ディーゼル・ガソリン・ハイブリッド・エンジンの開発中の話題です!!

ハイブリット車といえば、トヨタやホンダを中心とする日本の自動車メーカーのお得意とするところで、世のECOの波にのって絶好調です。
 
最近は,乗用車のセダンに加えて、バンなどにも広がっています。
このハイブリッド車も最近では特に目新しいと言った感じはしなくなり、今やお隣の韓国車、ドイツのBMW等のEU車、或いは米国車などでもハイブリッド車を販売していることはご存知かと思います。
 
車種も乗用車ばかりでなく、最近はバスや特殊車、或いはスポーツ・カーなどの分野でもハイブリッド車を販売しています。バスなどは、当然ディーゼル・ハイブリッドです。更に、ディーゼル・エンジンのハイブリット化は、鉄道機関車、建設機械、及び船舶エンジンでも実例があります。
 
これらに共通しているのは、総てエンジン+モーター(バッテリー蓄電池)の混用(ハィブリッド)技術で、燃費の向上、そしてECOでCO2の排出を少しでも減少しようと言うものです。
 
余談ですが、実現手法は異なりますが、日本マツダDemioに採用されたSKYACTIVーG( http://www.demio.mazda.co.jp/pre/?banner_id=b1669 )エンジン車が最近発売されました。
ガソリンエンジンで、かつ限りなくエンジン圧縮比を上昇させてエネルギー効率を上げ、通常のガソリン・ハイブリッド車と遜色ない燃費(1L燃費30Km)・ECO効率を目指そう(越えよう)とするユニークな技術です。
 
熱力学で学ぶところの圧縮比を上げれば、燃費効率が上昇することは、100年以上の昔から解っているのですが、。。。。
ノッキングと言うプラグでスパーク着火する前に、一部自然発火する現象から、従来のレギュラー・ガソリン車の圧縮比は12程度が限界だった圧縮比を、14まで上昇することが出来たからの様です。
 
因みに、ハイオク・ガソリン車は、圧縮比を上げても、ノッキング現象が抑えられる燃料(着火しにくい)を一部混合しているからです。その結果、値段もより高価となっていて、対走行距離に対するガソリン代を考えるとどちらが低コストかは一概には言えないと思います。このガソリンの着火仕様(インデックス)がオクタン価です。
 
余談が長くなりましたが、今回紹介するハイブリット技術は、ディーゼルー・ガソリン・ハイブリッド技術の話題です。
 
従来ディーゼルエンジン軽油(BDF)、或いは大型なら重油燃料を使い自然発火方式、一方ガソリンエンジンは、ガソリン燃料を使いプラグで着火方式です。
この様に、それぞれの組み合わせ方と燃焼方式が決まっていました。
 
ここを混合(ハイブリッド)化しようと言う新しい取り組みの紹介です。
 
紹介の記事は6、月15日付の下記で、その概要を紹介します。
 
米国のクライスラーのミニバンのエンジンを改造して、2013年までに、この新ハイブリッド化を実現しようと言う試みです。研究しているのは、Argonne National lab.(ANL)が中心です。
 
ガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンの互いの長所を組み合わせクライスラー・エンジン上で実現しようと試みです。ディーゼル・エンジンの燃料噴射ポンプなどをガソリン・エンジンに取り付け、ガソリン車のプラグを除外すると言う方式です。但し、燃料はガソリンを使うと言うことです。
 
この研究には、ANL、クライスラーの他に、オハイオ州立大(OSU)、デルファイ社、KEV社なども参加し、研究には2010年度から開始し、米エネルギー省(DOE)が研究費補助(15.5m$=13億円)をしている模様です。また参加各社も同額の負担の様です。
 
ディーゼル・エンジン技術とガソリン・エンジン技術の混用ですが、話は簡単な様で、実際は難しいのか、まだ全体の17%程度の進展だそうです。
 
ANLは、主にエンジン内の燃料噴射方式をシュミレーション中で、デルファイ社はエンジン制御方式を、FEV社はエンジン設計を、OSUは熱エレメント制御を、それぞれ分担しているとの事です。
 
目的は、主にディーゼル・エンジンの効率とガソリン車のクリーンさを組み合わせたい様です。
従って、ガソリン・エンジンのスパークプラグとスロットルバルブ機構を取り除くと言うことですが、実際はディーゼル・エンジンをベースとして如何にしてガソリン燃料を噴射して自然発火させるかに苦労している様です。
 
自然発火指標はセタン価ですが、オクタン価とは、逆の関係になっています。
高オクタンのガソリン燃料は、低セタン価となっていて、超低セタン価燃料をディーゼル・エンジン燃料に使える様に改造するのと同じと言えます。
 
ご存知の様に、ガソリン車は、ガソリンと空気(酸素)混合物を圧縮し、そこでプラグで着火させます。ディーゼル・エンジンは空気だけを高圧に圧縮し(圧縮により空気が高温となる)、燃料を高圧噴射ポンプで噴霧させ自然発火させます。軽油ならこの温度で自然発火するのですが、ガソリン燃料は自然発火しないか、或いは燃えても瞬間的に燃焼しない特性があります。ここを改善するのが難問と言う訳です。
ガソリン燃料濃度を上昇させるなどいろいろの試みをしている様です。これにより、NOXの発生量も抑えられる様です。
 
現状まで通常のガソリン車に比べて25%程度の効率アップは実現できている様です。
現在使用中のエンジンは、クライスラー製、2009年型のV6/4Lですが、市街地走行で、17mpg(7.2Km/L)、高速で25mpg(10.6Km/L)程度の様です。前述のマツダの新エンジンとは、比べ様もありません(エンジン・サイズや車両重量が全く異なります)。
 
新しい試みで興味あるテーマですが、効率を求めるなら、ガソリンを使ってディーゼルもどきのガソリン・エンジンを使うより、軽油(BDF)で最新のディーゼル車を使えばよい筈と考える人も多いかと思います。
そこは巨大石油メジャーの戦略に合致しないからだと思います。
ガソリン需要がなくなれば、彼らの利益構造が180度変わってきます。
 
同様に再生可能エネルギー派のうちで、BDF(ディーゼル・エンジン)派とエタノール(ガソリン・エンジン)派との闘いも裏には、あるかも知れません?
 
仮に、将来総ての車両エンジンがこの方式になると、BDFファンは廃業か、エタノール製造に衣替えすることになります
 
両者で内輪もめしていると、第3者の電気〔モーター+蓄電バッテリー)派が様子を伺っていて、車の駆動方式を奪われかねません。
 
似た物同士で協力した方が良いかもしれません。
 
今回は、ディーゼル・ガソリンHybridの記事の紹介でした。
 
では、また。。。
Joe.H
 
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