バイオディーゼル(BDF)転化率の自作簡易分析キットもあります!!

バイオディーゼル(BDF)反応の進展を把握する為には、分析を行い状況を把握することが、重要であることは、しばしば本Blogで述べましたし、写真付で紹介もしました。
 
最初の紹介記事は、下記で昨年の5月でした。
 
その後も、何度も転化率の自作簡易分析法として紹介したり、反応解析の結果を紹介しました。
 
BDF分析には、転化率、酸価(AV値)、水分、石鹼分などいろいろあるのですが、今回は、特に最重要な転化率の自作(ホーム・メード)簡易分析キットを紹介します
 
最近、このBlogの記事を見てか、転化率の測定をしたいと言う方が、時々居られます。
今回も某BDF製造装置を販売されれちる方(法人)より、ご希望がありましたので、本Blogでも紹介させて頂きます。
 
今回のイメージ 1送付させていただいた自作の試薬は下記でした。
500mL容器にほぼ満杯の試薬2本と分析器具イメージ 2として、最も簡単な簡易器具を2組セット送付させて頂きました。
1セットは、蓋付の目盛なしの安価なガラス試験管(50mL、最近の提供品はPPプラ製遠沈管)、ポリプロ製の注射器(30mL,3mL各1本)から構成されているものです。写真は2セットです。この様な廉価版の器具でも、或いは、後述の特注器具を使っての分析で、どちらでも可能です。
 
簡易分析試薬があれば、例えば、小さな空き瓶でも、試薬とBDFサンプル量さえある程度正確に測れれれば、定性分析なら可能です。
 
本500mL超のボトル2本の試薬があれば、標準分析なら35回以上の簡易分析が可能です
 
以前には、1000mL容器で提供させていただいた時もあるのですが、今回は容器の関係で500mLとしました。
サンプル毎に小分けした簡易分析キットに比べれば、ご自分で使用量を分析目的に応じ、試薬使用量を変更できて、お徳だと思います。他では入手不可能です。
 
この器具を使っての分析法を纏めた、下記の添付文章付です。
初心者も、専門家も必要不可欠のアイテムだと思います。
 
下記の紹介Blog記事は、この分析器具を使った超短時間のBDF反応完了の例、及び転化率の分析例です。
 
また、もう少し高級な器具として添付の器具も、私は使用しています。
 
左は、蓋・目盛付の50mLの試験管、及びより高級な特注専用分析器具です。
目盛り付器具なら、注射器などは不要になります。
 
尚、専用器具を用いた分析例は下記に紹介済です。
 
今回は、、BDF転化率キットの廉価版の紹介でした
BDF反応の何処が問題か、直ちに解り改善策も立てられます。
イメージ 3
 興味のある方は、直接お問い合わせ下さい。
 
では、また。。。。
Joe.H
 
追伸
 1)上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かコメント、ご意見、及び質問等具体的な相談のある方は、下記メール・アドレス宛へ直接ご連絡下さい。
  尚、お問い合わせの前、下記を必ず参照ください。
 
 
 
 
添付説明書
     BDF簡易分析キットの使用法と注意事項
                         
1)        BDF分析キットの目的
    BDF(バイオディーゼル)は、主に食用油(廃食油を含む)をアルカリ法(1段、2段法)よるエステル交換反応で、或いは酸・アルカリ法によるエステル反応+エステル交換反応などにより製造できます。反応時間の経過、工程的な進捗に従い原料油は、メタノールと徐々に反応し、BDF脂肪酸メチルエステル)へと転換します。
    本簡易分析法は、反応の開始から最終のBDF製品となる各段階に於けるBDF反応の転化率(BDF製品中の残未反応油の量)を定性的に、或いは、使用器具の精度により定量的に、速やかに、簡単に分析できます。
    後述の分析法により、沈殿がなく、透明な結果が得られれば、BDF品質規格を満たす反応転化率に達したことが確認できます。併せて、反応途中に分析反応を継続的に行うことにより反応の進展具合も把握できます。但し、本分析法はあくまで簡易法であり、例えば、BDF製品などの転化率を保証する手法ではありません。GC分析、或いは、これらとのクロス確認が必要です。
 
2)        準備する試薬、サンプル及び器具類
    簡易転化率分析液(A
    容器(B-1/2--ガラス製の容器2個(小型広口ビン、ビーカーなど)
    分析ガラス容器(C--蓋付(50mL程度)試験管(或いは、専用器具、類似品)
    試薬測定器(D)--最も簡単な器具は、例、注射器(30~50mL)、目盛付ガラス試験管など類似品
    BDFサンプル測定器(E--同様に、例、注射器(~5mL)、1mL単位が正確に測定可の器具類
    BDFサンプル液(F--反応中のBDFを含めたBDF測定サンプル(3~5mL以上)
    ゴム手袋、メガネ、マスクなど危険防止用安全器具類
 
