通常のバイオディーゼル(BDF)装置をStatic-Mixer付高性能化する方法です!!

Static-Mixerを使えば、比較的低価格で、高性能なバイオディーゼル(BDF)装置ができることは、以前何度か紹介しました。
 
例えば、連続式(Continuous―Type)での例は下記などです。
バッチの例もあります。
下記はバッチ・2槽式(New 2-Tanks System)の新バッチ反応器例でした。
 
今回の紹介例は、上記の連続式、或いは上記2槽式に比べれば、多少性能的には劣るのですが、通常の攪拌方式に比べれば( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/10667713.html )、(遥かに?)優れた高速反応(短時間)と高転化率BDFが製造できます。2段反応なら、恐らく各段の反応時間は10~20分程度(以下)だと思われます
 
今回は、既存BDF装置を既に保有されている方、或いはBDF装置は高価で購入できないが、反応槽(金属容器)なら有るとか、或いは作れる。。。など準備できる方などを対象に、安価にStatic-Mixer付BDF装置の例を紹介します。
 
下記は、最近某BDF製造関係の方に設計・見積を依頼されたStatic-Mixerの例です。
イメージ 1 
略図で、リアクター(既存、加熱器付BDF反応器、200L)、及びメトキシ(メタノール、アルカリ触媒の混合容器)は、既にある前提です。
 
この例では、装置の底部から、加熱済の油(例えば、60℃前後)をポンプで引きます。ポンプはギアーポンプ、或いは、擬似自己吸水機能付遠心ポンプを使いStatic-Mixerへと導きます。
 
Statci-Mixerに入る前に、メトキシド溶液ダイアフラム式ポンプ(空気式、或いはモーター付)で圧入します(エアーコンプレッサーは空気式だと必要です)。
 
200Lの場合は、高性能のStatic-Mixer4本を並列に結合する予定です。
尚、Static-Mixerのサイジング(太さ、攪拌堰数)と本数の選択には、ノーハウがあり、一般向けは未公開です。
 
Static-Mixer出口には圧力計、及び圧力調整用のバルブ付とします。
Static-Mixerの滞留時間は秒単位、或いはそれ以下です。圧力損失も考慮する方が良いと思います。反応はStatic-Mixerで殆ど行われます。
 
続いて、より反応を高めるために、Sub-Reactor(予備反応器)チャンバーに混合油は入ります。容器内には、油とメトキドがより攪拌・反応が進む様に実化学装置で良く使う充填材が詰めます。
ここを通過すれば、反応器の上部に反応液が入ります。
 
以上で、1サイクルは終了ですが、以上を連続的に、反応が終了するまで、継続しますす。この1槽式の場合は、2槽式や連続式の様に、完璧なMicro-mixing効果が実現できませんので、単一サイクル=反応完了はできません。代わりに、反応完結まで複数サイクル必用です。
 
尚、メトキシドの圧入側にはバルブと逆流防止弁(チェックバルブ)が付いていて、メトキシドの必要量の投入が完了すれば、バルブを閉めます。
 
2段反応であれば、一旦グリセリンを沈降除去し、再度同様の操作を繰り返せば、完璧です。どの様式であれ、化学平衡の関係で、1段反応だけでは反応は完結しません。これは、何度も説明しているところです。
 
尚、図には示してありませんが、最初の油(廃油)投入も、この油用ポンプを使えば、高速に(2~3分)で反応器に入れられます。
また、反応器を使って、メタノール回収(冷却器がある場合、或いは付ける前提)や加熱・乾燥処理を行う場合も、油ポンプー+Static-Mixer+Sub-Teactorラインは使用できます
但し、精製法がDry-Processなら、問題ないのですが、水洗法での水洗時は、少し工夫が必要だと思います。
 
 
尚、BDF装置がまだなく、図の様な金属容器(鉄、ステンレス、但し、ポリエチレン製プラ容器でも使えますが、お勧めしません)だけを所有されている方(或いは、容器は別途入手可能な方)は、オイルポンプとStaticーMixerの前部に、インライン型加熱ヒーターを付ければ、最低限のBDF装置は出来ます。リアクターに付属している攪拌器は不要です(有っても、構いません)。
 
また、略図のStatic-Mixer及びSub-Reactorは垂直設置となっていますが、全長140~150cm程度となり、支持台が別と必要です。
或いは、全体の水平設置も可能ですが、Static-Mixer(垂直)+Sub-Reactor(水平設置、反応器の上部設置など)も、状況に合わせて変更可能の様になっています(部品付)。
 
尚、これらは部品付の組み立てキットと言うことで、組み立てはご自分で行う様にお願いしています。配管ネジ組み立てだけで、溶接など特殊な技能は必要有りません。
 
。。。と言うことで、200Lバッチ装置(或いは、同容量のタンク)を高性能なStatic-Mixer付き反応器へと変身させる例を紹介しました。
 
器具・材料は、全て米国製の化学産業用の一流品を、かつポンプ(BDF用)以外は全てステンレス製を使います。運送料を含めても費用も超(?)安価です。
価格は一般公開していませんが、導入を検討される方は、直接下記のメールでお問い合わせ下さい。
 
多分国産の3分の1~5分の1程度以下だと思います。当然、一部の機材があれば、それを再利用すれば、更に価格は下げられます。
 
尚、今回は200Lの例で設計し、あるサイズのStatic-Mixerを4本使用する案でしたが、同じStatic-Mixerを2本なら、100Lバッチ用、8本並列接続すれば400Lバッチ用が出来ます。通常の攪拌槽式反応器の様なスケールアップ技術は不要です。
 
ポンプやSub-Reactorも、装置容量に単純比例して変更すれば、それだけでOKです。但し、設計容量の最適値の決定には、経験が必要ですが、。。。。山勘では無理かな??
 
今回は、Static-Mixerとその周辺器具キットを紹介しました。
いつまでも、高値なのでと諦めていませんか??
 
では、また。。。
Joe.H
 
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