(超)高効率のバイオマス・PMXガス化装置(10MW)の新たな実例紹介(2)です!!

 今回は注目の(超)高効率バイオマス・PMXガス化発電装置の続編(10MW版製品の紹介記事です(尚、PMX、(合)バイオ燃料OEM製品です)。

同じタイトル(750KW版)のA-Tecガス化発電は下記を参照下さい。

 日々の情報探索・研究(Info. Search & Research)と接触( Contact)をしていると、この分野で開発中の最新技術、或いは商業化された優れたガス化製品が、既に取り扱い中(INSER,FPT,UG,LiPRO,APL)の5タイプガス化発電装置http://www.biofuels.co.jp/page2.html )に加え、未だ国内販売店もされていない優れたガス化発電装置は数多くあります。そこで、現在、代理店契約準備・調整中です。
 
装置の評価と選択のポイントは、機能性、効率性、そして価格のバランス(機能性能価格比)です。技術的、機能的にに面白いもの、発電効率も優れたガス化発電製品は幾つもあります。
 
しかし、どんなに高性能でも、採算性が得られないと思われる高価格製品は選びませんし、興味もなく、人にご紹介も、顧客からのメーカー・機種指定以外は通常しない様にしています。
 
顧客に紹介する基準、或いは国内販売代理店として重視ている製品は、この基準に全て合致するガス化発電装置製品群です!!

 この様な観点から、今回の紹介製品も最注目の新規(超)高効率ガス化発電プラントです。
現在導入を検討中の皆様にとって採算的にも納まる(と思われる)製品の概要紹介をします!!
 
 尚、国内ではこの様な高効率のガス化発電の例は、他の遥かに高額装置でも、100%存在しないと思います。 
実例があれば、是非教えて下さい!!
 
PMXガス化複合発電方式(10MW)の例
 
 次は、最近ガス化発電も、原料の高騰や装置の高止まり等の理由から、採算が苦しい例も多くあります。これはボイラー・蒸気タービン発電でも同様です。
 発電能力5~30MW程度の規模の場合、バイオマス原料は国産間伐材は量的に無理で、国産一般材、或いは輸入材に頼ることになります。この結果、売電価格も間伐材の40円/KWhから24円/KWhと低下する為、電力売上額が低下し、採算性も低下します。我々の取り得る対策の一つは、発電効率の大幅なアップと設備費の大幅な削減です。
その₁例を下記に示します。
 
 添付のプロセス・フロー略図にある様に、ネット10MWの発電を行うPMXガス化複合発電プラントの例です。

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PMX-IGCC10MW
ネット発電効率(G)は、ガスエンジン発電量(H)、排熱回収ボイラー発電(I)、及び自己消費電力(J)とすると、下記となります。
 
先ず、水分40%の原料エネルギー(B)を計算します。
B = 10.44MJ/Kg x 239Kcal/MJ /860Kcal x
 x2.84Kg/sec x 3600sec/h = 29,663KW/h
従って、ネット発電効率(G)は、下記となります。
G = (H+I-J)/B=(6、000+4、400-400)/29,663=33.71%
 
グロス発電効率(F)なら、35%にもなります。
F=(H+I)/B=10,400/29,663=35.06%
 
詳細は省きますが、この様に高効率のバイオマス発電の例は、10~30MW程度の規模では、未だ存在しないと思います。
 
この例では、ガスエンジン発電効率は、見掛け上余り高くない中速型(600rpm)を使用しています。それでも、全体ではこの様に高効率発電を可能としているのは、特別な高温排熱回収蒸気ボイラー(HRSG)・蒸気タービン発電の為です。
 
ガス化炉を高効率Up-Draft法を使い、副生するタール分で、追加燃焼していて、高圧蒸気(圧力50キロ)を生成し、それで蒸気タービン発電を行っている結果です。
 
尚、Up-Draft法の関連情報は、下記のガス化ページの(2)FPの説明文、或いは同じUp-Draft方式の説明記事例(http://biofuelsacademy.org/index.html%3Fp=470.html )を参照下さい。
 
Up-Draft方式ガス化の為、水分40%も含む木質チップを乾燥機を使わず、40%水分の原料を直接投入・ガス化が可能となります。
当然、タール油分も多量に発生しますが、排熱ボイラー(HSRG)エンジン排熱を追加補助燃焼させ加温する補助燃料として、合成ガスの一部と伴に有効利用し、その結果、中圧蒸気(5Mpa)を発生・タービン発電を行います。
この結果、上記フロー図の様に、4400KW発電となります。エンジン排熱回収だけのHRSGの場合、低圧蒸気(2MPa程度)の発生ですから、タービン発電効率も低い状況です。
 
 通常排熱ボイラー複合発電方式では、低圧排熱回収ボイラー、ORC発電等では、主エンジン発電の5~13%程度の発電量増程度ですが、この例では、驚異の73%増にもなっています。
 
エンジンの排熱温度が530℃ですが、これから排熱回収する普通の複合発電法と異なり、ガス化装置の副生タール・熱分解油を追い炊きすることにより、1000℃もの高温ガスを発生させ、そして高圧蒸気を副生させ蒸気タービン発電を行います。
 
尚、使用する合成ガスエンジン発電機は下記の中速型(600rpm)V型16気筒(V16)タイプを6基(各1000KW)を使います(合計6000KWの発電)。
 
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この例では、Up-Draft法の特徴であるタール分多量副生、向流方式による高効率ガス化炉の特徴を生かして、出来た(メタンを多く含む)高エネルギー合成ガスを、主にガス・エンジン発電機を駆動すると同時に、タール分を排熱回収ボイラー燃料に振り向け、高効率高圧蒸気タービンも駆動する複合発電の例です。
 
尚、幾ら高効率でも、設備費が高額では、発電ビジネスの採算性は向上しませんが、通常の単純なガス化+ガスエンジン発電機サイクル発電の投資額以下に納めるべく、現状鋭意検討中です。最も、国内設置の場合、排熱ボイラーと蒸気タービン発電機(HRSG)は、法的な規制から国産品に変更が必要の模様で、この部分は割高(2倍~?)な国内価格と成りそうです!! 
 