3)        簡易分析法
    試薬(A)は猛毒・危険物を取り扱いますので、ゴム、ビニール手袋などを着用し、かつ揮発性発火物ですので、火気の無い場所で実施ください。
    まず簡易試薬(A)を一回分の分析として多少余裕を見て30mL程度を容器(B-1)へ注いた後、試薬測定器(D)で27m+を吸入する。吸入時の目盛りを読みとる。直接、試薬容器(A)から試薬測定器(D)を使い、試薬を吸入することは、不純物が混ざる可能性もあり止めてください。容器(B-1)の残液を試薬容器(A)に戻すのも同様です。
     尚、試薬測定器(C)が何組かあれば、容器(B-1)内の試薬の無駄が減らせます。
    次に、試薬測定器(D)より分析容器(C)へ試薬(A)を定量注入する(Dの目盛りの差を利用)。標準注入量は27mLとする。この容器の蓋をして立て掛けて置く。
    反応中、或いは反応後のBDFF)を少量容器(B-2)へ取り、3mL以上をサンプル測定器(E)に吸入する。吸入時の目盛りを読み取る。
    分析容器(C)の蓋をとり、サンプル測定器(E)の目盛りの差から正確に3mL(試薬が27mLの標準の場合)を分析容器(C)に投入後、再度蓋をする。
    分析ガラス容器(C)を上下10回程度軽く振るか、上下を逆転して、試薬(A)とBDF(F)を混ぜた後、立掛けて5~10分間静置する(試験管立てがあればベスト)。但し、測定時の液温は20C前後が望ましい。極端に試薬の温度(室温も)が高い場合、又は低い場合は恒温槽か、湯銭で温度管理が必要になります。サンプルは高温でも、試薬(室温)20C近辺(誤差温度は+/-3℃程度) であれば、そのまま分析しても問題ありません。簡単な方法は、2液を混ぜた後、両手で静かに5~10分暖める方法でも構いません。
    510分後に(通常は、もう少し早い時間)、分析容器の底に分離した液が存在していれば、この液は未反応原料油、及び中間生成物(DG,及びMGの一部)です。もし容器の底に何も沈殿物が無ければ、BDF品質規格を満たす水準の反応転化率に達していることになります。分析後、長期間放置した場合の結果は意味がありません。
    反応停止時の最終判断時や最終製品の品質確認時などは、例え、底に沈殿物が無い場合でも、更にBDFサンプルを2倍(更に、3mL追加投入)、3倍量モード(6mLを追加投入)で投入し、新たな沈殿が発生しないか確認をすれば、完璧に近づきます。
    上記器具(C)が何組かあれば、上記を繰り返すことにより、反応の操作条件(メタノール量、温度、経過時間、。。。)と転化率の進展具合をモニターできます。この操作を有効に使えば、反応時間の大幅な短縮なども可能です。また、未反応BDFの製造ミスなども殆どなくなります。その他、反応条件の解析ツール(メタノール量、温度、触媒量、攪拌効果と反応速度、転化率との関係など)としても使えます。ペットボトルなどで少量のBDFを手作業で試作時も同様に使えます。
    分析終了後は、分析液・BDF混合液などは、揮発性の火気・危険物・劇薬物ですので、産業廃棄物扱い、或いは同等の注意と処理法が必要です。
    容器は、充分洗浄後、乾燥処理すれば、何回か使用可能です。急ぐ場合は、溶剤(例、イソプロパノール、ケトン)などで、洗浄すれば比較的早い時間サイクルで再使用できます。但し、残液があると分析結果に影響します。
    分析時の簡易試薬(A)とBDFサンプル(F)との容量比は、標準分析では9:1の割合でお願いします。上記の標準例は27mL:3mLとなります。特注の専用分析器(価格1.5万円)では90mL:10mLが標準分析で、より正確な定量分析(99.95+%精度)が可能です。試薬(A)を節約する為に、少量でも分析可能ですが、測定器具の測定誤差が問題となり、現実的には、18mL:2mL程度以下は無理だと思います。これ以下だとピペットなどの精密な容量測定器具が必要になります。
    測定サンプルのBDFは如何なる濃度でも測定できます。サンプル中に、(過剰)未反応メタノール、及び石鹼分、水分、グリセリンなどの副生物が含まれていても、定性的な分析はできます。尚、グリセリンや未反応油が多く含まれている反応初期のサンプルでは、分析結果は濁った状態となる場合がありますが、問題ありません。底に液が分離しているか、否かが判断基準です。正確な定量分析の場合は、混入副生物の量的な補正が必要となります。
 ・原料油脂の種類は、通常の天ぷら油、サラダ油系の廃油、新油を対象としています。牛脂、ラード100%、及びひまし油など特殊な成分割合、構造の脂肪酸を含む油脂からのBDF分析結果は未検討です。
  ・水洗法で精製処理中は、水分が極端に多く、水分と試薬との溶解度の影響から誤差が生じますので、使えません。
 
4)        その他注意事項
    分析試薬(A)は、有毒(猛毒)・揮発性の液体混合物ですので、使用後は速やかに試薬の蓋をし、直射日光のあたらない、冷暗所で保管下さい。
    長期の保管後の使用は、誤った分析結果となります。ほぼ1年間が有効期限です。蓋の開け閉め、保管状況により、試用可能期間は前後します。
    試薬が肌に直接触れた場合は、速やかに多量の水で洗い流してください。また、眼などに入った場合は、水で洗浄後、速やかに眼科医に相談下さい。誤って、飲んだ場合は、致死量に達すれば、死に至ります。専門医に相談ください。特に、保管場所は子供などが直接触れない様にしてください。
    静電気を含めて、火気には充分注意下さい。揮発蒸気は、空気より重く床に漂いますので、空気の流れの良い場所で実施下さい。炎は薄いブルー色ですので、眼に見え難い状況です。ガス濃度によっては、爆発の危険性もあります。充分ご注意ください。
                                                       以上