巨大なバイオディーゼル(BDF)Dry-Process塔の組み立て風景と使用開始です!

バイオディーゼル(BDF)用4本塔構成のDry-Process法プロセスフローについては、以前ご紹介しました。詳細内容は下記をご参照ください。 
 
 
この塔は12インチ(塔内径30cm)で、塔の高さは2m以上もある塔4本と、ポンプやヒーター類、それにエアーコンプレッサーなどから構成されています。
 
某依頼元からの要請で、積み立て及び試運転に立ち会いました。
組み立ては、7月6日~7日の2日弱で終わり、そして試運転とパフォーマンス試験を昨日7月9日に行いました。
 
今回は、これらの紹介と結果の一部報告です。
 
最初の写真は、4本の塔の内、3本が立ち上がった写真です。まだ1塔は横置状態です。
立ち上がった塔も足だけを着けて、本体部が立ち上ったただけの状態です。上下、及びマンホールのの蓋(キャップ)も未装着状態です。人の大きさと比べると塔の大きさが想像つくと思います。
 
次は4本の塔を並べた様子です。
まだ配管も、中身(吸着剤、イオン樹脂)も入っていません。塔だけです。
 
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次の2枚の写真は、塔頂に、圧力計や温度計、それに一部の塔に加熱器(Immersion Heater)が取り付けた処の写真です。
 
写真の赤の部分がヒーターの温度調節器や配線部分で、ヒーター部は、ステンレス管(内径2インチ=5cm)、長さ48インチ(122cm)に収まっています。
その下にBDF専用のフィルター(白色の筒)が着けてあります。
 
祖BDFは奥の方の第1塔から第2,及び第3,4塔へと順次塔頂から塔底へとBDFは流れます。
このフィルターは、第1塔と2塔の吸着剤の固形物が第3、及び第4塔のイオン樹脂塔に入らない様にする為のもので、10ミクロンを使用しています。
最後の第4塔には、製品フィルターとして、同様の2ミクロンフィルターが着いています。
また、使用ホースもステンレス・ホースに変更予定です。
 
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上記は、2台のエアーポンプです。1台は、手前のプラケースの上。もう1台は奥に見えます(第1,2塔の足の部分の間)。
 
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上記は、エアー・コンプレッサーで、2個の空気式ダイアフラム・ポンプに加圧空気を供給しています。
近隣の民家も近く、音が高いので心配です。
 
尚、昨日Dry-Processのスターアップを行い、1~2箇所のBDFの漏れは在りましたが、特にトラブルもなく、順調に立ち上げることが出来ました。顧客先の方々の努力のたま物と感謝しています。
 
処理速度は毎時190~200Lが設計値ですが、250L程度までは充分対応できそうです。
昨日のテストだけで、1200L以上も精製処理ができました。
このプロセスは連続処理ですので、仮の24時間運転なら、1日で5000~6000Lもの精製処理が可能となる見込みです。
装置の停止はポンプを止めるだけで、いつでも可能ですし、再稼動も簡単です。
 
次は、その後のBDF品質検査結果です。
例えば、残留石鹸濃度試験結果です。
 
反応後の祖BDFは、残留石鹸分(ソープ)試験の結果は1550PPMでした(試験法は以前に紹介済みです)。私の場合は、メタノール回収、静置、バブリング処理により残留石鹸濃度300~400PPMですが、この顧客の上記データは、BDF反応後のグリセリン沈降分離処理だけの祖BDF液ですので、上記の様な高い数値となっています。
 
これが、第1塔の吸着処理で、65PPMまで低下できています。
急激な石鹸分の吸着効果です。でも、まだ規格値の50PPMより多少上回っています。
 
続いて第2塔での出口では更に下がって30PPM程度でした。
勿論こ段階でで、規格値以下となっています。
続く第3、、4塔のイオン交換樹脂での処理で、残留石鹸濃度分は、ゼロでした
この吸着剤+イオン交換樹脂〔複数)の組み合わせが最適な組み合わせであることを示しています。
 
この顧客は、これまで水洗法処理でした。
今回水洗処理後のBDF製品の残留BDFの石鹸分も、比較の意味で併せて測定しました。
結果は130PPM程度でした。水洗法では、残留石鹸分が除去できていません。
石鹸分除去では、水洗法よりDry-Process法の法が優れている例です。
 
勿論、水洗法でも、充分時間を掛けて、大量の水を使い、何回も水洗すれば、この値は低下すると思います。
因みに、3回の水洗処理と言うことでした。
恐らく5回ぐらい水洗を行わないと規格値以内にならないのでは??と感じました。水洗法の方、ご注意ください。また、水洗法は、排水処理と併せて、BDFロス(収率低下も)もあります。
 
次は水分測定です。
祖BDFの水分も1000PPM以上ありましたが、DryーProcess処理で、150~200PPMまで低下していました。
規格値は500PPM以下ですので、この値もクリアーできていました。尚、水分計測定も以前紹介した米国製(3万円程度)を使用しての分析です。
従来、Dry-Processでは、水分除去はあまり期待していなかったのですが、除去効果は、(少なくとも最初は)あるようです。
 
最後に、転化率テストも行いましたが、こちらも規格値の96.5%以上である見込みです。
簡易転化率キットの分析ですが、98%以上あると推定されます(簡易法定量測定器具での分析)。
同様に、Dry-Process法で、グリセリド類も吸着できることが、今回の分析結果によりわかりました
 
今回は、12インチの塔4本構成のDry-Processの組み立てと、それに続いて行って性能評価テストの結果報告でした!!
このDry-Process塔について、お問い合わせが在れば、下記へ直接ご連絡ください。小型の6インチ(15cm)構成でも、更に大型の構成でも製作可能です。それも、超安価に。。。。。
 
では、また。。。。。
Joe.H
 
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