輸入バイオマス切削チップ機の稼働テスト風景です!!!

 最近、格安のバイオマス用切削チップ機を中国メーカーから輸入し、この立ち上げ稼働テストを先週実施しましたので、今回はその写真紹介記事です。
 
この切削チップ機は、木材の丸太や長い竹材などから、直接粉砕し切削チップを製造する機械です。
今回、この機械を某顧客の依頼により輸入し、そして製造メーカーの中国人技術者の立ち合いの下、稼働テストを、先週(3月29日~31日)しましたので、その稼働風景の写真記事の紹介です
 
日本製でも、(細い)木枝の剪定枝用等の小型チップ粉砕機(Disc Wood Chipper)はありますが、こちらは、(やや)太い丸太から切削チップを直接製造できる中大型切削チップ機(Drum Wood Chipper)です。
 
切削木質チップは、3~4cm四方の大きさ、厚さ2~5mm程度のチップ(Wood Chips)が製造できます。
この機械のチップ製造能力は毎時8~15トンですが、勿論、木材の太さ、材質により異なります。
 
切削チップは、製紙会社のパルプ製造用に従来から使われていますし、最近はバイオマス・ボイラー用燃料としても使われています。
 
勿論、当方の扱っているバイオマスガス化装置の原料としては、最も適しています。
例えば、下記です。小型から大型機」まで、各種あります。
 
この機械があれば、間伐材でも、倒木・流木でも、直接チップ化できます。
 
この機械は、所謂ドラム式のチップ機(Drum Chipper)であり、効率的に大量の切削チップが効率的に製造できます。
これより、小型のタイプ、或いは大型のタイプ、及びこの様な設置型の他、車輪付きの移動型もあります。
 
類似タイプのチップ機は、米国・カナダ、EU製もありますが、価格は3-5倍すると思います。
日本製でも、この位の能力ならあるかもしれませんが、価格は同様に高価だと思います。
 
いずれにしても、国内で間伐材などを使って、バイオマスガス化発電で、固定価格買取制度(FIT)で売電事業を企画されている方も多いと思いますが、高価なチップ材を購入するのに比べて、この様なチップ機、及び乾燥機を追加すれば、原料費が大幅に低下出きることは明らかです

安価なチップ材の購入先を探すのに比べれば、安価な丸太を探すのは比較的簡単です。
加えて、丸太なら無料か、処理費も頂ける可能性もあります。それだけ、バイオマス・ガス化発電事業が有利になります。他に、バイオマスボイラー事業(熱供給、温水供給)の採算性でも同様です。
この機械なら、主な製造費は、人件費と動力費(油)だけです。
 
バイオマスガス化事業の採算性向上対策は最近、下記Blogで紹介しましたが、
加えて、今回のチップ機と乾燥機を加えたバイオマスガス化事業も考えれば、バイオマス・ガス化発電事業の採算性が更に向上することは明確ですし、ビジネス採算性に貢献できます

では、今回は本題の輸入チップ機の稼働テストと設備の紹介記事です!!!
 
最初の写真は本体付属の発電機(Power Generator)で、ディーゼルエンジン動力を使って発電します。
下記2番目の写真はチップ機の本体部の写真です。
 
このチップ機の標準仕様は、全て電動モーター駆動であり、約120KWもの電力が必要です。
120KWもの大電力はどこでも使える電力でもないし、電気料もけして安価ではないと思います。
 
そこで、今回の輸入機は、大型モーターに代わってディーゼルエンジン仕様(150馬力)としました。
これなら、油(軽油、或いはBDF)を供給すれば、全く電力は不要ですので、今回の稼働テストの場所の様な屋外の処でも、山林近くでも稼働できます。また、エンジンは、ラジエター冷却ですので、無水で稼働できます。
 
ディーゼルエンジン動力を直接使って大型の刃(カッター付)ドラムを廻すと同時に、下記(茶色)の発電機(15KW)を駆動します。電圧は400Vです。従って、モーターは全て、400V/3相、周波数50Hz仕様です。

