続)実用化も近いBiodiesel(BDF)固体触媒の最新情報です!!

以下の記事は、文字数の制限から分割された下記Blogの続編です。
前編未読の場合は、先にご覧下さい。
 
実用化も近い、最新のBDF固体触媒の情報が網羅(?)されています。
有力な方法は殆ど含まれていると思います。。。
新触媒の開発は無理としても、普及活動では、当方もその一翼を狙います!
 
尚、当掲載の固体触媒法プラントがあちこちで実稼動開始し、今年はまさにBDFの固体触媒利用元年となることは、ほぼ確実です
 
残念ながら、国産技術はありません!
 
(続編)
 
・最近日本の商社(伊藤忠)が資本参加し、技術導入をしたBenefuelの固体触媒法(鉄・亜鉛酸化物)です(NCL:インドのNational Chemical Labo.の特許製品)。
エステル反応とエステル交換反応を同時に行う様ですが、どの程度高FFA対応かは不明(特許では、エステル交換反応のみ)。反応温度は190~240℃で圧力は温度に対応して高圧運転の様子、触媒はペレット(連続プロセス)、或いは粉体(バッチ)で、比較的長期間使用の実績ある様子です。グリセリン分離にCoalescerを使っています(別会社特許)。特許上(USP7754643)では、メタノール量(1:6モル比)も多いし、高温170度,4時間反応で92%転化率程度です。
商社が資本参加までするからには、何か特徴があるはず??。。。。。
でも現実は特に無いと思います。
多分他を探せば、もっと優れた新触媒があるはず!と思います!少なくとも、ここで紹介の中でも。。。。
伊藤忠プレスリーリス(本年3月)によれば、四国のBDFメーカーにパイロットプラントを作り、アジア地域で販売を計画の様です。
余談ですが、大型BDF設備のグリセリン分離や水分分離用途では、Coalescer技術が、通常の遠心分離機等に比べコストパーフォーマンス+省エネ(ECO)+保守費などで優れている様です。BDFに特化した製品もあります(Pall社)。
 
 ・次はアムステル大(オランダ)の研究からのスピンオフ会社Yellow Diesel社の高FFA油を、固体酸・固体アルカリ触媒の2段法で、FFA90%程度まで処理可能と言うことでです。まだ、MicroーPlantレベルです。通常の均一触媒(硫酸、苛性ソーダなど)と同様に、2段反応を行う様ですが、固体触媒なので分離不要、石鹸分の生成が無い様です。
 
 ・Process Intensification(FI:超小型反応器による高速反応)と固体触媒法に注目した次世代(Next Geeneration Biodiesel)製造法と言っているSBI BioEnergy Inc.(カナダ)の方法もあります。
内容は良くわかりませんが、FI技術と固体触媒(SBI-2710)と言う触媒を組み合わせた非公開(Proprietary)プロセスです。プロセスも簡単で(下記)で、従って建設費も、運転費も安価な様です。
FFAの濃度に関わらずあらゆる油脂に対応できると言っていますが、温度や圧力など具体的な操作条件は不明です。
等です。
 
他にも イオン交換樹脂メーカー等のイオン樹脂等に酵素を付着(反応)させたタイプの固体触媒例(酵素)もあります。実は、ここが注目のダークホースかも???http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b2/Lipase_PLRP2.png/200px-Lipase_PLRP2.png
 
固体触媒のセールストークは、いずれも
 
・精製工程(Dry/Water Wash)が不要か、或いは簡単になる。
・プロセスが簡単で、設備投資コスト減
・石鹸分などの副生がなく、グリセリンが高品質(グリセリンの製品化)
・水分や遊離脂肪酸(FFA)に強い(影響されない)
・製造コスト減(アルカリ触媒の様な消耗品がない)
 
など良い所ばかりと言う宣伝です。
 
ただし、問題は、
 
触媒の再利用性がどこまで期待できるか?
数回~100回ぐらいまであり。何も具体的には述べてない所が殆ど。当初の触媒価格も高価かも!
・ライセンス料+触媒の購入代金に加えて、製造BDF量に比例したランニング・ロィヤリティ費を請求するケースもあり。全体として、コスト低減化が実現できるか?
・殆どは、実プラントでの実績はない(パイロットのみ)。
・特定の触媒提供先は、ヴェンチャー会社で、将来は見えない。いずれ消える会社もでてくる?
・いずれも商売優先で、かつ触媒は独占販売の為、こちらの足元を見た価格決めもあり?
・どこも現状は強気の姿勢、生産規模も日産10、000Lは最低ライン。返事も帰って来ない。多くは5万~10万L以上で初めて対応可能。
・技術・製品は良くても、タイミングやビジネスプランがニーズに合わないと失敗するBioFuelBoxの例でもあります。
全てが成功するとは限らないのが、新しい仕事・ビジネス分野の常です。
BDF触媒やプロセス装置も同様です。斬新なアイデアで、かつ従来見捨てられていた高FFA油を燃料に変えるると同時に、小型の1mmgpyクラス(440L/時)、それもコンテナー仕立てのプラントを廃油の集まる近くで生産し、そこで消費する地産地消型のECOなBDF装置を展開しようとしたBioFuelBox社ですが、昨年はタマタマ時期も悪かったのか、ベンチャー資金の追加が途切れ姿を消した例です。
プラントを含めて自己展開を目指した為に、資金需要が膨大だったことも原因かも知れません。
高FFA油対応技術の詳細は不明ですが、技術も確立し、アイデア的には有望だと一時は思ったこともあります。
多分、これだけ高FFA油対応が注目されている今なら潰れなかったと思います。スタート・アップの会社が成長する為には、そのタイミングと他人より1~2歩先なら良いのですが、数歩先を歩こうとすると危険だと言う例だと思います。
 
等だと思います。
 
実は、極く最近、海外の(最)有力(と思っている)某固体触媒会社と情報開示(守秘義務)協定を締結しました。
大型のプラントでは、装置設備が50%程度まで簡略化・低減化も出来そうです。
加えて、原料油の水分除去不要、常温反応、FFA100%対応可能、触媒コストは既存プロセスと同等、メタノール使用量減、高品質グリセリン、精製工程の簡略化(或いは、不要)。。。などの特徴プロセスです。勿論、固体触媒の特徴を全て持ち合わせています。
一般向けは非公開です。大型連続プロセス、或いは中大型バッチ・プロセスの新設や触媒転換を検討中の方、直接ご連絡ください(Blog読者では、そんな人はいないか?)。
小型でも、触媒は使用可能ですが、。。。小型では、効果も少ないので、非現実的です。
 
では、また。。。。。
Joe.H
 
追伸)
 上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何か具体的な相談のある方は、
 下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
 可能な限り対応させて頂きますので。。。。
 尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
以上