米国の商用バイオディーゼル(BDF)の品質調査報告です!!
最近、米NREL(エネルギー省傘下の再生エネルギー関連の研究所)による商用バイオディーゼル(BDF)の品質調査の結果が全米BDF会議(正式名称は、National Biodiesel Conference & Expo at Phoenix,AZ)で、公表されました。
同会議では、既に紹介した酵素法による新BDF製造法も発表されています( http://blogs.yahoo.co.jp/hirai476/11029725.html )。
詳細は下記ですが、その概要を紹介します。
調査サンプルは2009年12月から210年の1月に掛けて燃料油販売店から収集されました。
従って、現在から1年一寸前の品質の状況です。
尚、B100(ASTM D6751),及びB6-B20(ASTM D7467)に関する米国ASTM 規格は下記を参照下さい。
同じ、規格ク項目でもB100とB6-B20規格では、数値は当然異なりますので、ご注意下さい。
サンプルの4分の3は寒冷地より、残り4分の1は温暖地方よりのサンプルで、境界は、この期間の平均気温は-12度Cで分けたと言っています。この温度以下が寒冷地、以上が温暖地です。
また26ヶ所の給油ポンプ先でのBDF燃料表示法(表示文字の大きさや、色など決まりがある様です)の調査でも、ほぼ問題なかった様です。
品質では、酸価値テストは、総てのサンプルはその規格値(0.30)を満たしていて、B20のサンプルの50%は、規格値の半分以下の値であったそうです。
酸化安定性の試験でも,B20サンプルの80%は規格値(6時間)を満たしていると言う報告です。
また、多くの温暖地向けのB20のサンプルは、しばしばこの規格値を見たしていなかった報告しています。但し、サンプルの製造後の経過時間は未確認と言っています(古いBDF?)。
曇り点規格は、存在しないものの、製品によって様々に分布していた。
NRELの調査では、使用されているBDF原料の殆どは、50%大豆油+50%は他の原料系BDFだと言っています。
従って、単一原料のBDF製品はなく、総て2種類以上の原料油のブtレンド油であると結論付けています。
この様に、最近のBDFのブレンド油の品質向上と安定度は目覚しいものがあります。
別の数年前に実施された、類似の商業用BDFブレンド油の調査情報では、遥かに悪い結果がでていた様です。
反応転化率さえも、規格値以下の例も少なかった様です。
現在の我が国のBDF業界はこのレベルぐらいでしょう??
。。と言うことで、商用BDFブレンド油の品質向上により、BDF燃料の品質などについての世間の評判は可也改善されつつあり、今後も引き続き改善するだろうと予測されています。
商用BDFばかりでなく、個人用、或いは小規模BDFの品質も最近向上しつつある様です。
理由は世間のBDF燃料に対する厳しい眼、製造者の品質に関する認識の向上、そして簡易分析法の確立などが多いに寄与している様です。
簡易分析は、既にこれまで紹介済ですが、転化率、水分、酸価、そして石鹼分などの分析法の確立と普及にあります。
。。と言うことで、米国では、商用大規模生産のBDFと中小規模生産のどちらも品質向上は目覚しい様です。
車の両輪がうまくかみ合えば、BDFの更なる発展・普及も図られると思います。
翻って、我々はどうでしょうか??
今後とも遅れつつも、少なくとも差が開かない程度、後を追いたいものです。
先ずは、BDF生産者の品質の重要性の認識と分析の実践から始める必用がありそうです。
併せて、BDF利用者側の支援も必要です。
今回は、最近公表されたBDFブレンド油の品質調査結果の概要紹介でした。
では、また。。。。。
Joe.H
追伸)
1)上記Blog記事は、一般公開情報です。
何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、
下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
可能な限り対応させて頂きますので。。。。
尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
以上