バッテリー蓄電池も2台ついていて、この電力を使ってディーゼルエンジンをキー操作で稼働できます。
 
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この電力は、丸太の吸い込み用カム用モーター(5.5KWx2ケ)、ベルトコンベアーモーター動力(1.5KW)、及び操作パネル電力供給します。
 
輸入時は、まだモーターは未装着ですが、5.5KWの2セットが右の鉄さびの処(オイル・ギアーボックス)、1.5KWのベルトコンベアー動力が、左側下段です。
 
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下記の写真は、グレー色のモーター(5.5KWx2,1.5KWx1)を付け、そして、原料のフィーダー(写真の右側、白い部分)組み込んだ状態です。
 
 
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発電機とモーターとをケーブルを仮設したものです。後日、ケーブルには保護配管内に納める予定です。
 
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下記の写真が、組み立て終わったチップ機の反対側の写真です。
ブルーの部分は、エンジンとドラム・ローター、及び発電機(右側)を連結しているV・ベルトの保護カバーです。

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いよいよ稼働テスト開始です!!
 
左側の原料フィーダーに機械で、丸太をつかみ、直接フィーダーに供給されます。
丸太は、フィーダーのベルトコンベアーで右側に移動します。
次に、丸太は、上下の5.5KWの回転ローターで、切削ローターに原料が引き込まれます。
 
回転ローターの写真が下記です。
普段は見えにくいのですが、本体を停止し、本体カバーを外した状態です。
上下2段のツメ付回転ローターで、丸太を右側から引き込み、左側切削ローターに丸太を押し付け、そこで丸太はカッター刃で切削されます。写真は上段ローターで、下段ローターは写真の下段にワズカニ確認できます。
 
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切削ローターでは、回転刃で切削され、下段のコンベアーから、右側に切削チップとして出てきます。
通常は、製造されたチップ材は、別コンベアーで移動させるか、チップ機より下段にチップサイロに貯めたりします。
 
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下記写真は、原料のフィーダー部の写真です。
丸太は手前から、奥側へコンベアー上を移動します。
 
この機械モデルの処理できる丸太の太さは、最大30cm程度ですが、それ以上の太さの場合は、別の機械(セパレーター)で半分に割るなどして、高さを30cm以内にする必要があります。
幅は50-60cmまで可能です。要は写真にある様に、本体入口部(長方形)以内の大きさである必要があります。
また、余りにも大きな丸太では、エンジン動力不足になります。
中途でエンジンが停止しない様に、時々、負荷を低減させる様に、コンベアーの稼働、停止を繰り返したり、或いはコンベアーを逆回転させて、一旦丸太を本体内部からコンベアーに戻し、再投入する場合もあり得ます
 
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木材の丸太の他に、写真の様に(孟宗竹)を直接チップ化もできます。
 
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チップはどんどん出来ますのが、今回は人力で掻き出しています。
 
 
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下記は写真が出来たチップの写真です。
チップの用途によっては、このチップの大きすぎる部分、或いは小さすぎる部分(粉)を篩(フルイ)除去する必要があります。
用途や要求される製造能力によっては、専用円筒型回転選別機(トロンメルを購入することも可能です。
 
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上記の写真が、本切削チップ機用の替え刃です。
1枚で20Kg位あるかと思われるもので、刃先は上側です。この機械の場合は、ローターに2枚装着されます。
 
下段の写真はチップ機本体の上部カバーを開けて、切削チップ・カッター・ローターの一部の写真です。
ローター本体(下部)に、刃を中部に付け、そして上部に刃カバーを取り付け、これらをボルトで固定します。
刃先の位置により、チップの厚さが決まります。
 
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このチップ刃は時々、外して研ぐ必要があります。標準では、毎日フル稼働で、1週間に1度程度は必要の様です。
下記は、その刃の自動研ぎ機です。刃を固定し、グラインダーが自動的に左右に動き、刃を研ぎます。
 
