ラード100%のバイオディーゼル(BDF)を試作してみました。
使用済ラードが無かったので、石鹸用に使っている新ラードで、初めてBDFをテスト・バッチで作って見ました。原料のラード500gとしました。
目的としては、日本ではBDF作りに嫌われ者のラードですが、米国ではラードや牛脂の余剰残油脂も多く、BDF用にかなり利用されているので、興味半分からテスト目的です。
また、出来たBDFがそのままで、温度的にどこまで固まらず使えるのか、飽和脂肪酸を除くことにより、どの程度の低温で使えるのか等を試す為も、あります。
反応は新油時のBDFレシピーとほぼ同じです。アルコールは、安全を見て20%、苛性ソーダは2.9gで、更に2段反応法で、完全にBDF化することです。
反応時間は、反応転嫁率を確認しながら1段20分、2段15分の合計35分でした。
添付写真は、上から溶かす前のラード、次は溶けたラード(無色液体)を反応温度60度Cで、メトキシを投入した直後(色が変色)の状態。3番目の写真は、反応開始10分後の1回目の反応転化率テスト、未反応残あり(90%程度反応)。見づらいが、底部に未反応物、後ろは反応液。
次の写真は、反応20分後の転化率テスト(未反応あり、93~5%程度か),。。飽和脂肪酸が多い為か、白濁しているが、未反応残を底で確認できる。更に、反応時間を継続しても、転化率は、可逆反応であり、平衡状態で進まないことが、これらの転嫁率テストで解る。。
次に、2段反応を開始する(6番目の写真)。グリセリンを抜いたので、転嫁率、反応速度が向上する。
5分後に、転嫁率テストを行う。写真(2枚)は、写真では見づらいが何も沈殿してないのがわかろう。これは、これまでの転嫁率テストは、勿論OKであると伴に、更に転嫁率を最終確認する為の別の強化テストの写真で、反応率は規格値より更に上の99.9%+程度のはずである。反応は、安全を見て、更に10分継続し、15分間行い、再度グリセリン分離を行う。
得られたグリセリン量は、1段50CC,2段18CC程であった。
精製後、製品BDFを得た(最後の写真)。反応中のBDF色はグリセリン側に移り、製品BDFの色は、ほぼ無色。
反応・生成後のBDFで、今後は冷凍テストを行うなど、どこまでの温度に耐えられるかを調べる。通常の気温(春から秋の最低気温が15度C以上)であれば、このままで、充分使えそう。燃料としては、セタン価も、おそらく70程度で優れたディーゼル燃料として、使えそう。常温では、粘度も低くサラサラで、通常のBDFと差は無い。
ラードや牛脂など調達できる人はトライされたら、どうだろう。では、今回は、ここまで。また。。。
Joe.H
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