KW)が高いのですが、それでも、通常BDFでは採算にのりません。
 
電力事業で採算にnoるのは、未利用原料油のBDF,或いは間伐材による燃料化でも、65円/L程度以下となります。
廃油BDFでは、例え、65円/Lで製造できても、この場合、買取電力料金が13円/KWに低下しますので、とても実現は無理です。
 
勿論、これ等のバイオマス液化、ガス化技術は、何れバイオマス(燃料)化学へと発展し、現状は高価ですが、バイオマスBDF、ガソリン、メタノールなどへ,或いは燃料電池への発展も可能となります。
 
これ等の転換技術はFT法(Fischer-Tropsch)が有名ですが、高温・高温反応器などが必要になり、大型プラントでないと採算的に無理だと言われています。
但し、最近、海外のベンチャー企業によるMicro-Reactor方式の利用で、中小型装置でも安価にできつつあります。
 
最近の報告では、1バーレル(159L弱)で、原油が100$を越しているのに、バイオマス液化燃料が50$以下でできると言う報告もチラホラ出てきています
 
バイオマス液化、或いはガス化技術のよい点は、大型化が可能、加えて廃棄物が少ないことも特徴です。
 
酵素、微生物による発行法等もいろいろ報告されていますが、未分解物が多くでる様です。
 
また、中小型のバイオマス・ガス化発電装置については、下記で既に紹介済です。
特に、10KW、20KW程度の小型なら個人でも手の届く価格です。
 
以下、某クライアント向け報告資料です。
添付しますので、参照ください
 
 
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下段に添付の様に、ガス化の手法はいりろありますが、大規模化、高エネルギー合成ガス(N2を含まない)を得る有力な方法は、石油精製で使うFCC(流動触媒分解)装置の類似技術が有力です。
 
バイオマス・ガス化法では、触媒は使わず熱移動伝達手段、として砂、CaO等を使います。
バイオマス・液化法でも、FCCの様な装置が有力です。
この場合は、固体触媒を使う場合と、等を熱移動伝達手段として使う方法があります。
ガス化は比較的高温反応、液化は低温反応の違いはありますが、外見は殆ど同
 
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 下段は、砂を使う流動層装置(左側)の例です。
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 下段にある様に、バイオマスの液化、ガス化装置は設備費が高額になることが、問題です。装置価格は、BDF装置の5倍以上もします。
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下記でBDF原料が5MWが限界と言うのは、この計画予定地のある地域(西日本)限定のことを言っています。
 
 
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。。。と言うことで、バイオマス・エネルギーから最大のエネルギーを引き出し、最大電力を得る為には、バイオマス液化+ディーゼル発電(+コンバインドサイクル、或いは、
液化燃料の他、10~15%程度副生するガスを利用した液化・ガスエンジン複合)が良さそうです。
 
但し、ディーゼルエンジン・メーカーとの燃料適合性なども、事前に考慮する必要があります。特に、液化オイルの酸価が高く(脂肪酸、そのままでは、エンジンの腐食等も発生します。
例えば、BDFとのブレンド使用する方法、或いは酵素触媒+メタノールエステル化も一つの方法かもしれません。
 
 
基本は、あくまでBDF(?)ですが、それを補完する燃料がバイオマス液化燃料の様です。
 
バイオマス材料は、国内でも比較的豊富ですので、チップ材料さえあれば、100%木材チップ発電も可能だと思います
 
将来的には、ガス化+燃料電池もあり、理論的には最大電力が得られる筈ですが、現状は採算的に無理です。
 
或いは、このバイオ液化燃料を水素+触媒反応で、バイオ燃料(ガソリン、灯油,軽油)を合成し、既存の石油プラントで精製するバイオマスりフィナリー(BioMass Rfinery)構想も何れ実現しそうです。バイオマス由来の燃料ですが、石油燃料と分子構造は同じです。
 
では、また。。。
Joe.H
 
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