Biodiesel(バイオディーゼル;BDF)と軽油のマイレージ比較

BiodieselバイオディーゼルBDF)と軽油の燃費(マイレージ)比較をされたことがありますか?
 
時々やれBDFの方が、マイレージが良いとか、或いは軽油の方がと言う意見が錯綜しています。
個人的には、正確な実データはないのですが、ほぼ同じで大きな差は無いように思います。
 
軽油派の意見は、発熱量比較から、軽油の方が燃費が良い(はず!)と言う意見が多い様です。確かに、発熱量ベース例では、軽油に比べ6~8%、BDFの方が少ない(従って、マイレージは悪い)と言えます。但し、実エンジンでは、純粋の発熱量ベースでの比較は、意味が無くはありませんが、次の様な他のファクター類も考慮すべきでしょう。
 
・お互いの使っているエンジン形式や大きさなど状況が、余りにも異なる。同一条件比較は難しい。
・特に、DPF車では、BDF燃料の一部が気化しにくい為、動力エネルギー的に有効に燃えずエンジンオイルに混ざったり、排気ガスの触媒再生に使われるので、燃費は悪化する(これは、軽油も同じ)。
・エアコンの使用時や乗車人数などによっても、マイレージは変わる。
軽油もBDFも混合物であり、単一成分ではないので、比較のベースが異なる。
最低品質規格値は有るものの、メーカーの違い、製造時期により精製会社の軽油ブレンディング・ストックの需給バランス等により品質は異なる上、相互に交換(スワップ)しているので、同一メーカー製軽油でも、結局どこのものか解らない状態です(ガソリンも同じ)。
軽油の品質規格、特にセタン価(自己着火性)は軽油の種類やセタン価規格の下限値が異なる(夏の50に対し、冬季は45以上)。
 従って、、夏場の方が、マイレージが良い。製油所も意識的に性状管理をしている。
・BDFも同様で、セタン価は油脂の飽和化合物の割合で変わる(飽和成分の方が、高くマイレージは伸びる)。
・BDFは、軽油に比べて酸素を含む為、着火性も良く(高セタン価)、より完全燃焼しやすい(ASTM規格は47以上、EN規格は51以上)。エンジン音もより静かで、エンジン内での効率も良い。
・夏場は固化しないということで、飽和化合物の割合を増やせば、更にBDF燃費は向上する(よりセタン価が高い)。
・冬場の固化を防ぐ為、固化してない上澄部分のBDFを使えば、逆に燃費は悪化する(セタン価が減少する)。
軽油もBDFも、セタン価向上剤の添加の有無で、セタン価は変わる(5前後の差で、10%程度燃費が変わるという例も)。
 従って、マイレージも変わる。瑛油は冬場はセタン価維持の為、セタン価向上剤(2EHNなど)を入れています。
軽油でも、夏場に比べ、冬場は10%程度マイレージが悪化する(固化防止の為、軽油組成を変えていて、セタン価も減少)。
 
この様な状況で、軽油マイレージ測定の状況とBDFのマイレージ測定の状況との差で、BDFの方が優れている場合も、逆の場合もあり得ると言うのが結論であろうと思われる。
 
従って、BDFの方が良かったといって喜ぶのも、悪かったと言って残念がることも無い。燃費が悪かったと言っても、BDF製造上の運転操作・改善では、(未反応グリセリドを無くす以外は)殆ど改善の余地は無い。
 
米国での、Biodieselフォーラム仲間のアンケート調査によると、人によりプラス10%から、マイナス10%程度までデータのバラツキがある。どちらかと言えば、軽油の方がやや良いと言う意見です。
BDFの方が18%良かったという例もあるが、これは何かの間違いでは?と思う。
 
結局、BDFと軽油マイレージ論争の比較では、両者の有意差はないと言う結論ではないでしょうか ?
マイレージ論争より再生可能エネルギーか、否かなどの比較の方が、より建設的と言えよう。
 
では、また。。.
Joe.H
 
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