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以上、簡単に、今回輸入した切削チップ機の組み立て、稼働テスト風景の写真を紹介しました
 
今後、バイオマスチップの製造を検討されている方、或いは
バイオマスガス化発電設備を検討されている方、或いは
既存の廃木材の処理に苦慮されている方、
既存のバイオマスチップの供給不安や価格に悩まれている方、。。。他、
一度チップ機の導入を検討されたら如何でしょうか???
それも、大幅な低格安コストで!!!
 
尚、中国製のチップ機と言うことで、人によっては、次の様な心配事、課題もありそうです。
例えば、
・機械の工作精度も日本製に比べれば、雑にできています:
 用途がバイオマス切削チップ製造です。機械の精度の要求は殆どありません。
・自動化は殆どありません:
 自動化が必要な程、複雑な工程はありません。単に丸太を切削出来ればOKです。
 従って、修理箇所は即解ります。
・緊急保守対応はできません、時間が掛かります:
 必要な部品があれば、自己保守でも、出来るくらいシンプルです。
。。。と言うことで、多少鉄工、工作等の経験者が身近にいれば、充分対応できそうです。
殆ど問題はないと考えます。
それでも、結論として不安なら、仮にもう1台予備を購入しても、国産に比べれば、遥かに安価です!!!

今回紹介した切削チップ機。及び格安価格等について、具体的なバイオマス事業(計画)があり、更に追加情報に興味があれば、下記にメールで直接お問い合わせ下さい。
 
尚、丸太から製造したチップ材、或いは購入したチップ材も、通常かなり水分を含んでいます
ガス化発電でも、ボイラー燃料用でも、使用時に、水分を規定値の以内の水分量まで低下させる必要があります。ガス化なら、通常は20%以内、望ましくは15%程度です。これがバイオマス・チップ乾燥機(Dryer)です。チップ乾燥機も、いろいろのタイプがありますが、代表的なものは、Rotary Drum Dryerタイプで、下記の様な構造です。これも価格重視なら中国製(程度)で充分です。構造も簡単です。
中国には、多くのメーカーが存在しますが、価格や乾燥能力、他で選択します。
チップ乾燥機は、バイオマスガス化設備では、必ずと言って良いほど必要不可欠なガス化前処理設備です。
下記の例では、乾燥熱源としてCoal Gasとなっていますが、バイオマスチップ仕様、重油軽油仕様、ガス燃料(合成ガス)仕様の他に、排熱(エンジン排熱)仕様等もあります。
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ガス化設備、或いはボイラー、ストーブ等のタイプによっては、バイオマス・チップではなくバイオマス木質ペレットを使う場合もあります。
勿論、ペレット機も小型から大型機までいろいろの製造能力機がありますが、製造費がチップに比べ、可成り高価になります。
 
この顧客でも、今回併せて、小型ペレット機(ディーゼルエンジン、22HP,Flat-Die タイプ)をテスト導入、稼働テストをしました。下記のBlog記事のペレット機と同じタイプのペレット機です。
 
 
結果が良ければ、今後より大型の本格的な業務用大型機も検討されるかも??と思います。
 
一般に、バイオマス・ぺレット業務用の本格的な中大型ペレット機は沢山製品があります。
下記の写真は、今回のチップ機のメーカーの製品例(Vertical-Ring Die タイプ)です。
チップ能力、毎時0.5トン(電力60KW)から3.5トン(230KW)までの製品があります。
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チップ機と同様、ペレット機も興味があれば、同様に下記にお問い合わせ下さい。
 
尚、今回は稼働テストと言うことで、この様な屋外でのテストでしたが、この顧客も、本チップ機を適当な屋内に移動する予定ですし、製造チップの取り出し・保管方法等を別と考えられています。

では、また。。。
Joe.H
 
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