エコなキャンドル(ローソク)を作って見よう!!

今回は、久しぶりのキャンドル作りの紹介記事です。
 
キャンドル作りは、過去にも紹介記事があります。
例えば、2年前の下記記事です
 
 
ここでは、キャンドル(ローソクの他、ランプも紹介されています。
 
キャンドルも、ランプも同じ燃料も燃やして、灯りを得ることには変わりが無いのですが、一般的には、常温で液体の状態がランプで、固体がキャンドルと呼んでいる様です。
最も、液体の油を水などに浮かしたものをフローティング・キャンドルと言っていますので、区別は明確ではありません。
 
実は、来週はじめ(注、大雨豪雨被害で、8月に延期@7月13日)、九州のある地域で、キャンドル作りの講師を依頼されていますので、再度、久しぶりにキャンドルの試作・確認を行いましたので、この紹介です。
忘れている部分を思い出す程度のものです。
 
キャンドル作りは、まず目的、及び用途を満たすキャンドル材料の選択とそのレシピー(配合割合)が第一になります。
 
最も、簡単な例は、
・ベースのキャンドル材料を購入、これを溶解して、型に流して作る。
この場合、何が材料か不明です。加えて、最も安価な石油系パラフィン100%の筈です。エコ的でもありません。
・廃油を材料に使う。最も多い例だと思います。
廃油を使えば、CO2の排出もなく(相殺される)ので、確かにエコ的かもしれませんが、材料不明の固める何とかと言う固化材料を、多くの場合、使います。
通常は柔らかいキャンドル(ローソク)で、コップなどの中にある程度固めた状態で使います。取り出して、通常のローソクとしては使えないと思います(上記の過去のBlogに写真があります)。
 
そこで、今回は最大限、CO2を排出しないエコ・キャンドル作りです。
過去の上記紹介の記事も、同様の主旨のエコキャンドル、エコランプ記事ですので、大差ありません。興味があれば、そちらも参照ください。
各人の目的にあったキャンドルを作ることが重要です。
 
先ず、キャンドル材料ですが、
1)燃える油、油脂として、BDF,或は希望があれば廃油を使います。
廃油より、BDFを使った方が炎の色が澄んでいます。加えてよく燃焼します。
ランプなら、これらを燃すだけで完了です。
最終的にキャンドル用材料のBDFは、燃料に適した不飽和脂肪酸(菜種、大豆油に多く含まれる)より、出来れば飽和脂肪酸(ラード、牛脂、パーム核油など)が適しています。理由は、より簡単に固まるからです。
グリセリン、或はBDFを使った固形石鹸作りでも同様です。
BDF燃料とキャンドルの脂肪酸組成は、逆の関係となります。
 
2)キャンドル(ローソク)では、BDFが液体ですので、固めるものをブレンドする必要があります。これ等の材料として、飽和脂肪酸飽和脂肪酸油脂、木質系ワックス(蝋)、及び石油系ワックス(パラフィン)などです。天然の木質系やミツバチワックスもありますが、高価です。予算があれば、こちらをトライするのも良いかもしれません。
現在は殆ど市場にありませんが、和式蝋燭は木質系ワックス(蝋)を使います。漆系の木の種子の油を使います。
 
3)これらを基本に、希望の硬さのローソクとなる様に、材料レシピーを考えれば、良いわけです。それも、材料費とCO2の排出を出来るだけ抑えて…。
材料によっては、冷えると膨張するもの(型から外しにくい)、縮小するもの、型の内壁に付着しやすいもの、そうでないもの、或は、ヒビが入り易いもの、出来にくいもの、好みですが見た目が良いもの、悪いもの、そして材料価格等とのバランスです。
 