この複合発電方式の発電規模ですが、最低でも5MW、標準は10MW、20MW、30MW程度の規模を想定しています。
但し、国内で蒸気タービン複合発電は、国産の排熱ボイラー及び蒸気タービン発電機に代える必要性から、この部分の価格アップにより発電規模は20MW程度以上の発電規模でないと採算性はやや苦しくなると思われます。現在10MWの高温ORC複合発電を海外プロジェクトで計画中です。理由はORC複合発電設備の10MW規模クラスの需要、価格、規制の有無等の関係からです。国内の場合、2MW未満、FIT対応で、高温中型ORC複合発電を計画中です(同様に、海外でも2MWを計画中です)。
 
 次に、上記の超概算採算性の紹介します。生木丸太一般材(2500円/トン@水分65%)購入、チップ自己製造と未乾燥一般材チップ(6000円/㌧@水分40%)購入による売電事業(FIT売電価格24円/kWh), 更に建築廃材(価格1500円/㌧@水分40%と仮定、売電価格13円/kWh)購入による売電事業の3ケースです。
一般材なら設備投資が安価の為、何れも投資回収が3.9~4.3年以内と云う短期となります。建築廃材利用のケース、通常は水分が少ない状況ですが、仮に高水分40%の場合でも、7.5年の投資回収です。自己で建築廃材から、直接チップ製造出来れば、更に短期間の投資回収が可能と思われます。
 
理由は設備費も高効率(33.7%)設備で超安価(1KW当たり49万円、直販価格)に加え(超)高性能の複合発電の結果です。
尚、下記も、添付は単なる計算例ですので、個々のケースで,仕様、及び価格の確認が必要です。
10MWクラスのバイオマス発電に必要な原料は、殆ど国産材ではなく、輸入材に頼ると思われますが、この場合、保管スペースも膨大となり、建屋内、大型サイロ保管なら設備費も膨大に必要です。因みに、毎時10㌧強(水分40%)が必用になり、毎月1回の船便輸入なら、7200㌧ですから、船便の遅れ等を考慮すると1万㌧もの保管容積(6万m3程度)も必要です。

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尚、性能も、価格も超一流のSYNOVA(Milena&OLGA)ガス化発電装置( http://synovapower.com/our-solution/ )もあります。
ご参考までに、下記が30MWのガスタービン複合発電装置の例です。
云わば、ガス化発電のロールス・ロイス(Rolles-Royceです!! 発電効率(F)は36%とのことです。発電規模は18MW~以上です。
 
ご紹介のガス・エンジン複合発電装置より、効率が1%だけ高いだけで同じ設備能力比較の価格は、少なくとも2.5~3.0(+)倍以上すると思われます。過去に折衝しましたが、結局止めました。とても、通常の高価格の原料バイオマス発電では採算が取れません。大型の処理費が得られる廃棄物ガス化発電等の用途だと思われます。、
 
最も、原料は木質に加え、廃棄物も完璧に取り扱いができて、ほぼ万能機です。
仮に、設備資金が無尽蔵近くあるなら、一流ブランド品が不可欠なら、下記メール先にお問い合わせ頂くか、直接問い合わせ頂いて、是非ご検討下さい。
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同様に、
HighBury社の例 http://highburybiofuels.com )です(最新の開発中)。1基当たり、発電用なら10MWクラスのガス化炉となっています。
本来はバイオ製油所Bio-Refinery)向け設備であり、前記の例と同様に窒素分を含まない高エネルギー合成ガスが製造できます。
大型廃棄物(及びバイオマス)の発電用にも使えますが、価格もSNOVAより安価ですが、それでも割高で、通常の発電用途では採算上苦しいと思われます!!
 
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 以上、過去に例のない高効率のガス化発電例の概要を紹介しました。
何れの例も、バイオマス発電の採算性は大幅に改善すると思われます。
 
 今後5~10年後の将来的には、大規模バイオマス発電なら、順次バイオマス発電効率50~60%程度を目指す高圧ガス化+ガスタービン複合発電方式も、EUの一部で既に検討が進んでいますが、発電規模は50~100MW以上の規模の様です。
 
因みに、現在天然ガス等による大規模ガスタービン複合発電(400MW,500MW)方式の対燃料に対する最高発電効率は61%程度の様です。
 
これ以上の詳細内容は、一般公開は出来ませんが、
・具体的な計画を持たれている方、或いは
・現状採算性が苦しく、バイオマス発電プロジェクトを進められない方、
は、是非下記にお問い合わせっ下さい。
採算にのる計画になるかもしれません
 
では、また。。。。
Joe.H
 
追伸)
 上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かご質問、ご要望、及びご意見等の具体的な相談のある方は、
『お問い合わせ( http://www.biofuels.co.jp/page7.html )
フォームよりお願いします。 
或いは、『お問い合わせ』のメールを下記に下さい。
尚、必ずご本人氏名、連絡先電話番号等を添えて下さい。
以上