米国でバイオディーゼル(BDF)の新グレードの誕生とその規格について!!

バイオディーゼル(BDF)の製品規格は各国にありますが、米国規格のASTM(D6751)は、下記です。
但し、コピーの都合で最後の項目の下記がもれています。
Sodium & Postassium (combined)    EN14538   5 max   ppm
 
添付表は、下記の一部コピーですので、詳細は下記を参照ください。
 
イメージ 1
 
他に、日本のJIS規格(K2390)、EUのEN(4214)規格を下記に添付します(島津製作所のH.P.より転載)。
 
 
勿論、他の国の規格(韓国、中国、オーストラリア、。。。)もあります。
 
今回の話題は、このBDF規格そのもののではなく、従来のBDF規格の製品に加えて、米国で新たな高品質規格BDF製品(グレード)が加わると言う話題です
 
下記は、最新の紹介記事です。
詳細は、こちらを参照ください。
 
 
その概要は、アメリカのASTM規格委員会(石油燃料及び潤滑油部会)で新たなに新BDF製品規格(NO.1-B)が承認され、加わると言うことです。本年7月頃、もうすぐ交付れそうです。
 
但し、従来のBDF規格を満たした製品は今後も製造され、従来の製品規格(NO.2-B)を満たした製品に、名称だけが変更される様です。
 
米国ではBDF製品は、主に軽油とのブレンド用が商業用BDFの需要先ですが、このBDF製品として、通常用BDF製品(#2-B規格)と高品質BDF製品(#1-B規格)の2種類のグレードが、用途により使い分けられると言うことです。軽油も米国では2種類のグレード(通常用、低温用)がありますので、これに対応してもいます。
 
BDFの新グレード(#1-B)は、軽油ブレンドした場合に、曇り点温度以上でも、燃料フィルターが詰まると言うトラブルを解消するのが、主な狙いで、低温用BDFブレンドを提供するのが主目的です。
従来、この様にBDFと軽油ブレンド油は、フィルターの詰りの問題など、特に冬季ひどくて、困っていたようです。この対策として、3年程前には、低温流動性・フィルター詰り特性項目(Col-Filtration)が追加された経緯があります。
 
今回も、その延長線上ですが、新たに独立した製品規格と新グレードBDFも加わると言うことになりました。
 
この目的で、新たな低温用BDFグレードの規格値(#1-B)の追加、変更項目は、
 
残留モノグリセリド濃度       最大0.4%以下
 (注、EN、JIS規格では0.8%以下、ASTM規格では、,これまで、この項目はなし)
低温流動性(Cold-Filtration)  最大360秒以下から、200秒以下へ変更(流動性の改善)
 ( 注JIS、EN等の規格に無い規格項目)
等の様です。
 
つまり低温流動性の向上、耐低温特性の改善により、冬期と低温時でもBDFブレンド油(B5~B20等)が使える様にする為です。
勿論、B100(100%)での利用でも、この規格を満たせば、使用可能な温度は低下します。
 
高品質グレード(#1ーB)の製造では、より高転化率の反応が求められていることは、明らかです。
加えて、減圧蒸留法、吸着剤の利用なども、有効な手法だと思います。
 
尚、このBDFの何れの規格のB100を使った軽油とのブレンド製品も、更にブレンド油の下記の規格を満たす必要があります。
・BDF(B5)までのブレンド軽油(ASTM D975)
・BDF(B6-B20)までのブレンド軽油(ASTM D7467)
・燃焼用(Heating)用ブレンド軽油(ASTMD396)
 
我が日本ではどうでしょうか??
同様の必要性はありますが、JIS規格に反映してまで、新グレードのBDFを含めて、2製品を認めるまでには、恐らく近未来はないと思いますが…
 
。。。と言うことで、BDFの生産量及び需要が多い米国で、
冬季対応の新BDF品質規格と製品が追加されると言う話題でした
 
では、また。。。。
Joe.H
 
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