以下は、その試作品の写真紹介です。
 
レシピーが決まれば、その材料を溶解させます。
下記は、BDFに加えて、飽和脂肪酸、そして少量のパラフィン・ワックスが加え、鍋で溶解している処です。
パラフィンは、ヒビをおさえる為に、仕方がなく少々加えています。
温度は、80℃程度まで熱し、材料が完全に溶けていることを確認します(写真の状態はまだ不完全で、もう少し温度を上げて完全に溶かします)。
尚、固まれば、溶液の色より、かなり白くなります(2番目の写真の白いキャンドルの溶解状態です)。
 
今回は、ブレンド比率の再確認が主目的ですので、今回は加えませんが、適宜に香料(アロマキャンドル、或は色素(後段でこちらは紹介します)も加えることも可能です。
 
イメージ 2
 
次に、溶けたキャンドル溶液は、型(モールド)に流し込みます。
主にレシピーの確認ですので、紙コップを使いましたが、専門のいろいろの形をしたモールドが販売されています。
出来れば、後で型から取り出しやすくシリコン系のゴム材料が好ましいです(固体石鹸も同じ)。
固体石鹸はそのまま固めるだけですが、キャンドルでは芯糸を入れて固めます。芯材料は綿糸が一般です。タコ糸でもOKです。
尚、燃える理屈は、炎の熱で蝋が溶け液体となり、それが毛細管現象で、芯を伝って上昇し、最終的に液体(油)がガス化して、燃えることになります。
芯が細ければ、炎は小さく、より長時間使えます。余り太いと、外気の酸素供給が不足して不完全燃焼が起きて、黒煙(スス)がでますので、多少経験も必要です。
BDFや天然の油脂類は、自己で酸素を所持してますので、ススは出にくくなっています。最初は細めの芯が安全です。
 
イメージ 1
下記は、出来たキャンドルの試作品です。
手前の白い2ヶのキャンドルは、新油に近い油脂を使って酵素法触媒で私が作ったBDFを主原料としたキャンドルです。
 
上段の右側2ヶは廃油に、飽和脂肪酸を加えたものです。
廃油の臭いや色が濁っています。加えて、廃油の粘性で型から離れにくい傾向があります。
 
左側の1ヶは、廃油ベースのBDFで、通常のアルカリ法で製造したもので、私が製造したBDFではありません。
BDF燃料の品質は余り良くないのですが、手元にあったので使って見ました。
 
この様に、写真では、色の違いぐらいで、大差ありませんが、炎を見れば差は、即解ります!!??
 
イメージ 3
 
次は、色素を使って、型のコップの代わりに1.5LのPETボトル(PePsi)へ流し込んだ状態です(コップを使ってしまったからです)。
色素もいろいろな色がありますが、キャンドル用を用いた方が簡単です。
他のものを用いると、元の色と異なる色になったり、キャンドル溶液に分散しない(均一になじまない)場合もあります。
しばしば廃油キャンドルでは、クレヨンを色素に使う例もある様ですが、使ったことが無いので、不明です。
要は、耐熱性で、新油性の色素が適しています。不明なら、試せば良いと思います。結果は直ぐ解ります。
 
イメージ 4
 
その結果が下記です。
失敗作です。ペットボトルの凹凸で、取り出せません。
注意すれば、このままで使用できますが、最後に容器が燃えてしまいますので、お薦めできません。一度くだいて、再度溶かして、別の型(モールド)で固めれば、再利用できます。
キャンドルは、何度でも溶解、型、固化、型外しを繰り返すことができますので、。。。ここでは、色見本です。
一般にキャンドル用の色素は少なめで使った方が無難です。少しの色素でも、強く発色しますので…
 
イメージ 5
 
以上が、今回は、単なるキャンドル作り(試作品レシピー・テスト)の紹介記事でした。次回は、講習会風景や作品も紹介できると思います。
 
キャンドル、及び固体(液体)石鹸とBDF作りは、Golden-TriAngle(黄金の三角関係)であり、これらを、材料面、理論面、製造技術面を相互にお互いの関係を理解することは、BDF作りでも極めて重要です
 
では、また。。。
Joe.H
 
追伸)
   上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、
 下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
 非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、
 可能な限り対応させて頂きますので。。。。
  尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
 以上